狂ふほど さいはひの実を 食ひちらし まだ満たされぬ 魂の飢ゑ
*今週は、添島がエネルギーを回してくれたので、いくつか良いのが詠めました。これはその一つですが、X(ツイッター)で発表したときは、最後の七が「魂の闇」になっていました。それを今回、「魂の飢ゑ」に推敲してみました。そっちのほうが現実に近いと思ったのです。
これは、わたしたちが例の悪魔と呼んでいる、ある野球選手について詠んだものです。今その選手は大活躍をして、歴史的な大記録を次々と塗り替えているところですが。
あれはものすごい嘘なのです。
世界中が大騒ぎしていますがね、残念ながらあれは、馬鹿の霊集団がみんなでやっている、汚い嘘芝居なのですよ。
馬鹿が霊的ずるをふんだんにやれば、ああいう超人的な選手は、いくらでも作れるのです。
今、あれは、冷静に見ればおかしいほど、幸運に恵まれています。だが本人の顔と目を見ると、ちっとも幸せそうではない。何かに動かされて、仕方なくやっている、悲しい芝居のように見える。なぜでしょう。
それは彼が、本当に幸せとは何かを、知ってしまったからです。本当の幸せは、金や名声に恵まれることでも、愛してもいない美人の妻を得ることでもない。
愛に生きる美しい自分であることなのです。
それなのに自分は、その愛を大きく裏切る生き方をしている。人の幸福を盗み、自分一人につぎこみ、自分だけの幸福のために、あまりにもたくさんの人を犠牲にしているのです。
それは愛ではない。愛ではないことをしているのに、表面は実にかわいい好青年のふりをしている。その汚さが、みじめなくらい、つらいのだ。
彼が狂ったように幸福をむさぼるのは、少しでもそのつらさから逃げるためでしょう。だがそんなことをしても魂の飢えはごまかせない。
かわいそうに、彼は一生、あの地獄のような幸福の人生の中で、魂のもだえに苦しまねばならないのです。