日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 盛光 Morimitsu Wakizashi

2017-02-17 | 脇差
脇差 盛光


脇差 盛光應永二十三年

 わずかに区が送られて一尺五寸強。室内においても常に腰に帯び、刀と同様に使うことを目的とした武器。太刀も刀も二尺前後の片手打ちが登場している。南北朝頃から一尺三寸前後の平造の小脇差も使われている。この時代、武器はより実戦に即した造り込みとされているのだ。とはいえ、この時代の地鉄は応永杢の言葉があるように、頗る綺麗な地鉄鍛えが開発されている。杢肌は斬れ味を高める要素に違いないが、美しくもあるのだ。その代表工が盛光や康光である。地鉄は板目の中に杢肌が押し合うように現れ、地沸が付き映りが立ち、刃文は腰の開いた互の目乱で高低抑揚があり、足が長く、この作では逆がかって入っており、帽子は浅く乱れ込んで返る。