甚大な自然災害頻発と防災

2021年08月24日 | 防災と琵琶湖


作成日:2021.8.25|更新日:
地域循環共生圏概論 ㉗
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超大型台風と集中豪雨の災害リスク
                          その2
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これまでの施策では対応できない過去に例のな
い規模の自然災害が全国各地で頻発に毎年甚大
な被害が発生



2021年8月19日のウェザーニュースによれば、8月11
日(水)頃から、秋雨前線等の影響で西日本を中心に
記録的な大雨となり、佐賀県嬉野うれしのでは、2019年分
の降水量の50%以上が8日たらずで降るなど、所によ
り2018年の「西日本豪雨」記録を上回った。8月11日
(水)から18日(水)までの8日間雨量は、九州と四国の
計10地点で1000mmを超える。このうち佐賀県嬉野市
のアメダス嬉野では期間降水量が1178.5mmとなり、
嬉野の平年の年間降水量の50%を超えた。

大雨の要因は「前線の停滞」と「2つの暖湿流
の合流」

この大雨で、13日(金)から15日(日)にかけて、広島、
福岡、長崎、佐賀の一部に大雨特別警報が発表され
た。同社の分析では、雨の長期化をもたらした要因
は、前線が1週間以上も本州付近に停滞。日本の北
東側に冷涼なオホーツク海高気圧が形成されたこと
で、南側の温暖な太平洋高気圧との間で勢力が拮抗
し、秋雨前線が停滞し続けた。また、前線の活動が
活発になった要因は、中国大陸方面からとフィリピ
ン海方面から2つの暖かく湿った空気の流れ(暖湿
流)が東シナ海で合流し、多量の水蒸気が流れ込み
続けた。継続的な大量の水蒸 気の供給は、次々に
雨雲を発達させる非常に危険な状況を作り出した。
今回の一連の大雨と、記憶に新しい2018年の西日本
豪雨(平成30年7月豪雨)とを比較。今回の大雨は
18日(水)までの8日間の集計、西日本豪雨は11日間
の集計。(下図)

令和3年8月の大雨による被害状況等について(
第18報)2021/08/24 8:30現在、国土交通省

さて、近年世界中で気象災害が頻発。日本も、各地
で豪雨災害が発生し、大きな被害をもたらした。一
般に、異常気象は過去に経験した現象から大きく外
れた現象であり、人が一生の間にまれにしか経験し
ないが、今後、地球温暖化等の気候変動により、異
常気象が増加している。
日本の自然災害による被害の内訳は、発生件数は「台
風」が57.1%と最も多く、次いで「地震」、「洪水」が多
い。他方、被害額は、ひとたび発生すれば広域に甚
大な被害をもたらす「地震」が8超を占めており、次
いで「台風」、「洪水」の順となっている。自然災害の
発生件数と被害額の推移を見ると、自然災害の発生
件数が変動を伴いながら増加傾向にある。中でも、
2018年7月豪雨(西日本豪雨)では、豪雨災害として
は初めて中小企業被害が激甚災害として指定される
など、広範囲に大きな被害をもたらした。こうした
被害をもたらす大雨について、1時間降水量50mmを上
回る大雨の発生件数が、この30年間で1.4倍に増加し
ていることが分かる。今後も気候変動の影響により、
水害が頻発することが懸念される。
1995年から2017年にかけて災害救助法が適用された
都道府県及びその回数をみると、ほとんどの都道府
県において災害救助法が適用されており、大きな自
然災害は、地域によらず各地で発生する可能性のあ
ることを示唆する。

□ 2015年9月 関東・東北豪雨 
関東、東北地域の5河川と都道府県管理の80河川で堤
防の決壊、越水や漏水、溢水、堤防法面の欠損・崩
落などが発生。全半壊家屋5000棟以上という甚大な
被害を受けた。常総市では鬼怒川と小剔出こ挟まれ
広範囲が水没し、全半壊家屋5000棟以上という甚大
な被害を受ける。


茨城県常総市水海道中心市街地の浸水被害の様子
(9月11日),Source:国土地理院

□ 2016年梅雨前線豪雨
6月19日から続く梅雨前線豪雨により、西日本を中心
に全国33道県で513件の土砂災害が発生し、死者6名、
負傷者7名、人家被害103戸の被害が発生。


