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バナナ果実の糖度測定
新年あけましておめでとうございます。
元旦は昨年の目標達成状況および今年の目標設定を行います。
まず昨年のWeb活動目標は「120回ツイート/年+新しい形の情報発信1つ」でした。
その実績は、
○2021年のWeb活動
・ツイート数・・・・・・・・・・・・・・・・171回
・Youtube動画投稿(公開のみ)・・・・・・・・14回
一度止めた Instagram も年末から再開しました。
と目標は達成できました。
また、2021年は2020年に引き続き、新型コロナの世界的蔓延により熱帯果樹仲間との交流を控えなければならない年となりましたが、1度は現地検討会ができたので良かったです。
2022年のWeb活動目標は「150回ツイート/年+動画投稿15回」とすることで、コロナ禍でも楽しく交流したいと思います。
今年も、宜しくお付き合いください。
2021年9月15日の夜。
熱帯果樹仲間からLINEが届きました。
沖縄の面白情報を発信しているサイト「Dee Okinawa」のmioon 記者が「ドラゴンフルーツの皮は本当にマグロになるのか」と題した記事を書いているとのこと。
内容を読むと、、、やってみたい!
幸いにも、冷蔵庫の中にはドラゴンフルーツが入っています。
写真1.ねこがための野菜室(2021/09/15)。
翌、9月16日 8:20。
冷蔵庫からドラゴンフルーツ(白肉:1果、赤肉:2果)を取り出し、まずは表面を水洗いしました。
写真2.今回使うドラゴンフルーツ果実。
続いて、ヒレ部分を包丁で切り取ります(mioon 記者はカットした後でヒレを切り取っていますが、カット前に切り取った方が楽です)。
写真3.果実のヒレ部分はカット前に除去。
写真4.ヒレ部分や花落ち部分、基部を切り落とした果実。
果実をカットして、果肉を取り出します。
写真5.果肉はフルーツとして美味しくいただきました。
白肉果実は、果皮に果肉が少し残ったので、スプーンで削ぎとりました。
写真6.これがマグロになるのか?
果皮を小さく切り分けます。
写真7.果皮を食べやすい大きさに切り分ける。
このとき、白肉の果皮表面が少し固かったので、半分は果皮表面を削ぎ取りました(しかし、結果的には、この作業は必要なかった様に思います)。
写真8.結果的には必要なかった薄皮剥き。
そして、沸騰したお湯で1分程湯がきます。
写真9.果皮を1分程度湯がく。
その間に、果皮を漬け込むタレを準備します。
今回、準備したのは3種類のタレ。
1)ワサビ醤油、2)漬けダレ(卵1個、醤油大匙1、みりん大匙2、ごま油少々)、3)ウナギのタレ。
写真10.左から、ワサビ醤油、漬けダレ、ウナギのタレ。
湯がき終わった果皮をザルで水切りし、各タレに絡ませながら、漬け込みます。
写真11.湯がいた果皮をザルで水切りする。
写真12.ワサビ醤油に絡ませた果皮(この程度の量で十分でした)。
写真13.漬けダレに漬け込んだ果皮。
写真14.ウナギのタレに絡ませた果皮。
あとはラップをして、冷蔵庫で保管(この間、調理開始から約10分)。
写真15.冷蔵庫で3時間以上保管。
待つこと3時間半。
正午になったので、昼食タイムです。
丼にご飯を入れ、3種の果皮を載せます。
ウナギのタレに漬け込んだ果皮だけは、フライパンで温めてから。
ワサビ醤油と漬けダレに漬け込んだ果皮には、刻み海苔もかけてみよう。
写真16.完成!ドラゴンFの果皮でつくったマグロ風丼。
見た目からして美味しそうです!
実食!!
