作成日:2021.3.27|更新日
ごみ焼却場建設問題再考Ⅱ
広域ごみ焼却場建設の経過
そもそも、現在同市野瀬町にある清掃センタが11、12年後
には老朽化で使えなくなるため、市は愛荘・豊郷・甲良・
多賀の4町と合同で新焼却場の建設を計画しているが、場
所の選定が下記のように難航する。現在の焼却場は1977年
に完成。ダイオキシン対策として2001年に焼却炉などの主
要設備をほぼ全面的に更新した。清掃センタの岩根孝典施
設係長によると、焼却場の耐用年数は一般に、建物が50年
、設備が25年。共にあと11~12年で更新する必要がある。
しかし、既に清掃センタではトラブルが発生している。
2015年5月末、ごみ焼却施 設が突然、全面ストップ。3
基ある焼却炉の一つで制御盤が故障し、ネットワーク化さ
れている全体のシステムが停止したのが理由とか。制御盤
の更新時期はメーカ推奨で10年だったが、経費節約のため
市は継続して使用。17年目となる来年、更新する予定だっ
た。トラブルのため、市は急きょ、三重県伊賀市の民間焼
却施設にごみ焼却を委託。復旧までに計5年間で250トン
を運び込み、運搬や焼却などに約970万円を支出した。老
朽化している部品は他にもあり、関係者は「今後もトラブ
ルや事故が起こりうる」と警戒感を強めていた。
1市4町の人口は計約15万4,000人。市によると新焼却場で
は、家庭ごみと、市町内の事業所から出る紙くずなどの可
燃ごみを燃やすこととしており、1日約154トンの処理能
力が必要になる。土地を除いた総工費は総額約100億円以
上。3分の1を国からの補助でまかない、残り3分の2を1
市4町で負担する。一方、新焼却場には、金属などの資源
ごみのリサイクルセンターも同時に建設する計画で、関係
者は全体で4万?5万平方メートルの用地が必要になると
見込む。建設計画を進める彦根愛知犬上広域行政組合にと
って、この場所探しが最大のネックとなっいた。
最初に彦根市石寺町の荒神山東側が候補地として挙がり、
地権者や自治会の理解も得たが、土地がもともと沼地で地
盤が弱く、建設には不適切と判明。次に同市三津町の土地
を検討して地元説明会を開いたが、地権者や自治会の反対
で13年3月に計画が頓挫した。組合の林善和・建設推進室
長は「用地が決定すれば全体の7割が進んだのと同じくら
い」と語る。
こうした苦い経験を踏まえ、組合は昨年12月「彦根愛知犬
上地域ごみ処理施設建設候補地選定委員会」を発足させた。
今年10月から約10カ月間、1市4町内の地権者や自治会か
ら候補地を公募する予定で、候補地周辺の「まちづくり支
援」も検討するとしていた。仮に公募で用地が決定したと
しても、地元説明会や2、3年間はかかるという環境アセ
スメントが必要で、工事にも3年間近くかかるという。林
室長は「10年といっても決して時間に余裕はない」とした
うえで、「ごみ焼却場は迷惑施設というイメージが先行す
るが、現在の施設はダイオキシン類もほぼ発生せず、悪臭
も周辺へ拡散しない。新施設では、焼却熱を使った発電
なども考えたい」と話していた。
経過:
.1999.03 滋賀県が「滋賀県一般廃棄物処理広域化計画」
を策定。一般廃棄物の処理を広域で行う方針が示される
2002.06 当時の1市7町で「湖東地域一般廃棄物処理広域
化事業促進協議会」を発足。湖東圏域におけるごみ広域処
理の検討が始まる。
2009.05 候補地(彦根市石寺町地先)での建設を地盤の問
題により断念。
2009.05 「湖東地域広域ごみ処理施設整備基本構想」を策
定。
2011.03 既設の行政組合に新たに建設推進室を設置し、事
業主体となる彦根愛知犬上広域行政組合を設立。
2012.08 「循環型社会形成推進地域計画」を国に提出。
