妄想
うだるような暑さの中、私は熱気にやられて放心状態になっていた。目の端に黒い物が動く。やもりだ。しかしそれは妄想にすぎぬ。つまるところ、私の頭がやられているのである。しばらくすると私の身体を覆いつくすほどに、やもりがびっしりと張り付いているのに気付く。そして目に見えるもの全てに色とりどりのやもりが変色して、書棚や壁、至る所にびっしりと張り付いているのが見える。妄想である。全ては妄想である。
うだるような暑さの中、私は熱気にやられて放心状態になっていた。目の端に黒い物が動く。やもりだ。しかしそれは妄想にすぎぬ。つまるところ、私の頭がやられているのである。しばらくすると私の身体を覆いつくすほどに、やもりがびっしりと張り付いているのに気付く。そして目に見えるもの全てに色とりどりのやもりが変色して、書棚や壁、至る所にびっしりと張り付いているのが見える。妄想である。全ては妄想である。