Festina Lente

ゆっくり急いでまいります

救われた話

2005年03月09日 | Blog徒然草
実は去年、東大を受けたいという女の子を、月に一度か二度の指導のペースで受験期までの半年位請け負ったことがあるんです。だいいちそんなペースではとても無理なので、最初は断ったのですが、どうしてもということでお引き受けしました。
それから数ヶ月間、文系科目を指導しました。
言動の変わった子でしたが、それでも無難にこなしていたんです。
しかし、センター試験の前後に約束をすっぽかされたりして、東大の2次試験前にその子の指導をやめちゃったんです。
風のうわさに聞くと、去年は私大も全滅で、宅浪してたらしいんです。
どうしてるかなあ、と気にはなっていたのですが、なかなか連絡とりにくくてそのままになってしまっていました。
ところが昨日の夜、突然お母さんから電話がかかってきて、「早稲田の法学部受かりました。まだ一橋が残っていますが本人は早稲田に行くつもりです。」と。
また電話口に本人が出て、「約束をすっぽかしたりしてすいませんでした。先生に教えていただいた国語の問題の文章が、そっくりそのまま早稲田の入試に出ました。おかげさまで、合格できました」と言われました。
ちょっと後味の悪い終わり方をした子だっただけに、救われた気がしました。
こういう仕事をやっていて一番報われるのは、こういう瞬間なんだなあ、としみじみ思いました。

コメント (2)
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