地域循環共生概論 65

2023年02月11日 | 防災と琵琶湖


 作成日:2023.2.10|更新日:2023.2.11
その後の彦根広域ごみ処理施設建設問題 Ⅶ

彦根愛知犬上広域行政組合などを参考にすると、2017年の平
成29年4月の市長選挙で当時の市長が原町で利益誘導の挨拶
をしたのではないかとの疑惑が飛び出す。その後、検討委員
会では下西川町が、そして地学的地盤に問題があり愛荘町竹
原が、そして最後には西清崎町が候補地となり、荒神山にト
ンネルを掘るという案まで出て、新ごみ処理施設は四転。
当初200億円の
事業費が300億円に予算が嵩む事態に。2022年
4月で市長選で和田市長が当選し、荒神山のトンネル案は早
々に撤回され、15日の広域臨時議会でトンネルコンポスト方
式(好気性発酵方式)によるごみ処理を行っている三豊市へ
の視察経費を計上するなどという補正予算案が提出され、全
会一致で可決されている。つまり、現状のゴミ焼却場での方
式で自転車操業的対応が継続される。以下今後の日程を掲載
する。
【運転停止期間】
本工事は大規模改修工事のため、焼却運転を停止期間を必要
とす。

・令和4年(2022年)9月24日~10月14日
・令和5年(2023年)2月5日~2月15日
・令和6年(2024年)2月1日~2月15日

(注意)運転停止期間は工事の進捗状況で変更あり。
(注意)運転停止期間中もごみ収集に変更せず、「ごみ等の
 収集カレンダー」のとおり収集。
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工事名称 :
ごみ焼却場長寿命化改修工事
燃焼設備 :ストーカ方式
燃焼能力:90t/日(24時間)
請負業者:日鉄環境エネルギーソリューション株式会社、(
     旧 住友重機械エンバイロメント株式会社大阪支店
契約金額:2,805,000,000円
工  期:令和4年(2022年)3月26日~令和7年(2025年)3月10日
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老婆心ながら事故・火災などが発生しないことを祈る。




9. 埋立処分過程における挙動と制御
9.1 モデル解析からみる挙動と埋立工法
9.1.1 放射性物質に汚染された廃棄物の埋立方法 
9.1.2 放射性物質の溶出量を考慮した浸出水への影響評価


安全率の一つとして、上部隔離層の遮水性能の劣化を想定し
たことは先に述べたが、 どの程度の安全率であるか確認した
図を図 7.1.7 に示す。涵養量の条件は 10→50 mm/yr、溶出
濃度 100 Bq/L のケースを計算した結果である。劣化考慮な
しの場合は、涵養量 10 mm/yr が継続することを想定。劣化
考慮なしに比較すると、劣化を考慮した場合は、濃度が約 3
倍となっており、安全率としては 3 を見込む。


最後に計算結果の妥当性を評価するため、国環研グループが
使用している COMSOL ver4.2 とは別の汎用型ソフトウェア
(G-TRAN/3D:株式会社地層科学研究所)を用いて 同様の計
算を行いました。計算結果の比較を図 7.1.8 に示す。涵養
量が小さい 10→50 mm/yr の場合、ピーク濃度がややずれて
下るが、40→200 mm/yr のケースでは、ほぼ同様の結果が得
られている。ピーク濃度の出現年数もやや異なり、G-TRAN/3D
の 方が数年ほど早い時間帯にピークが出現。この時間の差の
原因は分かっていないが、ピーク濃度の出現時間が同じ時期
に仮定すると、濃度差は減衰効果のみの影響であることが確
認されており、セシウムの移動自体の計算に大きな差はない

今後、この部分については精緻化が必要なところとなる


10.1 浸出水処理施設における実態
10.1.1 浸出水処理施設における放射性セシウムの現状
2011年7月以降、福島県内の一般廃棄物最終処分場6ヶ所の浸
出水処理施設において 放射性セシウムの調査を行ったところ、
浸出水原水および処理水中の放射性Csは検出下限未満の値が
多く、検出された試料も最大で 17Bq/L 程度(Cs-134、Cs13
7 の合計)であり、線量限度等を定める告示の示す濃度限度
内であった。(但し、Cs-134 の半減期は 2.062年であり
Cs-137の半減期は 30.0年であり、震災時のフォールアウト
ら各々の試料測 定日までの減衰による Cs-134/Cs-13 の比

の差異にも留意する必要がある

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※ 処理水濃度限度の目安(Cs-134:60 Bq/L、Cs-137:90Bq/
L。但し、二種類以上の放射性物質がある場合にあっては、そ
れぞれその放射性物質についての濃度に対す 割合の和が一と
なるようなそれらの放射性物質の濃度) 実用発電用原子炉の
設置、運転等に関する規則の規定に基づく線量限度等を定め
る告示(平成13年経済産業省告示第 187 号)第9条に定める
濃度限度(周辺監視区域の外側の境界における水中の濃度).
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-汚泥中の放射性 Cs 濃度は B、D、F 施設で比較的高い値を
示したがすべての処理施設の汚泥は湿重および乾重で 8,000
Bq/kg以下でした。放射線Cs濃度の高かった施設は、集水ピッ
や調整池が露天の施設であることから、事故直後のフォール
アウトの影響が残存している可能性がある。なお、脱水汚泥
に含まれる水を分離して測定した結果、検出下限値以下であ
ったことから、通常の保管状態であれば、脱水汚泥からの再
溶出は極めて少ないと考えらる。