1)ワサビ醤油;マグロそのもの!ではないのですが、予想以上にマグロ!ご飯がすすむ!美味しい。◎
2)漬けダレ;美味しいけど、味がまろやか過ぎる?醤油が足りなかった?ドラゴンFの果皮は、マグロほどパンチ(生臭さ?アミノ酸的美味さ?)がないので、まろやかさが、物足りなさに直結した感じ。美味しいか否かと聞かれたら、美味しい。〇’
3)ウナギのタレ;温めたらウナギっぽくなるかと思ったけど、ウナギじゃない。でも、十分美味しい。恐らく、マグロの刺身をウナギのタレに漬け込んで、フライパンで温めたものより美味しい。温かい具として、ご飯に載せるのであれば、ワサビ醤油より優っているかもしれない。〇
結果として、予想を上回る美味しさでした。
マグロの刺身と違って、数日間冷蔵庫で保管できるだろうし、弁当にも入れられそう。
ちょっと凄いぞ、これ!って感じでした。
〇参考サイト
・「Dee Okinawa」>「ドラゴンフルーツの皮は本当にマグロになるのか」
【お知らせ】熱帯果樹に関心のある方は「Facebook」「Twitter」もご覧ください。
熱帯果樹仲間からLINEが届きました。
沖縄の面白情報を発信しているサイト「Dee Okinawa」のmioon 記者が「ドラゴンフルーツの皮は本当にマグロになるのか」と題した記事を書いているとのこと。
内容を読むと、、、やってみたい!
幸いにも、冷蔵庫の中にはドラゴンフルーツが入っています。
写真1.ねこがための野菜室(2021/09/15)。
翌、9月16日 8:20。
冷蔵庫からドラゴンフルーツ(白肉:1果、赤肉:2果)を取り出し、まずは表面を水洗いしました。
写真2.今回使うドラゴンフルーツ果実。
続いて、ヒレ部分を包丁で切り取ります(mioon 記者はカットした後でヒレを切り取っていますが、カット前に切り取った方が楽です)。
写真3.果実のヒレ部分はカット前に除去。
写真4.ヒレ部分や花落ち部分、基部を切り落とした果実。
果実をカットして、果肉を取り出します。
写真5.果肉はフルーツとして美味しくいただきました。
白肉果実は、果皮に果肉が少し残ったので、スプーンで削ぎとりました。
写真6.これがマグロになるのか?
果皮を小さく切り分けます。
写真7.果皮を食べやすい大きさに切り分ける。
このとき、白肉の果皮表面が少し固かったので、半分は果皮表面を削ぎ取りました(しかし、結果的には、この作業は必要なかった様に思います)。
写真8.結果的には必要なかった薄皮剥き。
そして、沸騰したお湯で1分程湯がきます。
写真9.果皮を1分程度湯がく。
その間に、果皮を漬け込むタレを準備します。
今回、準備したのは3種類のタレ。
1)ワサビ醤油、2)漬けダレ(卵1個、醤油大匙1、みりん大匙2、ごま油少々)、3)ウナギのタレ。
写真10.左から、ワサビ醤油、漬けダレ、ウナギのタレ。
湯がき終わった果皮をザルで水切りし、各タレに絡ませながら、漬け込みます。
写真11.湯がいた果皮をザルで水切りする。
写真12.ワサビ醤油に絡ませた果皮(この程度の量で十分でした)。
写真13.漬けダレに漬け込んだ果皮。
写真14.ウナギのタレに絡ませた果皮。
あとはラップをして、冷蔵庫で保管(この間、調理開始から約10分)。
写真15.冷蔵庫で3時間以上保管。
待つこと3時間半。
正午になったので、昼食タイムです。
丼にご飯を入れ、3種の果皮を載せます。
ウナギのタレに漬け込んだ果皮だけは、フライパンで温めてから。
ワサビ醤油と漬けダレに漬け込んだ果皮には、刻み海苔もかけてみよう。
写真16.完成!ドラゴンFの果皮でつくったマグロ風丼。
見た目からして美味しそうです!
実食!!
1)ワサビ醤油;マグロそのもの!ではないのですが、予想以上にマグロ!ご飯がすすむ!美味しい。◎
2)漬けダレ;美味しいけど、味がまろやか過ぎる?醤油が足りなかった?ドラゴンFの果皮は、マグロほどパンチ(生臭さ?アミノ酸的美味さ?)がないので、まろやかさが、物足りなさに直結した感じ。美味しいか否かと聞かれたら、美味しい。〇’
3)ウナギのタレ;温めたらウナギっぽくなるかと思ったけど、ウナギじゃない。でも、十分美味しい。恐らく、マグロの刺身をウナギのタレに漬け込んで、フライパンで温めたものより美味しい。温かい具として、ご飯に載せるのであれば、ワサビ醤油より優っているかもしれない。〇
結果として、予想を上回る美味しさでした。
マグロの刺身と違って、数日間冷蔵庫で保管できるだろうし、弁当にも入れられそう。
ちょっと凄いぞ、これ!って感じでした。
〇参考サイト
・「Dee Okinawa」>「ドラゴンフルーツの皮は本当にマグロになるのか」
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ブラックサポテ(Diospyros nigra)という熱帯果樹をご存じでしょうか?
