そのわれの 深き罪をぞ なきことと せむと逃げ行く 人の悲しさ
*人間、罪を犯したことのない人などいません。どんな良い人も、まだ何も知らなかった頃に、馬鹿なことをしたことがある。罪を犯してしまえば、自分が汚いものになったような気がして、とてもつらい。
正しい人は、そのつらさから逃げずに、ちゃんと償いをして、罪を清めていくものなのですが、中には、他の誰かや何かのせいにして、そこから逃げてしまう人もいるわけです。
自分が、あまりにも馬鹿なことをしてしまった。その罪の深さを嘆き、こんな自分など嫌だと、まるのまま自分を捨ててしまいたいと、身を切り裂くような苦しみにあえぐ人がいる。自分は悪くないのだと思いたい。すべては自分以外の誰かが悪いのだと思いたい。それでなければ、自分のしたことが、あまりにも苦しすぎる。
逃げてしまえば、愚かな暗闇に魂を迷わせ、延々と苦しむことになる。自分以外の誰かを悪者にしようと、曲がらない理屈をまげて、嫌なことをし重ねて、よけいに罪を深めてしまうのです。
わかっていても、馬鹿な人たちは馬鹿をやめられない。どうしても自分の罪を背負うのが嫌だと、逃げ続ける。
自分のしたことが、あまりにも馬鹿すぎるからです。そしてずっと、腹の中に巣くう矛盾の虫に苦しんでいる。
その苦しみから自分を救うには、自分の罪をまっすぐに受け止め、正しく償っていくよりないのです。どんな深い罪、重い罪も、清めていける自分を信じ、愛を行って、償っていくより他はない。
それでも馬鹿は迷い続ける。
永遠に逃げるつもりかと問われても、まだ逃げ続ける。
あまりにも自分がつらいのです。