死ぬる日は このごときかと 昼寝しき 夢詩香
*ある日のこと、電話があって、知り合いのある人が死んだという知らせがありました。
突然のことで、びっくりしました。事故死だそう。とるものもとりあえず、お通夜に行って、死に顔に会ってきました。まるで眠っているようだった。死んでいるなんて思えなかった。
多分、まだ人生に未練があったからだと思う。まだ何も、自分のやりたいことがやれてなかった。つらいことばかりがあって、失敗ばかりしている人でした。それが突然、不慮の事故で人生を終わってしまう。本人はとてもつらかったのだと思う。
それからしばらくして、日常が戻って来て、ぼんやりと昼寝なんかしている時に、死ぬのってどんな感じなのかって考えてみる。そんなことって、たぶん誰にもあると思う。
息が止まって、心臓が止まるのって、苦しいんだろうか。今、眠っている間に死んでしまったらどうしよう。
死ねるわけがない。子供も夫もおいて、自分が死んでしまったら、どんなことになるだろう。だれが、家族のために主婦業をやってくれるだろう。ご飯を作るのも、洗濯物をたたむのも、誰かがやってくれなければ、みんなが困る。
まだやりたいことだって、たくさんある。
つらいことはたくさんあるけど、人生は大切だ。まだ死にたくない。
生きていたい。