ブラックサポテは西インド諸島原産のカキノキ科の熱帯果樹です。メキシコやグアテマラ付近にも自生している様ですが、これはスペイン人により伝搬されたものと考えられています(岩佐,2001)。
ブラックサポテの特徴と云えば、真っ黒な果肉です。
果肉を牛乳や生クリーム、バニラアイス等と混ぜるとチョコミルクやチョコクリーム、チョコレートアイスに見えることから、知る人ぞ知る果物になっています。
味はチョコレートっぽくはなく、薄い柿風味(ややタンニンの渋味を感じることも)みたいな感じです。
果肉の色と柔らかくし過ぎた柿の様な食感から『チョコレートプディングフルーツ』の異名で称されることもあります。
そうなると気になるのが、チョコレートプディングフルーツで柿プリンが作れるのか?です。
柿プリンとは、柿の果肉と牛乳、砂糖をミキサーで混ぜ、容器に移すと果肉中のペクチンと牛乳が固まってプリン状になるというお手軽スイーツのことです(クックパッド;柿プリンレシピ)。
今回、完熟して自然落果したブラックサポテの果実が入手できたので、チョコレートプディングフルーツで柿プリン『チョコレートプディングフルーツプリン』の作成に挑戦してみます。
1.材料 (2カップ分)
(1) ブラックサポテの果実 1個(200g強)
(2) 牛乳 100cc
(3) 砂糖 50g
2.作り方
(1) 果実を半分に切り、果肉をスプーンですくいミキサーに入れる(写真1、2)。
写真1.半分に切ったブラックサポテの果実。
写真2.果肉のみをミキサーに入れる。
(2) ①に牛乳と砂糖を加え、ミキサーをかける(写真3、4)。
写真3.牛乳と砂糖を加える。
写真4.ミキサーにかける。
(3) ②を容器に移して、ラップをかけて冷蔵庫で冷やす(写真5、6)。
写真5.ミキサーをかけた材料を容器に移す。
写真6.容器にラップを被せる。
とてもお手軽です。
これで美味しいプリン状のスイーツができるのかと思うとワクワクします。
半日後。
冷蔵庫から容器を取り出し、ラップを外して、スプーンですくうと・・・。
全く固まっていません(写真7)。
写真7.固まらずに材料はシャバシャバ状態。
ブラックサポテの果肉は柿よりペクチンが少ないのかもしれません。
悔しいので、次回はゼラチンを加えて再挑戦したいと思います。
〇参考文献
・岩佐俊吉.2001.図説 熱帯の果樹.農林水産省 国際農林水産業研究センター.pp.477-478.
〇参考サイト
・【みんなが作ってる】 柿プリンのレシピ 【クックパッド】
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ブラックサポテは西インド諸島原産のカキノキ科の熱帯果樹です。メキシコやグアテマラ付近にも自生している様ですが、これはスペイン人により伝搬されたものと考えられています(岩佐,2001)。
ブラックサポテの特徴と云えば、真っ黒な果肉です。
果肉を牛乳や生クリーム、バニラアイス等と混ぜるとチョコミルクやチョコクリーム、チョコレートアイスに見えることから、知る人ぞ知る果物になっています。
味はチョコレートっぽくはなく、薄い柿風味(ややタンニンの渋味を感じることも)みたいな感じです。
果肉の色と柔らかくし過ぎた柿の様な食感から『チョコレートプディングフルーツ』の異名で称されることもあります。
そうなると気になるのが、チョコレートプディングフルーツで柿プリンが作れるのか?です。
柿プリンとは、柿の果肉と牛乳、砂糖をミキサーで混ぜ、容器に移すと果肉中のペクチンと牛乳が固まってプリン状になるというお手軽スイーツのことです(クックパッド;柿プリンレシピ)。
今回、完熟して自然落果したブラックサポテの果実が入手できたので、チョコレートプディングフルーツで柿プリン『チョコレートプディングフルーツプリン』の作成に挑戦してみます。
1.材料 (2カップ分)
(1) ブラックサポテの果実 1個(200g強)
(2) 牛乳 100cc
(3) 砂糖 50g
2.作り方
(1) 果実を半分に切り、果肉をスプーンですくいミキサーに入れる(写真1、2)。
写真1.半分に切ったブラックサポテの果実。
写真2.果肉のみをミキサーに入れる。
(2) ①に牛乳と砂糖を加え、ミキサーをかける(写真3、4)。
写真3.牛乳と砂糖を加える。
写真4.ミキサーにかける。
(3) ②を容器に移して、ラップをかけて冷蔵庫で冷やす(写真5、6)。
写真5.ミキサーをかけた材料を容器に移す。
写真6.容器にラップを被せる。
とてもお手軽です。
これで美味しいプリン状のスイーツができるのかと思うとワクワクします。
半日後。
冷蔵庫から容器を取り出し、ラップを外して、スプーンですくうと・・・。
全く固まっていません(写真7)。
写真7.固まらずに材料はシャバシャバ状態。
ブラックサポテの果肉は柿よりペクチンが少ないのかもしれません。
悔しいので、次回はゼラチンを加えて再挑戦したいと思います。
〇参考文献
・岩佐俊吉.2001.図説 熱帯の果樹.農林水産省 国際農林水産業研究センター.pp.477-478.
