滋賀が原発防護域拡大

2012年01月30日 | 防災と琵琶湖

 

滋賀が原発防護域拡大
独自に拡散予測、最大42キロヘ

 

滋賀県は、隣接する福井県の原発で重大事故が起きた場
合を想定し、避難などが必要な緊急時防護措置準備区域
(UPZ)を独自に実施した放射性物質の拡散予測に基
づいて見直すことにした。今年度中に地域防災計画を策
定し、国に報告する。

UPZは原発事故の際に放射線の測定値が一定レベルを
超えた場合に、避難や屋内退避などが求められる区域。
地理的条件や社会的条件をもとに自治体が設定するが、
都道府県が独自に範囲を拡大するのは初めて。

県が拡大の根拠としたのは、福井県の関西電力美浜原発
(同県美浜町)と大飯原発(同県おおい町)で、東京電
力福島第一原発事故並みの事故が起きた想定で、シミュ
レーションした放射性ヨウ素の拡散状況。

呼吸に伴う甲状腺の被曝線量が屋内退避の指標となる
100~500mmシーベルト未満(1日に屋外に8時間、屋内
に16時間いた場合)に達する範囲が30♂圏を超えて、滋
賀県北部の長浜、高島両市の一部にも広がったことから、
UPZを拡大する必要があると判断した。この結果、対
象区域の人口は当初の約1万3千人から約4万人に増え
ることになる。

UPZを拡大すれば、線量計や防護服などの配備や放射
線量を測定するモニタリングポストの設置などに新たな
費用がかかることから、県は今後、30キロ圏内と同様の
予算措置を求める(朝日新聞 2012.1.30)。

 

【エピソード】

原発事故がひとたびおき、放射能性物質が拡散されれば、
向きに関わらずびわ湖が汚染される。これは確かなの
だから
その予測解析結果を公表してもらいたいものだ。

最近知ったのが「原発の町、玄海町って白血病日本一て
知っ
てました?」の記事だ。それによると、玄海原発(
佐賀県)
周辺は「白血病」患者が全国平均の11倍も多い
というのだが、
そのような福井県のデータはあるのだろ
うか?調べてみる必
要がある。
 
http://www.asyura2.com/09/genpatu6/msg/396.html
http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-4139

【脚注及びリンク】

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1.原発防災地域拡大、対応いかに 国の議論見守る県内
  市町 2011.10.20 福井ニュース

2.【PAZ・UPZ・PPA】原発防災対策"手抜き"地域再考:
  福井原発銀座、2011.11.29
3.【PAZ・UPZ・PPA・PPZ】防災対策地域について 全国版
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三方五湖

2012年01月28日 | 日本の湖沼百選

 




【三方五湖】


三方五湖(みかたごこ)は、福井県三方郡美浜町と同県三
上中郡若狭町に跨って位置する五つの湖の総称。国指定
の名
勝で、若狭湾国定公園に属する。2005年11月8日付で
ラムサー
ル条約指定湿地に登録されている。湖の周囲には
梅畑が広が
る景勝地。三方五湖は五つの湖で構成されてお
り、五つの湖
はすべてつながっている。日本列島の気候や
植生を何万年前より記録しており、また、日本海の海洋環
境の変化を湖底に記録しているとして、湖底の堆積物を採
取するためのボーリングが1980年11月に三方湖東南部(水
深1.5メートル)の北緯35度33分32秒、東経135度53分40秒
の地点で行われた。採取した堆積物から花粉、珪藻などの
微化石、あるいは植物遺体を検出した。過去5万年間の記
録を保管していることが分かった。ボーリング地点から南
に1キロほどのところに鳥浜貝塚がある。

五つの湖は淡水・海水・汽水とそれぞれに違った性質を持ち、
また同じ汽水湖でも日本海に直接つながっている久々子湖と
一番奥にある菅湖、中間の水月湖ではそれぞれ海水と淡水
の比率が違っている。そのため梅丈岳(三方五湖レインボーラ
イン展望台)から見える景色は、五つの湖がそれぞれに違った
青色をして見えるのである。比較的大きな川は三方湖に流入
する川(「はす」は魚偏に時)のみである。そのほかは小さい川
が多数流入している。若狭湾へ流れ出る川は久々子湖・日向
湖に繋がった運河のみである。

水月湖は二重底の湖としても知られている。湖水上部(水
深0~6m)は淡水、下部(水深7-40m)は硫化水素を含む無
酸素の汽水となっている。水路工事の結果、三方湖からは
淡水、久々子湖からは汽水が流れ込むようになり、淡水に
比べ重い汽水は湖底に滞留するようになった。この状態で
湖の表面に強風が吹いても表層の淡水が攪拌されるのみで、
湖底の汽水は滞留したままである。この結果、下部の汽水
は空気に触れることが無く、表層の酸素を含んだ淡水と混
じり合うことも無いために、有機物分解によって酸素が消
費し尽くされてしまい、2006年時点では硫化水素を多量
に含んだ無酸素状態と
なっている。なお、上下湖水の境界
付近では、下部湖水の硫
化水素を上部湖水に含まれる酸素
で酸化させ、その時に発生
するエネルギーを利用して生き
る特殊なバクテリアが生息し
ている