2013.02 環境大臣から循環型社会形成推進地域計画の承認
を受ける。
2013.03 候補地(彦根市三津、海瀬町地先)での建設を断
念。
2014.02 建設候補地の選定に公募方法を採用することを決
定。 2014.08 新たに候補地選定委員会を立ち上げ、促進
協議会は平成26年度末で解散することとなる。
2014 12 「彦根愛知犬上地域ごみ処理施設建設候補地選定
委員会」を発足。
~2016 03 募集要件、選定要件、評価・選定、について
所掌 選定委員会により選定評価の項目決定[1~9回開催]
2015 10 建設候補地の公募開始。 2016 07 ごみ処理施設
建設候補地の応募締切。(5件の応募 彦根市3件、愛荘
町2件)
2016 09 選定委員会による選定評価 [10~15回開催]
2017 02 資格判定評価(一次審査)、適性評価(二次審査)
2017 02~06 当組合管理者会による検討。 (全7回開催)
2017 06 建設候補地を愛荘町竹原区に決定。
2017 07 建設候補地、建設候補地近隣区および秦荘東小学
校区対象の住民説明会開催。(全10回開催)
2017 08 当組合議会において、新しいごみ処理施設の設置
位置を定め、変更する場合には、議会の議決を必要とする
条例が制定。
2017 10~2019.08 「彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設整
備基本計画検討委員会」を発足。[1~7回開催]
2017.10 彦根市議会において彦根愛知犬上地域ごみ処理
施設に関する慎重審議を求める意見書が提出。
2018 03 環境大臣から循環型社会形成推進地域計画(第
2次)の承認を受ける。
2018.08 当組合議会において「彦根愛知犬上地域ごみ処
理施設整備基本計画」を定め、または変更(軽微な変更を
除く。)する場合には、議会の議決を必要とすることを条
例に追加。
2018.11~2019.03 施設建設に係る当組合管理者会と当組
合議会運営代表者との意見交換会開催(全6回開催)
2019.02 当組合議会において「愛荘町竹原区の白紙撤回
を求める決議案」が全会一致で可決。
2019.04 建設候補地を竹原区1か所に決定したことを白紙
撤回。
2019.04 初の応募地5地区に対し、候補地再選定の方針、
今後の進め方等に係る合同説明会を実施し、補地名の公開
を前提とする再選定への参加意向を確認した結果、彦根市
からは、原町、西清崎町 下西川町、愛荘町からは竹原区
の4地区が再応募。
2019.08.31 建設候補地の調査費を可決, 広域ごみ、獅山
議員「選定前は不当」
彦根愛知犬上広域行政組合の議会定例会が2019年08月28日、
豊栄のさとで開かれ、9月末に選定が予定されている新た
な広域ごみ処理施設の建設候補地の事前調査費など補正予
算案(7502万円)が賛成多数で可決された。事前調査費の
項目は、環境影響評価、地質・断層、地歴、地形測量、施
設整備・造成等基本設計。2020年度からの債務負担行為の
限度額として、23年度までの環境影響評価業務が2億5718
万円、21年度までの施設整備・造成等基本設計業務が6085
万円を計上している。債務負担行為を除く、3項目は今年
度中に実施される。質疑では獅山向洋議員が「候補地が未
定の段階で予算を提案するのは行政の手順を無視した不当
行為。内容不確定な大事業に議会が白紙委任状を交付する
のと同然」と指摘。甲良町の西澤伸明議員も同様の質問を
した。これに対し、同組合の事務局は「予算額は最も高額
の候補地を想定して積算した」爾境影響評価などが遅れれ
ば、施設の建設時期も延びる。スケジュールに遅れが出な
いようにしたい」と理解を求めた。採決では賛成12反対5