〇参考サイト
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2020年4月1日(水)8:45〜ほか(リピート放送があります) に豊橋ケーブルネットワーク ティーズ (愛知県豊橋市、田原市、新城市をエリアとするケーブルテレビ) で放映されている「BMKがゆく!放課後学ラン苦楽部 」に「熱帯果樹写真館」からブラックサポテの写真を提供しました。
この番組ではBMK(BOYS AND MEN 研究生):東海エリアを中心に活動するエンタメ集団(青年アイドルグループ?)が様々なところに出かけて依頼に応えるみたいです。
今回の放送では、愛知県田原市にある「小川農園」さんにお邪魔した様です。
HPを見たところ、「小川農園」楽しそうです(行ってみたい!)。
あと、今回はブラックサポテは結実していなかったみたいです。
いつかBMKメンバーには、ブラックサポテ(別名チョコレートプリンフルーツ)を材料にして柿プリンの要領で「チョコレートプリンフルーツプリン」を作って欲しいものです。
本放送は、以下のとおりリピート放送があるとのこと。
豊橋ケーブルネットワーク ティーズが見られるエリアの方は、是非ご覧ください。
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新年あけましておめでとうございます。
毎年の様に元旦は昨年の目標達成状況および今年の目標設定を行います。
まず昨年の本ブログにおける目標は「ブログの更新8回/年+100回ツイート/年」でした。
その実績は、
○2019年の「熱帯果樹写真館」更新回数
・ブログ更新・・・・・・・・・・・・・・・・・4回
・ツイート数・・・・・・・・・・・・・・・・122回(Twitter)、124回(Facebook)
と5年連続のブログ更新回数の目標達成はできませんでした。
一方、「100回ツイート/年」は余裕をもって達成できました。
これも皆様のご愛顧があっての結果です。ありがとうございました。
また、2019年はSNSを通じて熱帯果樹栽培講習会等の開催告知を試み、リアルでの交流を充実させてみました。
今年はお蔵入りになりかけているブログネタをしっかりまとめていきたいと思います。
2020年の目標は「ブログの更新8回/年+110回ツイート/年」としたいと思います。
今年も、宜しくお付き合いください。
今回は2006年11月に掲載した「バッタの怪死 -鉢植えパインアップル栽培記より-」の続報です。
2019年10月19日に沖縄県名護市で草や樹の枝に頭を上にして、しがみついて死んでいるバッタ類(イナゴ亜科;恐らくコイナゴかハネナガイナゴ、以下バッタと記す)を複数見かけました(写真1~3)。
写真1~3.草や樹の枝に頭を上にして、しがみついて死んでいるバッタ類。
前回(2006年11月19日)に見た光景とよく似ています。
この現象は秋(10~11月;平均気温20~26℃)の大雨後に見られる気がします(図1)。
図1.バッタの怪死は秋の大雨後に発生する?
