室内に、置いてある何種類かの小さな鉢の蘭が、その白い花を咲き始めたり、つぼみを大きくさせ始めた。花の真ん中にある黄色い花弁に、鼻を押し当てると、かすかに、ほのかな品の良い香りを嗅ぐことが出来る。冬の庭は、草花が、枯れ果てて、ポットに、植え付けられたビオラやパンジーも、今や、花がしぼんでしまい、この厳しい寒波のせいか、元気なく、しおれ始めた。今一、避寒対策も、効を奏することがなかったようである。それにしても、新潟などの日本海側の豪雪のニュースを見るたびに、これは、ただ事ではないと感じる。都会では、一寸、雪が降っただけで、都市機能も、日常生活も、とりわけ、通勤・通学の脚が、混乱し、麻痺してしまう。困ったことである。ちょっとした坂道でも、スリップして、交通網も寸断され、舗道を歩くことすら、難儀する始末である。雪国の人々は、それに比べると、実に、我慢強く、逞しいものである。亡くなった母は、雪深い新潟県高田の出身だったから、「雁木」(がんぎ)や、「かんじき」等の話を、冬になると、私の小さいときには、よく、話題にしていた。「厳しい冬と寒い雪が、北国の人を強くするのだ」と、いつも、口癖に、誇らしげに、言っていたことを想い起こす。暖かい室内で、ぬくぬくと、蘭の花の開花を観ながら、ふと、そんなことを想い出した。北国の春は、未だ、遠そうである。
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