日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 水心子正次 Masatsugu Wakizashi

2017-02-24 | 脇差
脇差 水心子正次嘉永四年


脇差 水心子正次嘉永四年

 正次は新々刀の父と呼ばれる水心子正秀の三代目。作刀は大慶直胤に学んでいる。大慶直胤は、水心子正秀の備前伝を学んでその教えを実践した一人。この脇差は、造り込みに直胤の特徴が窺え、どっしりとして覇気に富んでいる。地鉄は小板目肌が詰んで細かな地沸で覆われ強みが感じられる。刃文がすごい。焼の深い小沸出来の互の目に小丁子が交じり、刃境が複雑に乱れて焼頭にも出入があり、長短の足が長く複雑に入り、刃中に満ちた匂と沸の雲間に濃淡変化を与えている。帽子も乱れ込んで先小丸に返る。

脇差 河内守國助 Kunisuke Wakizashi

2017-02-24 | 脇差
脇差 河内守國助


脇差 河内守國助

 同じ二代目の國助。いずれも独創を求めた結果選んだ作風だが、古風な備前物とは趣を異にして鮮やかな刃文構成となっている。前に紹介した刀に比較して拳丁子の構成が美しい。その刃中に匂の流れが感じられる部分があり、また小互の目が玉状に見える部分もあるなど、構成美において、より高い独創を求めていることも窺える。