渡辺さん家

スイーツ大好き渡辺さんの時々日記

演奏から離れて想う事

2020-05-02 13:22:56 | 日記・エッセイ・コラム

今日からゴールデンウィークに入りました

とは言え、新型コロナウィルス感染拡大の影響で

趣味でやっている音楽活動は完全にストップしている

密閉空間であるスタジオには入れない

早い段階でライブハウスでクラスターが発生したというニュースが全国を駆け巡った為、丸3ヶ月私のライブ演奏の予定はキャンセルになっている

その先もどうなるのか全く分からない

音楽をやっている皆さんは、この冬眠とも言える間何をやるのだろう?

楽器のメンテナンスや、楽曲作り

技術向上の為の特訓だろうか?

新しい機材を取り寄せて使いこなす為にたっぷり時間をかけて向き合うとか

活動再開に向けていつでもスタートできるように個人練習にいそしむ人もいるのかな?

もっと単純にこの閉塞感が少しでも楽しい時間になるように、好きなように奏で、歌うのかもしれない

最近はライブ配信をする友人も出てきた

私はというと、そのどれもやっていないのだ

つまりは、ピアノに触っていない

丸2か月 無の状態でのほほんと生活してきた

正確には家事はエンドレスにあるので日々の生活で手一杯だったのだが

長年「ジャズが弾けるようになりたい」と思ってきたけれど

そろそろ取り掛かってみようかと思いはじめた

昨年買ったジャスの「黒本」と呼ばれる楽譜も実家から持ってきた

一番右の黒い本

YouTubeのハウツー動画も登録した

と、ここで私の中の残念な感情に想いを巡らす

私の中に音楽を楽しむというカテゴリーがないのだ

「やらなければいけない」とか「技術の向上を」とか思ってしまうところが残念

皆さん今頃どうしてるかな

と思った時に「好きなように奏で、歌うのかも」というのが最後にしか出てこなかった

近年ストリートピアノがあちこちに置かれ、誰でも弾いてもいいという素敵な環境が増えつつあるが

私はストリートピアノが弾けない

「何か弾いて」の「何か」が何もないのだ

何も浮かばない。何も覚えていない。何も準備していない

私は楽譜を見ながらでないと何も弾けないのだ

ストリートピアノを弾きに来る人々を海外で取材した映像を見た事があるが

皆、楽しそうに自由に弾いている

「頭の中を空っぽにしたい時にここに来てピアノを弾くんだ」

「ボクは息をするようにピアノを弾くよ」

「物心ついたときから弾いてるからね、ピアノは私の人生そのものだよ。今年90歳だよ」

そんな人ばっかりで、まるで別次元の世界を見ているようだった

頭の中を空っぽにしたら弾けないよ(;´Д`)

息をするようにってどうやって?( ノД`)鍵盤に指を置いただけでは奏でられないよ

ピアノは人生そのもの 言ってみたい あんなふうに弾いてみたい

私にとってのピアノは苦しみそのものだった

ピアノのレッスンは否定されてばかりで何も楽しくはなかったし

「アナタ身長が伸びたから手も大きくなるのかと思ったら期待したほど大きくならなかったわね」と先生に絶望的な言葉を投げかけられた思春期

毎日練習しなければいけないという練習曲や課題曲は曲とも言えないようなつまらない音の羅列で苦行でしかない

ピアノを辞めたいと言うと母が半狂乱になって怒るので怖くて辞めることもできなかった

母は私にどうなって欲しかったのだろう

今、奇跡的なご縁でバンドで演奏させてもらえているけれど

母も、ほかの家族も、私の娘でさえ ライブを観に来たことがない

唯一主人だけがカメラを持って会場に来てくれる

ステージに立っているこの瞬間 気は抜けないけれど

最高に幸せな時間

そのバンド演奏もそつなくこなしているわけではない

苦しんで練習いっぱいして努力して、その先にステージがあってみんなと演奏できた時に喜びを感じてきた

お客さんから反応を頂けた時は特別なご褒美をもらった気分だった

今言える事はピアノは私のアイデンティティだ

「弾いてほしい」と言われてそれに応える事で自分の存在価値を認識しているようなもので

今ピアノをなくしてしまったら、自分は何の為に生きているのか分からない

過去に音楽を全くやっていない時期というものがあったが

当時子どもが小さくて子育てに必死で音楽どころではなかった

それに、過去私と付き合う男性は私が音楽やバンドをやる事にいい顔をしなかった

彼の為に音楽をやめるのだが、なにもいい結果は生まなかった

人生にぽっかりと空白ができたような期間となってしまい「あの時何してたんだっけ?子供が〇歳で・・・」という子供の年齢から辿らないと自分が何をしていたかも分からないのだ

20年以上経った今でも「アンタ男の為だったらバンド辞めるもんね」と当時のメンバーに言われ続けるという負が残ったぐらいだろうか

現在の自粛期間は私にとって休養期間だと思う

コロナが終息したら、私はまた忙しく走り出すのだ

 

 

 

 

 

 

 

 


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