出典:「平成28年度の災害について」(平成29年6月27
日)国土交通省・水管理・国土保全局防災課

□ 2016年8月 台風10号
12水系20河川において浸水被害が発生。岩手県では、
12水系20河川において浸水被害が発生。河川の氾濫
等により道路が行不能となり、多くの孤立集落が発
生。北海道石狩川水系空知川や十勝川水茶柱内川に
おける堤防の決壊、常呂川水系常呂川における越水
等の被害が発生。


出典::「平成28年度の災害について」(平成29年6月
台風10号' 27日)国土交通省・水管理・国土保全局防
災課


Source;Wikipedia [jp]
□ 2019年台風19号被害状況
台風第19号は、12日19時前に大型で強い勢力で伊豆半
島に上陸した。その後、関東地方を通過し13日12時
に日本の東で温帯低気圧に変わった。台風第19号の
接近・通過に伴い、広い範囲で大雨、暴風、高波、高潮
となった。10日から13日までの総降水量が、東日本を
中心に17地点で500ミリを超えた。特に静岡県や新潟
県、関東甲佐地方、東北地方の多<の地点で3、6、12、
24時間降水量の観測史上1位の記録的な大雨となった。   
          


これにより、死者90名、行方不明者9名、住家の全半壊
等4,008棟、住家浸水フ0,341棟の極めて甚大な被害が
広範囲で発生。関東・東北地方を中心に計140箇所で
堤防が決壊するなど、河川が氾濫し、国管理河川だけ
でも約25,000haが浸水した。高速道路や鉄道は、北海
道から中国・四国地方までの広範囲にわたって影響
を受け、北陸新幹線の車両基地が浸水し、北陸新幹線
はダイヤは長期間に渡り影響が出た。

□ 2017年大雪等による災害
1月中旬~2月中旬にかけての大雪により、死者65名
の人的被害や、中国地方を中心に車両数百台の立ち往
生が被数回発生したほか、富山県でも、南砺市利賀
村上百瀬で土砂災害が発生し家屋9棟が破損する等の
被害が発生。


1月20日 南砺市 土砂災害発生状況

□ 2017年7月 九州北部豪雨 
福岡県と大分県を中心とする九州北部で発生した集
中豪雨。福岡県と大分県の合計で、全壊336棟、半壊
1096棟、一部破損44棟、床上浸水180棟、床下浸水1481
棟。


出典:大規模な斜面崩壊(大分県日田市小野地区)

□ 2017年9月 北海道胆振東部地震
強震動によって厚真町を中心に広い範囲で土砂崩れ
が発生し、地震による液状化現象と見られる異常が
北海道内巧市町の2,900か所以上で発生した。苫東厚
真火力発電所の1号機・2号機・4号機が相次いで緊急停
止、連鎖的に他の発電所も停止し北海道・本州関連
系設備の送電も止まった。この結果、道内の離島な
どを除くほぼ全域約295万戸で停電が発生した。


資料3
出典:「北海道胆振東部地震被害の概要」平成30年北
海道胆振東部地震災害検証委員会(平成30年11月19日)

□ 2018年7月 豪雨
西日本を中心に北海道や中部地方を含む全国的に広
い範囲で発生した、台風フ号および梅雨前線等の影響
による集中豪雨。西日本を中心に河川の氾濫や洪水、
土砂災害などの被害が発生した。広島県では、土砂
崩れや浸水による被害が相次ぎ、県の南部では土石流・
土砂崩れが5,000箇所以上で発生した。


岡山県(倉敷市真備町)の浸水被害

出典:「平成30年7月豪雨災害の概要と被害の特徴」
国土交通省

□ 2018年9月 台風21号
関西国際空港では、高潮による滑走路の浸水やター
ミナルビルの浸水、停電などで閉鎖、さらに関西国
際空港連結構にタンカーが衝突し連絡構が中破し一
時孤立した。強風による電柱の倒壊が相次いだり、電
線が切れたり、電柱の変圧器に飛果物が当たって故
障したことなどにより、大規模な停電が発生した。
大阪府、和歌山県、兵庫県などを中心に8府県で約
224万7000戸が停電した。


出典:令和元年版防災白書「関西国際空港の被害状
況の様子」

□ 2019年8月 前線に伴う大雨
長崎県から佐賀県、福岡県にかけての広い範囲で、秋
雨前線の影響で、各地で観測史上1位の値を更新する
記録的な大雨となった。この記録的な大雨により、
各地で河川の氾濫、浸水や土砂崩れ等が発生し、停
電、断水等ライフラインペの被害や鉄道の運休等め
交通障害が発生、甚大な被害となった。


