奈良のむし探検 第12弾
虫の写真が溜まってきてどうしようもなくなってきたので、まとめて出しています。今日は4月8日にいつもの用水路脇の草むらで虫探しをした結果です。この草むらも初めのうちはタンポポ、ハコベ、ヒロハクサフジなどいろいろな花が咲いていて綺麗だったのですが、今は草が生い茂ってきて、中に入るのも大変という状態になりました。そろそろ場所を変えないといけないみたいです。
最初はガガンボの仲間です。ガガンボも調べると属、亜属くらいまでは分かると思うのですが、採集すると脚が取れたりして標本にはしにくいし、種を調べるには♂交尾器を見ないといけないので、文献集めが必要で、そんなことを考えるとつい採集を躊躇してしまいます。
これは
ヒメカメノコテントウ。
また、キリギリス幼虫がいました。キリギリスにはヒガシとニシがいて、幼虫は私には区別ができません。もう少し経って成虫になったら一度調べてみたいと思います。
また、ガガンボがいました。時系列で出しているので、同じ種が何度も出てきます。
これはギシギシの葉についた
コガタルリハムシ幼虫。後でまた出てきます。
これはたぶん、
シロスジヒゲナガハナバチ。
このクモ、撮影しようとすると茎の向こう側に回り込んでともかく逃げよう逃げようとするので、なかなか撮れませんでした。写真を見てもカニグモくらいしか分かりません。「日本のクモ」を見たのですが、よく分からず、「カニグモ」で画像検索をするとどうやら
ハナグモ♂のようです。
コカゲロウ♂亜成虫です。コカゲロウの場合は一応、横から後翅を撮るようにしているのですが、この種はよく分かりません。一度、成虫♂を調べてみたいと思っています。
建物の壁に止まっていた
マルツチカメムシ。いつもいますね。
トビケラもどれも外観が似ていて、♂を採集しないと種名はなかなかわかりません。何度か調べたのですが、種類数が多くて、最近はギブアップ気味です。
これは
モモブトカミキリモドキ♀です。
それから
ナミテントウ。
脱皮に失敗したのか、翅が伸びていない
ホソヒラタアブがいました。これからどうするのだろう。
これはこの間も調べた
ハグロハバチ。
ウロコアシナガグモか、エゾアシナガグモかというところです。触肢にピントが合っていないのでよく分かりませんが、何となく先端が太い感じです。だとすると♂かな。♂だと見分けられることにはなっているのですが。
また、
コガタルリハムシの幼虫、こんなにいました。
用水路脇の草むら探査を終えて、畦道のようなところを歩いていると、タンポポに虫がいることに気が付きました。見たことのないテントウです。一匹だけ採集して、図鑑で調べてみました。特徴的な模様なのですぐに
クロスジチャイロテントウだということが分かりました。この間、手に入れた「奈良県版レッドデータブック2016改訂版」を見ると載っていて、「注目種」になっています。「注目種」というのは、希少性以外の観点で多様性の保全上注目される種だそうです。各論を読むと、「休耕田や湿地環境、葦などで比較的広くみられるが、宅地化や農地改良工事などで危うい場所もあるため、注目種とした。」とのことです。ネットを見ると、大阪府と大分県では準絶滅危惧種に指定していて、京都府では要注目種となっていました。京都市大悲山がタイプ産地で、京都府内では淀川水系では多産するが、それ以外では稀な種で、特異な分布を示すとありました。