日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 米沢住義國 Yoshikuni Katana

2017-02-25 | 
刀 米沢住義國


刀 米沢住義國弘化四年

 江戸後期の備前伝。刃長二尺三寸強、反り五分半。バランスの良い姿格好の刀。地鉄は良く詰んだ小板目肌に細かな地沸が付いてしっとりとした感がある。刃文が小丁子の連続で、帽子は直に丸く返る。小丁子は四つほどが一つの単位となり、わずかに高低抑揚を付けながらその繰り返しとなる。小沸の足が長く射し、刃中は匂で明るく冴えている。刃縁の所々に小沸が叢付いて真砂のように輝いている。

刀 水心子正次 Masatsugu Tachi

2017-02-25 | 太刀
刀 水心子正次


刀 水心子正次安政四年

 正次の中では最高傑作である。二尺四寸、反り六分強。平肉が付いてどっしりとしとした、鎌倉中期の備前刀を手本としたもの。地鉄は良く詰んだ小板目肌だが、その中に板目が微かに現れ、淡い映りも立って古作に近付こうとした研究の成果が窺える。刃文は互の目に小丁子、肩落風の刃が交じり、出入複雑に変化に富んだ構成で、帽子も同調して乱れ込んで返る。匂を主調とする焼刃は、匂口が締まって明るく冴え冴えとし、匂が満ちた刃中に長短に足が浮かび上がる。正次は正秀の三代目で直胤の弟子。高い技量と鋭い感性を持ち、本作のような個性的な作品を遺している。290□