夢にまで 見てた他人に なってみて ついに壊れる ほんとの自分
*馬鹿者というのは、常に自分がいやなのです。自分はいつも、いやなことばかりしているからです。
他人がうらやましくて、他人になりたくて、他人のものを盗んでばかりいる。そんな自分がいやでたまらなくて、また他人がうらやましくなって、他人になりたくて……
馬鹿はいつも、自分ではない他人になりたいと思っているのです。嫌な自分と他人の自分をまるごととりかえてしまいたい。そうすれば、こんないやなことばかりしている自分から、永遠に逃げられると思うのです。
ですが、実際、本当の自分から逃げられるはずもない。馬鹿は永遠に、できもしないことを望んで、本当の自分から逃げようともがいて、ぐるぐると同じところを回っているのです。
しかしそれにも限界が来る。
いつまでも自分を嫌がり、他人をうらやましがって他人のものを盗んでばかりいると、とうとう本当の自分を壊してしまうのです。
人間は悪いことをするたびに、本当の自分を剋しているのです。本当の自分というのは愛ですから、愛ではないことをすると、自分の霊魂が傷んでくるのですよ。
馬鹿は他人になりたくて、他人を盗んで他人のまねばかりしてきた。そのために人を苦しめてばかり来た。人がいやがることばかりしてきて、それでとうとう、本当の自分を壊してしまったのです。
壊れた自分は元には戻らない。彼らはもう、永遠に人間ではないものになるのです。