雑誌内雑誌という体裁の企画を単行本にまとめたもの。イラストアンドエッセイ。街中観察調査多し。
美術大学助手をしながらの連載で、20歳そこそこで書いているから内容もそれぐらいの年齢を感じさせるが、センスがいい。これがデビュー作ときくと、非凡な才能を感じます。ずいぶん前の本だけど。
ウサンナぼくは。
ポルトガル。
屋根に上って飛び降りる。
心の中に住んでいる。
ウサンナぼくが。
棲んでいる。
かなしいうわさをきいたんだ。
生まれたばかりの赤ちゃんが。
蝿をパクリと食べたって。
自然界ってすごいよね。
ウサンナぼくが。
飛んでいる。
秋の夜空を飛んでいる。
住めば都さどこだって。
君の心の中だって。