前回の記事では「よく見るとバッタの頭と胸の間に白いカビが生えている様です。恐らくは、バッタに寄生する菌類が発生し、バッタの集団死を招いたのだと思います。」と記しましたが、今回はその辺りをより深く追求してみます。
前回は漠然と「菌類」と記しましたが、今回はどの様な種類の菌類なのかを調べてみます。
そのために、バッタの怪死を確認した1週間後(2019年10月27日)に怪死したバッタの採集を行い、翌日に顕微鏡下で観察しました。
まずは実体顕微鏡下での観察です。
頭と胴の間の間接部分や脚(肢)の基部に白い半透明の瑞々しい球体が多数見られました(写真4~6)。
写真4~6.バッタの体表に多くの半透明な球体を確認。
また、羽(翅)と腹部の間には膜を形成していました(写真7)。
写真7.羽(翅)と腹部の間の半透明球体は膜を形成していました。
次に、膜状に発達した球体の集合体を光学顕微鏡下で観察しました。
このとき「こんなものが観察できるのでは?」と想定していたのは、バッタに感染するカビとして広く知られる Entomophaga grylli (Fressenius) Batko の分生子です(写真8)。
接眼レンズ10×対物レンズ40倍の拡大率400倍で観察したところ、乳頭状突起がある卵形の分生子が確認できました(写真9、10)。
写真9、10.観察できた乳頭状突起がある卵形の分生子。
想定通りバッタカビ(E. grylli)の分生子とよく似ています。
Entomophaga 属の分生子は似たものが多いので絵合わせ同定だけで E. grylli と決め付けるのは乱暴ですが、Entomophaga 属は宿主特異性が高い様なので(E. grylli は病型(pathotype)により特定のバッタ亜科にのみ感染する様です(Bidochka et. al. 1995))、現時点では E. grylli と同定しました。
これにより、沖縄県名護市で秋に見られる「バッタの怪死」の原因はバッタカビ(E. grylli)であることが確認できました。
今後、このバッタカビをバッタ駆除に使えないものか…、上手く利用できればバッタの大発生による食害「蝗害」を予防・鎮圧できるかもしれない、と思う方も多いでしょう。
しかし、米国 Wikipedia の「Entomophaga grylli」のページには以下の様に書かれています(2019年10月30日時点)。
Use in biological control In western Canada and the western United States, grasshoppers are estimated to cause over $400 million economic damage each year to crops and rangeland. From 1986 to 1992 an integrated pest management program was initiated by the United States Department of Agriculture and the Animal and Plant Health Inspection Service to attempt to control grasshopper numbers without the use of vast quantities of insecticide. The inclusion of the E. grylli complex in the program was investigated. A disadvantage to its use is that the fungus cannot be mass-produced and its effectiveness depends on the weather conditions (more grasshoppers are infected in warm, moist conditions).[2] Attempts to control grasshoppers with this fungus have been largely ineffective; insects can be successfully infected by injecting them with the pathogen, but introduction of North American pathotypes into Australia and vice versa have failed to establish long term infections. The pathogen has potential for biological control of grasshoppers but more research is needed.[1] 生物学的防除での使用 カナダ西部および米国西部では、バッタが作物と放牧地に毎年4億ドル以上の経済的損害を与えると推定されています。 1986年から1992年にかけて、米国農務省動植物衛生検査局によって、大量の殺虫剤を使用せずにバッタの数を防除しようとする総合的な害虫管理プログラムが開始されました。 そのプログラムではE. grylli 群についても調査されました。E. grylli 群を使用する際の欠点は、真菌を大量生産することができず、その有効性が気象条件に依存することです(暖かい、湿った条件でより多くのバッタが感染します)。[2] この菌でバッタを制御する試みは、ほとんど効果がありませんでした。昆虫に病原体を注入することで正常に感染させることができますが、オーストラリアへの北米の病原型の導入およびその逆は、長期の感染を確立することに失敗しました。病原体はバッタの生物学的防除の可能性を秘めていますが、さらなる研究が必要です。[1] (google 翻訳&ねこがため による翻訳) |
私もバッタカビの増殖ができないかと思い、分生子の膜をPDA培地に乗せてみましたが全く殖えませんでした。
それでも、培地を工夫することでバッタカビを増殖、保管し、圃場レベルでの短期間、局所防除に利用できるのでは?と云う妄想を膨らませているのは、また別の話。
○参考文献
・槐真史.2017.バッタハンドブック.(株)文一総合出版.
