海炭市叙景 (小学館文庫 さ 9-1) | |
佐藤 泰志 | |
小学館 |
内容説明
北の町に暮らす人々を描く、悲運の作家の遺作。
「海炭市叙景」は、90年に自死を遂げた作家、佐藤泰志(1949-90)の遺作となった短編連作です。海に囲まれた北の町、「海炭市」(佐藤の故郷である函館市がモデルです)に暮らすさまざまな人々の日常を淡々と描き、落ち着いた筆致の底から、「普通の人々」の悲しみと喜び、絶望と希望があざやかに浮かび上がってきます。この作品が執筆された当時はいわゆる「バブル」時代でしたが、地方都市の経済的逼迫はすでに始まっていました。20年の歳月を経て、佐藤泰志が描いたこの作品内の状況は、よりリアルに私たちに迫ってくると言えます。
函館市民たちが主導した映画(熊切和嘉監督・加瀬亮、谷村美月、小林薫、南果歩などが出演)の公開は2010年12月の予定。映画化をきっかけに、心ある読者に愛されてきた幻の名作が、ついに文庫となって登場します。
編集担当者からのおすすめ情報
映画「海炭市叙景」は、東京国際映画祭コンペティション出品作です。12月から渋谷ユーロスペースで上映予定。以後、全国数十館でも上映の予定です。文庫刊行と映画化を記念したイベントも計画中です!
内容(「BOOK」データベースより)
転落に始まる物語があり、いまだ予感の内に育まれている青春がある…。北の町・海炭市に生きる18組の人々の底深い悲しみや無垢の魂にふれて、感動を誘う野心作。
映画、観たい。