 

【エピソード】

三方五湖の景観の特色は、低いゆるやかな丘陵性の山々を
湖の周囲に巡らし、温和で素朴な情緒があふる。車で「レ
インボーライン」を通って、標高397メートルの梅丈岳(
ばいじょうだけ)山頂に登ると三方五湖が一望。最近は足
を運ぶことがないが、泊まりがけで、温泉につかりに虹岳
島荘に訪れたものだった。

 

【脚注及びリンク】

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1.三方五湖レイククルーズ
2.虹岳島荘
3.私が素敵と想うもの
4.ラムサール条約湿地「三方五湖
5.三方五湖と寛文大地震

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琵琶湖底の堆積物噴出活発化

2012年01月21日 | 防災と琵琶湖




「地震予兆」を指摘

高嶋市沖の琵琶湖の最深部で、湖底から堆積物が噴き上が
る現象が活発化しているという(朝日新聞 2012.1.20)。
それによると、近畿地方を震源とした地震の予兆の可能性
を指摘する専門家もいる。県琵琶湖環境科学研究センター
環境情報統括員の熊谷道夫(60)らによる自律型潜水ロボ
ット「淡探」を使った湖底の調査では、2009年から噴き上
がる場所の数や大きさが増し、付近のにごりも増している
という。湖底から1メートルと1.5メートルの場所での水
温の比較で、
08年ごろから湖底に近いほど高い現象が目立
つようになった
。「地中の熱が水中に伝わっているためで、
水温の差が大きい場所で地下水やガスの噴出が起きている
のではないか。25年にわたる湖底観察で初めての現象だ」
と話す。

元東京大学地震研究所准教授の佃為成は地殻変動の影響を
指摘する。この地域は、地殻変動による「ひずみ」が蓄積
した「新潟-神戸ひずみ集中帯」の一部で、同集中帯では
1995年の阪神大震災や04年の新潟県中越地震などが起きた。
02年以降、琵琶湖から神戸にかけてひずみの変動が大きく
なっているデータもあるうえ、高島市から大津市にかけて
の内陸部には琵琶湖西岸断層帯がある。「
大地震の準備過
程を意味する
可能性を念頭に置いて防災態勢を急ぐべきだ」
と話す。元京都大学総長で地震学が専門の尾池和夫・国際
高等研究所長は「現時点では、湖底の現象を地震の前兆に
結びつける判断はできないが、さまざまな異常現象を集め
ておくことは地震の前兆現象の研究にとっても大事なこと
だ」と話しているという。

 

【エピソード】

行政(=社会共同体)の最優先課題は安全保障であれば、最
低限の保障準備は必要となるが、それが「淡探」かというえ
ば疑問符がつく。データは出来る限りオープンにしてもらい
たいとそう思う(悪意のある情報操作は困るが)。


【脚注及びリンク
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1.「びわ湖トラスト

2.「オウミア No.69

3.「淡探と湖底環境


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赤城大沼とびわ湖

2012年01月16日 | 防災と琵琶湖

 




【赤城大沼の汚染】



赤城大沼の公魚(ワカサギ)は汚染されていることが
NHKスペシャル「知られざる放射能汚染~海からの
緊急報告~」で放送された。8月に640Bq/kgのセシウ
ムが検出。原因はこの赤城大沼の山から川が降水流入
し蓄積したためであり、びわ湖のような閉鎖水系のた
だ。赤城大沼の湖底20cmの深さまでセシウム堆積 950
Bq/kg のセシウムが湖底の泥から検出。また、湖沼に
棲息するプランクトンからは296Bq/kg検出した。通常
プランクトンの寿命は数週間しかなく、9ヶ月経って
もプランクトンが汚染していることは循環蓄積してい
ることを意味する。






このことはチェリノブイリの原発事故周辺の湖沼も同
様で、25年を経ても下図のようになかなか減らならず
セシウム137の半減期の30年をまたなければならない
とのことだが、漁業観光業者にとっては致命的なこと
になっている。また、浚渫除染費用の見積金額も算出
されておらず、あれやこれや考えると下山転職する以
外に選択肢はないと思える。

また、テレ朝番組「ザ・スクープスペシャル 過去か
らの警告~古文書と考古学が語る巨大津波~」では、
東日本大震災では3分ほどの長い揺れを観測した。南
海地震が起きれば、震源地から遠く離れた大阪でも長
い揺れが続くと考えられている。斑鳩嘉元記には奈良
の薬師寺の本堂でも九輪が折れたなどの高い建物ほど
被害が大きかったという記述が残っており、長周期地
震動は最近判明したメカニズムだが、650年前の古文
書はすでに警告していたのかもしれないという。



