奈良散策 第1295弾
9月17日は奈良の猿沢の池で采女祭りが行われるというので行ってみました。采女祭りというのは、奈良時代、天皇の寵愛が薄れたことを嘆いた采女が猿沢の池に身を投じたことに由来していて、采女の靈を慰めるために建てられた采女神社のお祭りが、毎年、中秋の名月の日に行われます。祭りに先立って、夕方5時から、JR奈良駅から猿沢の池まで花扇奉納行列があるというので、4時半ごろに着くように、JRに乗って奈良駅に行ってみました。
奈良市総合観光案内所周辺にはそれらしい格好をした人たちが集まっていました。大きな御所車もあります。
案内所の中では美しく着飾った女性たちが集まっていました。
提灯には采女祭りではなく、花扇祭と書かれています。
駅前の広場を見ると、花で飾られた大きな扇がありました。これのことですね。
出発前の記念撮影です。
この采女祭りには福島県郡山市から親善使節団の方が多数参加されていました。実は、郡山市にも似たような話が伝わっていました。やはり奈良時代、今の郡山市のあたりは冷害が続いていました。巡察使が来た時に貢物の免除を願い出たのですが、聞き入れてはくれず、里長の娘の春姫を采女として差し出すことを条件に3年間の免除が許されました。ところが、春姫には愛する許嫁の次郎がいました。春姫は奈良に来てから帝の寵愛を受けていたのですが、次郎恋しさに、猿沢の池のほとりに衣をかけ、入水したように見せかけて、郡山に戻ってしまいます。しかし、次郎は既に亡くなった後で、それを嘆いて、春姫も身を投げてしまうという悲しい物語です。
花扇をもう一度撮ってみました。秋の花で飾られているようです。
勇ましく刀を差していますが、白拍子姿の人たちです。
出発時刻が近づいてきたので、先回りをして三条通りで待つことにしました。5時ちょっと過ぎに行列の先頭が見えてきました。
次々と行列が続いていきます。
大きな太鼓がやってきました。
子供たちが過ぎた後、花扇も見えてきました。
この御所車の中には花扇使が乗っているようです。
そして、白拍子姿の人たちも見えてきました。
郡山市親善使節団の方々です。
最後は天平衣装に身を包んで行列に参加された一般の方のようです。
この後、6時から采女神社で花扇奉納神事が行われ、その後、7時から猿沢の池で管絃の船の儀が行われます。