当方見聞記

旅と舞台・ライブ話を気ままに書いてます

仏教伝来の道

2011年02月07日 | 日記
上野の東京国立博物館で開催中の『仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護』に行ってきました

前売券まで買って、行く気満々だったからね、今回は
だって薬師寺で門外不出となっていた大唐西域壁画がとうとう外に出たんですよ
見たことあっても気になりますがな

第一室は、平山郁夫氏の集めた&保護した彫刻や壁画の文化財と、旅と絵でまとまっています。
最初は、スケッチのような水彩画にはじまり、彫刻・壁画、ところどころに大型の絵という流れ。

彫刻は、山梨のシルクロード美術館で見たことがあるものが多かったかな?
でもやっぱり展示の仕方が違うだけでイメージも変わりますね。
すぐに「見たことある」わかったのは、単純に彫刻のバランスのせいなんですが(笑)
ギリシャ系の御顔立ちのわりには、顔に対して体がミニで手足はでかいんですよ
そして、お釈迦様がギリシャならアポロンか何か?まぁそんな勢いの彫深なお顔の美青年なの。
ま、日本の仏様の顔に慣れてしまっているから違和感起きるだけで、シッダールタの誕生はネパールですしねぇ(インド説もあり)。本来ならこっち系のお顔なんでしょうな

絵は…バーミアン絡みのは、平山氏の絵を見ると本当に切なくなります。
宗教が絡むのであまり言えませんが…やっぱりあの破壊はね…
平山氏の絵はリアルに状況を訴えるものがあるので、淡々と見える情景の中にも、独特の“さみしさ”?それより“むなしさ”かな、を感じます。
せめてこれだけでも伝えたいって言う思いですかね、あれは…

伝えたいって思いは、敦煌や楼蘭の絵にも感じますけどね。
なんていうか、自然の雄大さ、悠久の美、歴史の重さ、それと比べる“今”と自分たちの小ささ、そういうものを感じます。
ただ綺麗ってだけじゃないんですよね、説明しずらいけど…

アンコールワットに関しては、単純に個人的に思いが強いので、魅入りました
行ったこともあるんですが、あの地はなんというか…日本のお寺が好きなら絶対に気持ちが落ち着ける地だと思うんですよ。
“ときめく”より“共感”のが近い。日本的なものと何か通じる魅力があるんですよ、アンコールワットには
そんなわけで、平山氏の月夜のアンコールワットの絵があるんですが、それはかなりお気に入りな絵でしたね

第二室は、もちろん大唐西域壁画

薬師寺では建物と一体化しているので、横壁に飾られている絵が正面から見れたのは嬉しかったです
それに距離薬師寺で見るより近くで見れるこの魅力
…と言っても、大きな絵なので、結局さがって全体で見てましたが(笑)それでも薬師寺で見るのより近くで見れた気がします。
だからかな?神聖さは薬師寺で見た時のが感じましたが、迫力は今回見た方のが感じました。
特に須弥山として描かれたヒマラヤ山脈。この迫力はすごいです

今回は下絵の展示もあります。
同じサイズなんですよ、下絵も。
下絵を見ると計算されつくした感が伝わってきて、平山氏の凄さをまた感じます

やっぱり平山画伯の絵は素晴らしいですね
広島の美術館も今度行ってみたいなぁ

ミシマダブル/サド侯爵夫人

2011年02月06日 | 日記
今月はなんだかジャニーズが三島由紀夫月間なんだろうか…思います

とりあえず。

蜷川さんのミシマダブル、『サド侯爵夫人』観てきました。
ヒガシと斗真の女装が話題の作品です(笑)


まずは…


セリフ量、ハンパない~

観てるこっちまで一杯一杯になる勢いで台詞が
まぁ三島作品だしね…しかもそれを蜷川さんがやるんだしね…
橋田壽賀子作品さえも甘く感じるレベルですよ
野田さんが宮沢りえちゃんに課せる台詞量レベルを何回もやられた感じ。