で可決された。候補地の選定に向けて、今後は彦愛犬の首
長らによる管理者会が組合議会の運営代表者らとの意見交
換をしながら候補地を9月中に選定し、組合議会に報告す
る運び。
2019.10.09 広域ごみ「西清崎」で調整へ 彦根市建設候補
地4ヵ所から:彦愛犬の新しいごみ処理施設の建設候補地
について、1市4町の首長らによる管理者会が4候補地の
うち彦根市西清崎町に選定した模様だ。彦根愛知犬上広域
行政組合は、21日の臨時会で公表する予定。昨年までの建
設候補地だった愛荘町竹原地区が組合議会などの反対で白
紙化したため、同組合は候補地の再選定に向けて19年4月
20日に合同説明会を実施。候補地への参加意向を示した彦
根市の原町、西清崎町、下西川町、愛荘町竹原の4ヵ所を
対象に、住民説明会や市民アンケートなどを行った。また
組合議会の反対で候補地の選定が進まなかった経緯がある
ため、今回は組合議会の議員向けの現地説明会も実施。管
理者会は住民説明会や市民アンケートの結果のほか、各候
補地からの提出書類、前回の候補地選定結果報告書を基に
選定を進めてきた。その結果、先月26日の管理者会の話し
合いで西清崎町を候補地に選定することで確認したという。
今月7日の同組合の全員協議会にも報告した模様で、21日
に正式発表する予定。ただ、ほかの候補地を推す組合議会
の一部議員は今回の管理者会の決定に慎重姿勢を示してお
り、今後の動向が注目される。(滋賀彦根新聞, 2019.10.
09)
2019.10.23 彦根愛知犬上広域行政組合(彦根市と愛荘、
豊郷、甲良、多賀の4町で構成)の議会は21日、新ごみ処
理施設の基本計画案を可決した。彦根市西清崎町地区に建
設し、2017年度の稼働開始を目指す。計画では、約4万9
千平方だの敷地に二つの焼却炉、やリサイクル施設などを
建設。24時間稼働し、1日1144~147㌧を焼却する。総事
業費198億6千万~201億6千万円(用地取得費などを除く)。
全地権者から土地取得の同意書を得ているという。予定地
は国史跡の古墳や公園がある荒神山の南東にあり、組合は
「景観や環境に配慮する」としている。(朝日新聞, ごみ
処理施設計画案を可決 彦根・西清崎町で27年度稼働へ,
2019.10.23)
広域ゴミ焼却場2019.10.26 彦根愛知犬上広域行政組合は2
1日に豊栄のさとで開かれた組合議会の臨時会で、彦愛犬
の新しい<広域ごみ処理施設の建設候補地を西清崎地区に
すると公表した。組合議会には建設候補地を西清崎地区に
すると明記した彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設整備基
本計画の議案が提出され た。建設候補地には彦根 市の
原町と下西川町、愛 荘町竹原も選定を目指していた。臨
時会では市町議員から西清崎地区に決めた理由の質問があ
り、管理者の大久保市長は周辺学区での住民説明会、意見
交換会、アンケート調査などの結果や30年間のトータルコ
ストをあげた。建設候補地に決まった面清崎地区は対象面
積が4万9363平方び。耕作放棄地を含む農地や農道の
20件の土地所有者がいる。近くには荒神山神社をはじめと
した寺社仏閣や古墳があるため、臨時会ではそれらへの影
響を懸念する意見が出たが、市長は「建物の配置やデザイ
ンなど景観に十分な配慮をしながら進めていきたい」と理
解を求めた。臨時会では議長の安澤勝市議を除く18人で採
決が行われ、獅山向洋市議、伊藤容子市議、共産党の角井
英明市議と西洋伸明甲良町議の計4人が反対したが、ほか
が賛成し可決された。同組合腿禧、地質・地歴・測量調査
を今年度中に行い、環境影響評価を2023年度まで実施。24
年度からの造成工事に向けて今年度から用地の取得交渉を
