日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 福岡是次 Koretsugu Wakizashi

2017-02-15 | 脇差
脇差 福岡是次


脇差 福岡是次

一尺七寸強の脇差。江戸時代前期の筑州福岡に栄えた刀工集団の石堂派は、遠祖が一文字派と伝え、備前伝を特徴としている。是次はその筆頭格。福岡石堂派の備前伝互の目丁子は、逆がかるところに特徴がある。地鉄は板目が流れて柾目状となる部分があり、良く詰んで地沸で覆われ、刃文は小沸に匂の複合。互の目に小丁子が交じり、逆がかり、足は左右に開いて射し、刃中には小沸が付いて時に沸筋や砂流しを形成する。互の目の頭が傾き、袋状になるところが古作を手本としてしかも、完成度が高いのだ。是次には、本作のような備前伝を主体とした作が多いと考えられているが、実は純然たる相州物を追求した作もある。それはそれは沸が強く深く、これが是次かと思わせるような出来である。その作風は守次にもある。