・Wikipedia(米)上での引用文献。
[1] Capinera, John L. (2008). Encyclopedia of Entomology. Springer Science & Business Media. pp. 1230?1231.
[2] Ramos, Mark (1993). "Entomophaga grylli: Zygomycetes: Entomophthorales". Biological control. Cornell University. Archived from the original on 2015-01-29. Retrieved 2015-03-28.
[3] Bidochka, M. J.; Walsh, S. R.; Ramos, M. E.; Leger, R. J.; Silver, J. C.; Roberts, D. W. (1995). "Pathotypes in the Entomophaga grylli species complex of grasshopper pathogens differentiated with random amplification of polymorphic DNA and cloned-DNA probes". Applied and Environmental Microbiology. 61 (2): 556?560.
○参考サイト
・農研機構;Entomophaga grylli (Fres.) Batko、Entomophaga maimaiga Humber, Shimazu & Soper
・Wikipedia(米);Entomophaga grylli
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ドラゴンフルーツ(以下、ドラゴンF)は、サボテン科 Hylocereus 属に属する多年生の登はん性多肉植物です。
その茎は三角状を呈し、茎の節からは不定根が生じ、定植した株は物にからまって登はんし、最高で高さ数十メートルに達します。
原産地は南メキシコや太平洋周辺の中米諸国ですが、現在では熱帯アメリカ、西インド諸島、米国南フロリダ州及び熱帯地区において広く分布或いは栽培されています。
ドラゴンFは、高温及び長日照条件下で花芽分化し、茎の棘座部分に出蕾します。
ドラゴンFの花は月齢に合わせて満月や新月の夜間によく開花します。
開花の時間帯は、最も早い花は夕暮れ頃に開花し、午後10:00までには開花します。
そして翌朝の陽光が差す頃には花は萎れています(写真2)。
写真2.開花翌朝のドラゴンFの花。
夏季(十分な温度がある場合)であれば、開花後26~27日で果実は着色を開始し、30日前後で収穫適期となります。
沖縄県では一夏の間に4~6回、ドラゴンFは開花、収穫を繰り返します。
ドラゴンF果実の収穫には、コツがあります。
ドラゴンFの茎の中心には硬い芯が通っています。
この芯が棘座に繋がる様に分岐し、果実の発育と共に発達し、果実を収穫する頃にはしっかり硬い芯となっています(写真3)。
写真3.収穫適期のドラゴンFでは茎内に硬い芯が発達している。
※ この写真では、茎肉を取り除き、茎内の芯を露出させています。
つまり、ドラゴンF果実を収穫する際には、茎内に埋まった芯を断ち切る必要があります。
このときに収穫に用いる道具は、
1)刃先が細長く、最小限の切り口で芯を切断できるもの。
2)硬い芯をストレスなく切れるもの。
という2つの条件を満たしたものが理想的です。
これまで、剪定鋏、芽切り鋏(先端が尖ったハサミ)、採果鋏(先端が短く少し反り返ったハサミ)等を用いてきましたが、いずれも2つの条件を共に満たすものとは言えませんでした。
そのため、ドラゴンFの収穫はある程度握力がある人でなければ、億劫な作業でした。
そこで今回紹介するのが、「Dr. Cut® SENTEI(芽切剪定ハサミ)」です。
この鋏は、本ブログ記事『良き道具にこそ匠あれ05 - 手指が痛くなりにくい採果ハサミ「Dr. Cut®」 -』で紹介した採果鋏型Dr. Cut®のシリーズ商品です。
購入直後の「Dr. Cut® SENTEI(芽切剪定ハサミ)」は、刃の片方の先端が尖っていません(写真4)。
写真4.Dr. Cut® SENTEIは刃の片方が尖っていない。
そこで、グラインダーで削り、両方の刃の先端が尖っている状態にします(写真5)。
写真5.Dr. Cut® SENTEI(改)。
これにより、ドラゴンF果実基部の芯に合わせて茎を貫きやすくなります(写真6、7)。
写真6.芯の位置を予想して刃の先端を茎に差込みます。
