日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 河内守國助 Kunisuke Katana

2017-02-23 | 
刀 河内守國助


刀 河内守國助

拳丁子と呼ばれる、小丁子が配合されて丸みを帯びた互の目が拳形に連続する刃文構成を考案して高い人気を得たのがこの國助だ。江戸時代前期の大坂では、相州振りを強くしていった助廣や真改があると同時に、國廣‐初代國助‐この二代國助のように次第に備前伝を強めていった工もある。この刀も、互の目の中に小丁子を複合しているために互の目が拳のように見えるところが所々にあるが、総体は焼頭に抑揚のある互の目丁子の出来。足が左右に開き調子となり、刃中は匂が満ちて明るく、匂足が鮮やかに際立つ。さすがと言わざるを得ない。磨り上げで二尺三寸強だから、元来は二尺五寸強。江戸前期の寛文頃にこのような刀を注文した武士がいたのだ。160□

刀 雲州長信 Naganobu Katana

2017-02-23 | 
刀 雲州長信


刀 雲州長信弘化三年

江戸時代後期の備前伝。刃長二尺二寸五分、元先の身幅に大きな差のない、南北朝の大太刀を磨り上げたような姿格好だが、形が良い。地鉄は良く詰んだ小板目肌で、微妙に質の違う鋼が混ぜ込んであるのだろうかその所々に板目が現れている。刃文は互の目丁子。師は備前伝で知られる長運斎綱俊。長信もまた斬れ味に優れていたことが知られている。刃文は物打辺りを見ると、丁子が下方にわずかに傾いているのが判る。帽子は乱れ込んで先小丸に返る。