いやぁ~本当に出演者の方々に感服です

女装に関しては、さすがに登場した時は笑ってしまいましたが…
人間の目ってすごいですね~
あっさり見慣れる(笑)

最終的には似合うな思ってるし

ヒガシの女装は美しかったです
横顔が特に。
美人って性別問わず、綺麗なんだねぇ。

斗真は、やっぱり男の子顔なんだなぁと
可愛いけどさ~、やっぱり微妙…
特にピンクのドレスは似合わなかったと思う
他のドレスは可愛い思ったけど←目が慣れてきてたせいもある


舞台としては、めちゃめちゃ脳みそ疲れましたが、面白かったです。
少人数の言い争い劇なんですが、テンポのせい?極端な流れのせい?3幕もある長い芝居なのに、疲れきったわりには長さはそんなに感じなかったし。
何より、三島ならではって言うんでしょうね。な、人間の裏表を暴くような感情の動きに台詞、淫靡と言える陰があるエロティズムさ。
そんなものが溢れまくってるってより、そんなものしかないです。

タイトルでご想像いただける通り、この舞台は、“そっちの世界”の話です。
そちらの趣味の方々が、自己を正当化して理解を求めてきます。
だからこそか、より卑猥であり淫靡でもある。

しかもそれを、聖女姿を気取る出演者たちの会話の中だけで説明してきますから。
理屈で説明しまくってくるんですよ

そんなわけで、ちょっと台詞を聞き逃すだけで一気に置いていかれる
ついていくには必死に台詞を聞いて想像する必要があるんですよ。
おかげで脳みその疲労度がすさまじい

でも良い疲労です
個人的にはこういうの好きなので


女装が話題になりすぎて、そこまで期待はしてなかったんですが(本当は『わが愛しのヒットラー』のが気になってた)、予想をはるに上回る出来でしたね
過去見た蜷川作品の中でも、好きさは上位に入るなぁ。

本当に楽しめました


あ~それにしても脳みそと目が疲れたよ

建仁寺 両足院

2011年02月05日 | 日記
再び京都の話へ。

正伝永源院行ったついでに、同じく建仁寺の特別公開、両足院にも寄ってきました。
去年の6月に半夏生観に行ったばっかなのに(笑)


入口から相変わらず美しい白がまぶしいぜぃ

半年前にも書いているので、細かい話は今回は省きます。

今回のここの見どころは何と言っても、毘沙門堂の秘仏
黒田長政が兜に納めて関ヶ原を戦ったと言われる毘沙門天像の特別ご開帳

なんというか…納めたと言われただけあって、小さい。
でも、かと言って、兜に納めたとなると、サイズが少し疑問な感じでしたが…まぁ納め方にもよるだろう
細やかな細工ですが、これがそれですよ言われなかったら見落としかねない感じです。
仏像としては、鎧不動尊象をなんだか思い出したり…。
でも、これが黒田の勝利に繋がったと思うとちょっぴり感慨深くなっちゃいます
別に三成は嫌いなわけではありませんが(あくまでも秀吉が微妙なだけ)、黒田長政と言えば関ヶ原の武功がなんたってあがりますんで
そしたらこれは重要な品ですからね~


ついでにお庭見学。
池泉式庭園、半夏生の季節なら、ここにもう少し“色”がつきますが、元々綺麗な庭なので、冬でもそれなりの味があって良かったです


書院の窓はさすがに開いていなかったのですが(6月の公開の時は開いてます)、逆にそれも趣があって良かったです。
昔のギヤマンの窓なので、景色が独特の“揺れ”を含んで見えるんです。
それはそれで、絵みたいな感じで良かったですね~

ちなみに書院には、特別公開パンフレットにも載っている、若沖の鶏の掛け軸など、絵画の展示がされています。
若沖の絵は何度みても凄い
あの野生さと細かさは本当に感心して見入ってしまいますね