行う。24年度から施設の建設工事を開始し、28年度中に完
成、29年度の稼働を目指す。施設の建設費と負担割合につ
いて、同組合は約200億円で、彦根62・19%、営ご14・
64%、豊郷7・80%、甲良7・60%、多賀7・77%と説明。
「国からの交付金や民間手法の検討で建設費は抑えられる」
としている。約200億円には用地の取得・造成、周辺道路
の経費費は含まれていない。同組合は西清崎地区での用地
取得・造成と道路整備費が計約24億8000(万円と、4地区(
低額は竹原の約7億4,000万円)で2番目の高さになる。
一方、30年間の開城での運搬経費を含むトータルコストが
約31億5,000万円(最高額が下西川町の約57億8,000万円)
と抑えられると解説している。市長も組合議会後の会見で
「西清崎は施設の建設費が高くなるが、トータルコストは
最も安価になる」と強調している。
2021.2.17 ごみ焼却場修繕に13億円:
ごみ焼却場整備(13億2,662万円)=市清掃センタ施設の
長寿命化を目的に燃焼、排ガス処理設備などを2021年度か
ら23年度にかけ大規模修繕。債務負担行為(22年度と23年
度)の限度額は20億1,238万円。
2021.2.17 ごみ処理計画「白紙を」
環境学者が意見書提出:彦根市清崎町に建設が計画されて
いる広域ごみ処理施設に対し、日本環境学会元会長の畑明
郎さん(75)=竜王町=が10日、「自然環境を破壊する」
などとして計画の白紙撤回を求める意見書を彦根愛知犬上
広域行政組合に提出した。
2021.3.13 荒神山トンネル案に「反対」新ごみ処理連絡
協で複数の委員。また、市議会一般質問で大久保貴市長は
「地域の皆さんの意見を聞いて、プロセスを踏んで決めた」
と計画通り進める考えを示している。
以上、経過をまとめてみた。
この項つづく
〒521-1101 滋賀県彦根市石寺町 「あのベンチ」
【エピソード】
会員の皆様へ
『お花見及び小鮎つりの企画』
新型コロナの第4波のも心配される中ですが、2年間のブ
ランクを経て、何かしなくてはと、見出しの企画を考えて
います。たっだ花見の方は、彦根城や宇曽川(荒神山)の
花見を幹事は個人的に3回ほど済ませており、前者はとり
やめ、後者のを下記のように企画いたいと思います。
『記』
1.日 時:5月下旬から6月上旬(9:00~正午)
2.場 所:宇曽川(風船ダム)左岸現地集合
3.天 候:晴天・微風で決行(開催1週間目に幹事が
調整・詳細連絡)
4.内 容:①小鮎つり、②釣果発表、③野外ランチ
5.備 考:釣り具は原則個人持参。費用は一人千円(ラ
ンチ食事・飲料水)、ランチは、魚忠「とん
かつ弁当」、当日クルマの送迎可。
6.連 絡:幹事自宅 0749(23)3747(FA
X兼用)、その他、メッセージ、LINE、
Eメール
幹事敬白
宇曽川左岸(荒神山) 2021.3.27 13:00
【脚注及びリンク】
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- 「謎の感染拡大〜新型ウイルスの起源を追う
〜」 NHK、2020/12/27 - ESG地域金融』で地域を元気にする 環境ビジ
ネス - スウェーデンでゴミの99%を有効利用する「
リサイクル革命」が起きている(動画) ハ
フポスト - 『環境ビジネス 2020年夏季号』
- 滋賀県に根づく『三方よし』の経営を実現,
環境ビジネス,2020年冬季号 - 環境への取り組み CSR(企業の社会的責任)
佐川急便株式会社 - 彦根市一般廃棄物処理基本計画の進捗状況評
価について(平成30年度) , - 滋賀県出身の人物一覧Wikipedia
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