写真7.芯を捕らえたところでハサミの柄を握り、茎内の芯を切断する。
芯を捉えてしまえば、後は楽ちん♪
抜群の切れ味とDr. Cut®ならではの切断時の衝撃吸収により、とても円滑に果実収穫ができます。
ドラゴンFの収穫は数日間に多くの硬い芯を切ることになるので、収穫道具が悪いと手が腱鞘炎になる可能性があります。
「Dr. Cut® SENTEI(芽切剪定ハサミ)」は少し高価(24,000円(税別))とも思えますが、快適な作業が持続できる価値はプライスレスです。
「Dr. Cut® SENTEI(芽切剪定ハサミ)」は、ウド・エルゴ研究所HPの商品注文フォームからご購入できます。
○参考サイト
・ウド・エルゴ研究所\製品のご案内\Dr.Cut(ドクター・カット)
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※今回の記事は、害虫写真が掲載されています。
2019年6月7日に沖縄県うるま市にある知人が栽培するアボカドを見せていただきました。
このアボカド(品種不明)は、ビニールや防虫ネット等が被覆されてパイプハウス(実質、露地栽培)で栽培されていました。
知人は「花はよく咲くけど、結実はほとんどしない」と言いながら樹を見せてくれました。
アボカド樹を見た私は新葉が何者かの食害を受けていることに驚きました。
今までアボカドでは見たことがない食害痕だったからです(写真2、3)。
写真2、3.何者かに食害を受けたアボカドの新葉。
樹に近づいて観察すると、葉の上にゾウムシが大量にいるのが見つかりました(写真4)。
多い場合は1枚の葉に5頭のゾウムシがいました(写真5)。
写真4.アボカドの新葉にいたゾウムシ。
写真5.1枚の葉に5頭いる葉もあった。
ゾウムシの種類がわからなかったので数十頭採集し、後日昆虫に詳しい先輩に預けました。
それから数日後、ゾウムシを預けた先輩から連絡がありました。
例のゾウムシは、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、九州沖縄農業研究センター の上級研究員:吉武啓さん(農学博士)というゾウムシ分類の専門家に同定していただいた、とのこと。
※ 吉武様、同定ありがとうございました。
同定結果は、ヨナグニアカアシカタゾウムシ(Metapocyrtus yonagunianus)(写真6、7)。
元来は与那国島にしか分布していなかった固有種でしたが、近年は沖縄本島にも移入、定着し、様々な植物を食害しているとのことでした。
本虫は「飛べない虫」みたいですが、沖縄本島内で点在して見つかっています。どうやって分布を広げているのか不思議です。
また、本虫がアボカドを食害したと云う記録はないとのことです。
写真6.ヨナグニアカアシカタゾウムシ(青っぽい個体)。
写真7.ヨナグニアカアシカタゾウムシ(赤っぽい個体)
* * *
同定結果を知らせるために、同年7月30日に再度採集現場を訪ねました。
その際にアボカド樹を確認すると、以前食害に遭っていた樹からは新梢が芽吹き、新たな新葉が展開していました。
しかし、それら新葉には本虫の食害痕がほぼ見られず、食害は落ち着いた様でした(写真8)。
写真8.7月末の新葉は食害痕が少ない。
あれだけいたゾウムシ達はどこへ行ったのでしょうか?
樹をじっくりと観察すると、前回程ではありませんが、硬化した葉で複数のゾウムシ成虫を確認しました(写真9)。
写真9.7月末のヨナグニアカアシカタゾウムシは旧葉上にいた。
また、枝の一部が枯れていないかと探しましたが、枯れたり、萎んだりしている樹は見つけられませんでした。
ゾウムシがアボカド樹で繁殖している証拠も見つけられませんでしたが、1ヶ月以上に渡りゾウムシが常駐しているので繁殖している可能性は大きいのではないかと思います。
* * *
さらに後日(同年8月6日)、ゾウムシを預けた先輩と共に同農場を訪れました。
相変わらず少数の本虫(成虫)を見つけることができましたが、繁殖している証拠は掴めませんでした。
先輩は「本虫は広範囲の植物を食べる習性があるから、繁殖場所は他にあるかもしない」と農場周辺の雑草を観察し始めました。
そして間もなく、シロバナセンダングサの葉に食害痕を見つけ、本虫(成虫)を見つけました(写真10)。
写真10.シロバナセンダングサの葉上にいたヨナグニアカアシカタゾウムシ。
シロバナセンダングサ(沖縄県では、とてもよく見かける雑草)を食べているなら、周辺に広範囲にいるはず・・・。
繁殖植物の特定は諦め、私と先輩は農場を後にしたのでした。
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