内容紹介
名優、故緒形拳は、墨で戯れ、よく手紙を書いた。季刊「銀花」の編集部には、50枚を超える“愛読者カード”が届けられた。絵手紙作家、小池邦夫とも、手紙のやり取りが続いた。「人間・緒形拳」の息づかいを、手紙を通して発信する。
出版社からのコメント
今年2月に休刊となった季刊「銀花」は、生前緒形が愛読し、親交をもった雑誌だ。毎号挟み込んだ“愛読者カード”に、緒形は自由奔放に筆を走らせて、編集部に送った。はがきに一言、絵だけ描かれた一枚もある。そして手紙を通して交友関係を持ったのが、手紙作家の小池邦夫だった。小池さんは、送られてきた緒形からの手紙を数点軸装して敬意をはらい、宝物としている。さらに今回、妻典江さんに宛てた、手紙も一部公開する。ロケ先からのつぶやきだったり、留守宅を思う愛情にあふれたものであったり……。「手紙の中でこそ、緒形拳の本領は発揮される」と小池さん。2010年10月5日、三周忌を迎えるのを機に、名優の素顔にせまりたい。
著者について
監修=小池邦夫 昭和16年、愛媛県生まれ。書家、絵手紙作家。東京学芸大学書道科に学ぶ。1979年、季刊「銀花」第37号で、6万枚の肉筆絵手紙を書いて全冊に挿入し、話題となった。同年、絵手紙友の会を発足し、絵手紙運動を推進する。24年前、緒形は新宿で開催されていた個展会場を訪れた。手紙作家として歩きはじめた、小池邦夫さんの絵手紙展だった。「鷲が獲物を追いかけているような目」で作品を見つめていた姿を、小池さんは忘れられないという。一切言葉を交わさなかったけれど、その日、小池さんは来場御礼の手紙を書いた。それからずっと、亡くなる直前まで、手紙だけの交流が続いた。
初プロデュースの連続ドラマに出演頂いた。凄まじいオーラが出ていた。フジテレビの『風のガーデン』クランク・アップ直後、急逝されたのには大変ショックを受けた。





