ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

越えがたき

2023-06-21 06:22:30 | 短歌





越えがたき 山の彼方に ある月の おもてを盗む 馬鹿者の闇




*これは昨日詠んだものです。最後の七が、ちょっとぶら下がっているようですが、意味は通りますね。

越えがたい山の彼方に光っている月の、顔を盗んで自分に飾る、馬鹿者の心の闇とはなんであろう。

月にたとえられているのは、もちろんあの美しい人です。嘘ばかりが繁栄しているこの世界の逆風の中を、傷だらけになりながら、愛にまっすぐに生きて、ついに救いをなしとげた、かのじょのことです。説明せずともわかるでしょうが、一応細かいことを押さえておくのが、ここでのやり方です。

かのじょの心は高い空にあった。自分の人生とある限りの力を、この世の救い、人類の救いのために注いでいた。夢は、すべての人類の魂を救い、新たな次の時代に導くことだった。

そんなかのじょの、すばらしく高い心も知らず、馬鹿な人たちはかのじょの美しさに目がくらんで、簡単にそのかたちを盗むようなことをするのだ。馬鹿の考えていることは、あのように美しくなれば、男がみんな寄ってきて、自分のために何でもしてくれるのだとか、そういうことだ。動物的エゴにまみれて、まるで自分のことしか考えられないような馬鹿が、崇高なほど高く澄んだ心で、人類のすべてを救おうとしていた人のかたちを盗んでいる。

馬鹿というものは、何もわからない。月がただきれいなだけのものだとしか思えない。あれが美しいのは、愛のために、長い長い年月を、あまりに高い努力をしてきたからなのだということを、軽く無視して、簡単にかたちだけ上手に真似をする。

それですべてが馬鹿になる。かたちは天使のように美しいのに、目つきや表情に低いレヴェルの魂が見えて、とても臭い美人ができあがる。嘘なのだ、あれらは。盗んだ美貌を餌に、人の魂を食おうとしている、いやらしい馬鹿なのだ。

人の美貌を盗んで自分に飾り付け、それで人をだまそうとしている限り、馬鹿者は汚い嘘であり続ける。そんなものに自分を落としていることが、どんなに愚かなことであるかさえ、馬鹿にはわからない。

わからない。何もわからない。魂の勉強を怠ってきた馬鹿者の闇は、あまりにも深いものなのです。





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