スポーツ誌に連載だったらしいけど、スポーツとはあまりかかわりない話も多いやん、なエッセイ集。
80年代初めのころですが、やっぱり椎名誠はおもしろい。わらっちゃう。
雲の中に包まれて。
立っている草原の上。
カエルもバッタもカマキリも。
歩くたび跳ね上がる。
柔らかな光が射していて。
鳥の声が合唱団のようだ。
あなたと手をつなぎたい僕は。
仕方がないから地面を見ながら。
ひとりで雲の中を歩いている。
服も顔もしっとりと濡れていて。
ときどき流れる滴はまるで。
涙のように見えるけど。
これは涙じゃないんだよ。