わが夫 啄木
鳥越 碧
文藝春秋
石川啄木の妻、節子の目から見た啄木の生涯になります。
石川啄木が遠く離れた函館の地に眠っている理由がこの作品を読んで初めてわかりました。
【石をもて追はるるごとくふるさとを出でしかなしみ消ゆる時なし】
当時の渋民村は奥州街道の中でも一に二の寒村でした。その村で生まれ育ち最後は村を追われた石川啄木の悲哀が切々と伝わって来る歌になります。
渋民村は今は玉山区渋民になり小さめなイオンタウンがあり中々発展した町になりました。
また、来年には「道の駅もりおか渋民」が開業します。中にはもりおかじゃないだろう怒り心頭に発する知識人がいるようです。
確かにいいとこ取りする時だけ石川啄木をふるさとの偉人(異人)とたたえる人たちには対する違和感はぬぐえないものがあります。