※特措法における施行規則(環境省令)において、最終処分
 場の放流水を監視することで公共の水域の水中でこの濃度
 限度を満たすことが基準として示された。



10.1.2 安定セシウムを指標とした浸出水処理施設における
セシウム除去性能の評価
安定セシウム(Cs-133)は放射能を持たない安定同位体だが
物性は放射性セシウムであるCs-134、Cs-137 と同様であるこ
とから、放射性セシウムの挙動を推測する指標となり得る。
安定セシウムは焼却灰中に高濃度に存在しているため、福島
第一原発の事故影響を受けていない地域においても検出され
る。そこで 複数の最終処分場の浸出水処 理施設において安
定セシウムを IPC-MS により測定したところ、処理施設によ
り安定 Cs 濃度に違いはあるが、原水と処理水で顕著な差が
ない(表 8.2)ことから、浸出液等に陽イオンとして溶存す
るセシウムは、凝集沈殿・砂濾過、生物処理、活性炭吸着、
キレート樹脂処理等の現行の浸出水処理工程ではほとんど除
去されないと考えられる。


一方、海水淡水化等にも用いられる逆浸透(RO)膜の設備を
有する浸出水処理施設において調査した結果、ほとんどの施
設で安定セシウム除去率 95%程度以上の結果が得られした
(表 10.3)。除去率の低い施設は原水中の安定セシウム濃
度が極端に低いことによるもので、定量限界が 1μg/L であ
るため計算上除去率が低く算出されている
。すな わち、RO
膜の設備を有する浸出水処理施設においては、放射性セシウ
ムが混入したとしても放流水中の放射性セシウム濃度は極め
て低く抑えられる可能性がある。但し、RO膜で処理した際に
濃縮水が発生し、濃縮水中の安定セシウム濃度は原水の2~6
倍程度となっていた。また通常、濃縮水は蒸発乾固し、固形
残さとして廃棄されることから、実際に放射性セシウムを対
象として除去する場合には、濃縮水の取り扱いも含めて検討
する必要がある。また、RO膜を含めた脱塩設備では同様の効
果が期待さるが、全国 1,988 施設の一般廃棄物の最終処分
場のうち表 10.3 に示す脱塩設備が導入されている施設は
35施設であり、関東~東北(1都 12県)では 521 施設のう
ち 6施設となっており、一般廃棄物最終処分場における導入
割合は非常に低いのが現状である。




参考資料:除去性能確認のための指標である安定セシウムに
ついて 一般廃棄物の焼却灰(主灰、飛灰)には、数 mg/kg
程度の安定セシウムが含まれており、焼却飛灰からの溶出率
は放射性 Cs と同様に高いことがわかっている。図 8.1 は、
実際の浸出水原水の安定セシウム濃度を電気伝導度(EC)と
ともにプロットしたものす。100μg/L を超える安定 Cs が
浸出している施設もあります。このことは、放射性 Cs を含
む焼却飛灰を通常と同様に埋めてしまうと、相当程度浸出し
てくる可能性を示唆している。そのため、溶出しやすい焼
却飛灰(ばいじん)を埋立処分する場合は、下部に土壌層を
敷設したり、上部にキャッピング(難透水層・隔離層)を施
して、水との接触を低減 することが重要です。 また、図に
おいては、浸出水処理施設における安定セシウム濃度は EC
(電気伝導度) との相関関係が見られます。EC が高いとい
うことは、塩類濃度が高く、埋立地に焼却灰 が相当程度埋
め立てられていることを表していると考えられ、放射性 Cs
を含む焼却灰を 埋立処分する場合も、EC のモニタリングが
重要な意味をもつ可能性もある。


                     この項つづく

【エピソード】





本年度もよろしくお願い申し上げます。
今朝は時雨れるも、降雪でなくラッキーだったが、伊勢大神
楽「渋谷章社中」の獅子舞が町内を練り歩く総回り日とあっ
て、恒例の正午ごろ、獅子舞(かまど祓い)、門先お祓いし
て頂いた。その折、頂いた機関紙に、昨年の十月二十九日と
三十日に文化と芸術で地域を活性化しようと、同実行委員会
と日野町文化振興事業団が主催し、2018年から行われてきた
綿向神社境内で行われたイベント「HINO BIG TIMEGROOVE
VOL2」の記事に日野町出身でニューヨークを拠点に活動す
る世界的な壁画アーティストの「DRAGON 76」※さんがプ
ロデュ-スし、シンガーソングライターの大門弥生さんらと
共に伝統芸能バンド演奏・獅子舞演舞を行われたことが紹介
しれていて「共生と地域文化のスパイラル・アップ」として
見つめ直す機会にとなりました。

 大門弥生

※ 宗教法人神道伊勢太神楽教 教務本庁 〒569-1039 大阪
府高槻市清水台1-9-30/日野布教所 〒529-1641 滋賀県蒲
生郡日野町日田304 

DRAGON 76(1976年9月9日 - )は日本のアーティスト。
滋賀県日野町出身、大阪芸術大学附属大阪美術専門学校卒。
主に壁画やライブペインティングや個展の開催等の活動を行
っている。2016年からは拠点をニューヨークに移し活動中。




PS. そろそろ動き出したが、連絡が取れない方も2、3あり
ました。1名は健在でした。ミーティング場所を本日確認に
出かけます。キャンセルのばあい、他を当たります。


【脚注及びリンク】
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