出典:「令和元年8月の前線に伴う大雨の概要」上空調
査/国土交通省九州地方整備局

✔ 学ぼう災害:パイピング現象

「パイピング現象」とは、河川の水位が上昇す
るのに伴い、基礎地盤等への浸透水の圧力が上
昇し、基礎地盤等の土粒子(どりゅうし)(土
を構成している固体粒子)が浸透水とともに民
地側で流出し、水みちとなる空洞が進行してい
くもの。土中の空洞が大きくなると、堤防の安
全性が低下し決壊に至る可能性があり、全国の
河川堤防において、このようなパイピング現象
が起きる可能性が指摘されています。2019年7
月豪雨では、国が管理する12河川28ヶ所におい
て、パイピング現象が確認されています。この
ため、河川側の地中に矢板(やいた)と呼ばれ
る金属板を設置したり、堤防の河川側に水を通
しにくいシートを設置する等の補強工事が随時
行います。こうした現象の発生には、河川沿い
の基礎地盤には昔の河川の跡地等水を通しやす
い箇所などが複雑に存在していることや、堤防
は長い歴史の中で順次補強工事が繰り返されて
現在の姿になっており、土砂の性状や固め方が
様々である等複数の要因が推察されています。
さらに、近年は豪雨等により河川水位が高くな
り、堤防に強い水圧負荷がかかる状況が増えた
ことも原因と考えられているのです。
               この項つづく
✔ 知っていましたか

カーボンニュートラルは目標13番
【エピソード】


☈自治会役員退任以降体調崩しておりますが、なん
とか作業量を減らし復調のラインが読めるようにな
ったと思っております。2019年の夏頃には中国の湖
北省から発生したと思われる新型肺炎の世界的パン
デミックは丸2年を数えましたが、完全ではないに
しろまだ終息段階(ウイズ・コロナ期)にはありま
せん。鮎釣りは中止しましたし、8月下旬の登山計
画は10月まで延期することを決定しました。☈因み
に2010年の新年会で報告された「パンデミック対策」
が準備不十分であったことを確認することになりま
した。☈本25日、東京電力は福島第1原発の処理水
海洋
放出の全体計画を発表した。海底トンネルを新
設して沖合約1キロで放出するほか、海での放射性物
質トリチウムの監視強化や、風評被害が発生した場
合の賠償方針を盛り込んみ、9月に準備工事に着手し、
2023年春ごろに放出を始め。処理水を大量の海水で
薄め、トリチウムを1リットル当たり1500ベクレル未
満にして放出する方針。原発近くの沿岸に放出する
案もあったが、放出した水を再び取り込む恐れがあ
るため沖合を選択。放出場所は日常的な漁業は行わ
れていない海域にある。海水のトリチウム濃度の測
定場所などを増やし監視を強化することなど公表さ
れました(共同通信:原発処理水沖合へ放出、監視
強化東電、9月に準備工事に着手)。☈先日、地球温
暖化が人為的であると断定されております(BBCニュ
ース:温暖化は人間が原因=IPCC報告「人類への赤
信号」と国連事務総長、2021年8月9日)☈まだまだ
自由に外出出来る状態ではありませんが、出来うる
限り情報器機を使い密に情報交換をおこなって行き
たいと考えております。皆様方のご健勝をお祈り申
しあげます。
                   幹事敬白

【脚注及びリンク】
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  1. 人間は他の生物との相関関係なしには生きら
    れない 五箇公一 『中央公論』2021年3月号
  2. 謎の感染拡大〜新型ウイルスの起源を追う
    〜」 NHK、2020/12/27
  3. ESG地域金融』で地域を元気にする 環境ビジ
    ネス
  4. スウェーデンでゴミの99%を有効利用する「
    リサイクル革命」が起きている(動画)ハフ
    ポスト
  5. 『環境ビジネス 2020年夏季号』
  6. 滋賀県に根づく『三方よし』の経営を実現,
    環境ビジネス,2020年冬季
    号   
  7. 環境への取り組み CSR(企業の社会的責任)
    佐川急便株式会社
  8. 彦根市一般廃棄物処理基本計画の進捗状況評
    価について(平成30年度) ,
  9. 滋賀県出身の人物一覧 Wikipedia

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