刀 坂倉言之進照包

刀 銘 坂倉言之進照包延宝九年二月日




先に越後守包貞を紹介したが、包貞と照包(てるかね)は同人(延宝八年改銘)である。小さな互の目から大きな互の目へと緩急変化をつけた焼刃構成、まさに大波のように連続したこの華やかな刃文は大坂新刀の特色。前回江戸後期の綱俊の大互の目を紹介したが、この刀がまさに手本とされた作風を示している。刀身全体を比較すると、この構成が良く似ていることがわかる。綱俊に比較し、照包の互の目は一つ一つがくっきりとしており、小から大へとの次第に大きく変化しているのが明瞭に鑑賞でき、それ故に波の押し寄せる様子がより強くイメージできる。刃文は綺麗に揃った微細な小沸出来。明るく冴えた沸の帯は柔らか味あり、刃中に広がる沸に淡い砂流しが絡んで、これも波間に漂う泡のようにも感じられる。とにかく美しい作品である。何度も言うが、美しいだけではない、この照包は大業物作者に認定されているほどに良く切れる。武器としての能力を備えた上での美しさなのである。






先に越後守包貞を紹介したが、包貞と照包(てるかね)は同人(延宝八年改銘)である。小さな互の目から大きな互の目へと緩急変化をつけた焼刃構成、まさに大波のように連続したこの華やかな刃文は大坂新刀の特色。前回江戸後期の綱俊の大互の目を紹介したが、この刀がまさに手本とされた作風を示している。刀身全体を比較すると、この構成が良く似ていることがわかる。綱俊に比較し、照包の互の目は一つ一つがくっきりとしており、小から大へとの次第に大きく変化しているのが明瞭に鑑賞でき、それ故に波の押し寄せる様子がより強くイメージできる。刃文は綺麗に揃った微細な小沸出来。明るく冴えた沸の帯は柔らか味あり、刃中に広がる沸に淡い砂流しが絡んで、これも波間に漂う泡のようにも感じられる。とにかく美しい作品である。何度も言うが、美しいだけではない、この照包は大業物作者に認定されているほどに良く切れる。武器としての能力を備えた上での美しさなのである。