あと、方丈の方に、長谷川等伯の竹林七賢図が飾られていました。
実は前回、これ、美術館に貸し出し中で見れなかったんだよ
そんなわけで今回見れて嬉しかった
ガラスにさえぎられることもなく、間近で見れる…たぶん他ではありえない扱いです
でも、やっぱり、さえぎられずに生を見るっていいですね
なんつうか…絵の出す優しさってのが感じられる気がします。
これ、他ではなかなかこんな距離で拝めないはずなので、気になる方には見に行っていただきたいですね~

両足院の後はもちろんお隣の建物、毘沙門堂へ。
秘仏見させていただいて、こちらに寄らないのはやっぱりねぇ

御堂の脇には、寅市だったので出店が並んで賑やかでした
ちなみにここ、戦前は、祇園の舞妓さんがイイ旦那さんとの縁結び祈願でお参りしてたんだとか。
今はそんな艶っぽい雰囲気がある気はしないんですけどね。

真心一座ファイナル

2011年02月04日 | 日記
いや~しばらくぶりです。すっかり更新さぼってました(笑)
やっぱりさぼりだすとダメだね~

とりあえず舞台話の続き。

真心一座身も心も ザ・ファイナル『流れ姉妹 たつことかつこ~エンド・オブ・バイオレンス~』行ってまいりました
だってね~今回のゲストレイパーはマイラバー古田さんだったし
ゲストラバーは先日の新感線で観損ねた成志さんだったし
ま、河原さんだから、気になってたシリーズだったしね~

ってこのシリーズ知らない人にはゲストなんちゃらってなんだよって話ですね

このシリーズは、河原さんが主でやってる「流れ姉妹 たつことかつこ」の物語なんですが…
簡単に言うと、一昔前っぽい人情劇風、小劇場臭さが全開で香る、真面目ぶったコント劇って感じかな?
個人的にはめっさ面白かったです(笑)
しかし、素晴らしいと思えてしまうくらい、心打つようなものは何もなかった(笑)

物語は、超不幸姉妹、たつことかつこの旅物語。
母親に虐待されて育った姉妹は、母親を殺して、さすらいの身に。
かなりなアバンギャルドな姉たつこと、真逆に御仏?過ぎたMっ気全開の慈愛心を持つかつこ。そんなかつこが好きで二人を追う谷村と、保護観察士末次の4人がベースの物語。
ゲストラバーとはたつこと恋愛?…まぁ絡むキャラのこと。ゲストレイパーとは人がイイかつこに付け込んで人としてダメな行為をしてしまうキャラ(笑)
古田さんがゲストレイパーと聞いた時は、ある意味ハマり役どんだけギラギラの悪どいレイパーかと思ってましたが、意外にもめっさイイ人でした
痩せたから、余計にギラギラ感なかったのかもしれない…。
見た目は昔に戻ってカッコいいんですけどね~(お尻本当に小さくなった)。個人的にはもうちょっと脂ギッシュな雰囲気の古田さんのがギラギラ感のカッコよさがあって好きかも芝居見た時に受けるギャップがハンパないズルさだからね~
古田さんはゲイ役。過去のトラウマを抱えているため、異常なほどにストイック。まぁそれだけで軽く笑えましたが(笑)
池田さんは過去不明なエロ講談師。これがまたやたら上手い
たしかに声的にも向いてるとは思いますが…なんつうか、見た目もですかねぇ?裏の匂いがぷんぷんなんですよ。そこがあこぎっぽくてやたらイイ(笑)
芝居が上手い人って本当に器用なんだなぁと納得してしまうくらい、異常に講談しゃべりが上手で怪しかったですね~


とりあえず、よく笑いました。
実際は笑っちゃいけない展開なはずなんだけど、あの小劇場臭とコテコテさは笑わずにはいられない
なんか久しぶりにコテコテなの観ましたよ。
河原演出、個人的には好きなので、これも面白かったです
前作の高橋和也、見てみたかったなぁ…