興味深かったのは、
原発銀座とも呼ばれる若狭湾沿岸
地域では、東日本大震災直後の3月18日、関西電力が
付近の住民に配った資料によると「文献によると過去
に若狭湾周辺で津波による大きな被害記録はない」と
していた。その文献の存在を学者でさえ、黙殺してき
たという。日記「兼見卿記」にも記録されており、ポ
ルトガル人宣教師の「日本史」にも津波の記録が残っ
ている。

若狭湾には14基の原発があり、それぞれの津波想定は
2m前後で、一度も津波調査が行われてこなかった。
京都大学理学部の岡田篤正名誉教授は、1586年の天正
大地震で若狭大津波は具体的な記述にやや欠けあまり
注目されなかったと話す。養老山脈の延長線上に位置
する長浜城では城主山内豊一の娘を城倒壊で失った悲
話はが知られているが、地滑りで水没した集落跡の石
が見つかっている。



先月21日に若狭湾につながる三方五湖でボーリング調
査結果、関西電力など3社は天正大地震で津波があっ
たとしても小さいものだったと発表したが、三陸の津
波地層を分析した北海道大学の平川一臣教授は、ボー
リングはポイントにすぎず、発見されなくても津波が
なかったという証明にはならないと指摘していたこが
印象的だった。




【エピソード】

あれこれ考えていたら「大災害緊急対策省」を設置し
最低5年の臨時行政運営しなければならないだろうと
思えてきた。そして、地震・津波・火山噴火・原発事
故(+異常気象)にかかわる複合災害対策チームを立
ち上げなければ、この国は滅ぶのではと思えてきた。


【脚注及びリンク
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1.「
はたして放射能汚染地域は除染すれば住めるのか?」
2.「
子供を守ろう SAVE THE CHILD
3.「
赤城大沼の放射能汚染

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余呉に棲む龍

2012年01月12日 | 滋賀のパワースポット

 

 



【余呉湖】

賤ヶ岳(約422m)を一つ隔てた琵琶湖の北にある。
面積約1.8平方キロメートル・周囲約6.4km、水深13
m、三方を山で囲まれた断層盆地にあって琵琶湖と
の水面落差が49m近くある。古くは、琵琶湖を大江
(おえ)、余呉湖を伊香(いか)の小江と称し、天
女の羽衣や龍神・菊石姫の伝説が残る神秘の湖。別
名「鏡湖」とも呼ばれている。白鳥に姿を変え水浴
びを楽しんでいた8人の天女の姉妹のうち伊香刀美
(いかとみ)に羽衣を取られた末妹だけが天に帰れ
なくなり、夫婦となって2男2女をもうけたという
物語が残っている。また羽衣を取ったのは桐畑太夫
で、菅原道真がその子であると伝える話もあるとい
う。


 むかし、近江の国余呉の湖に、織女(たなば
 た)の下りて、水あみけるに桐畑太夫という
 男ありて、ぬぎ置きたる天衣をとりて、たわ
 むれば、織女天へのぼることを得ず。やがて、
 その男の妻になりて居給いけり。子ども生み
 て、年を経たけれど、天上へのぼらん、ここ
 ろざしをうしなわずして、常に天衣をのみき
 にかけおれり。

               『
天女伝説


余呉湖と琵琶湖にのみ棲息する特産物・イワトコナ
マズをはじめ、ワカサギ、フナ、コイ、ウナギ、ナ
マズなど魚類も多く、夏は水面近くをフナの大集団
が回遊する姿が見られ、冬には水鳥も飛来する。

【塩の華と龍の玉】

余呉町菅並に洞寿院(禅宗)に塩の華と、龍の玉が
あるという。6百年ほど昔、越前の国から如仲禅師
が、余呉に仏道の教えのため丹生川の妙理白山の仙
人が菅並の山地に案内しその仙人は「この地は、北
には安蔵に妙理東には白谷、西には七七頭、南に墓
谷と四方を山にかこまれ、中国の五台山に似て蓮の
花のうてなの中で寿の洞のようである。この地こそ
、人々に仏の道を教える霊地である」と言い残し立
ち去ったという。如仲禅師は寺を建立中のある夜、
天地雷鳴が起こり地面ははげしくゆれ地もさけるほ
ど揺れたたとあるから、これは地震によると推察さ
れる。大凡4百年に一度太平洋沖で大地震が起きて
いるというわれるから、そのさちゅうに位置し断層
地震かもしれないし遠因の日本海沖による地震かも
しれない。いずれにしても古い文状などの記録を調
べれば判るかも知れない。

さて、地割れが発生し、寺の裏山のふもとから塩を
含んだ塩泉が吹き出している。菅並は山の中で、今
までは塩を手に入れるのに苦労をしていたがこれ
により塩泉が枯れることがなかったという。このた
め禅師は寺の名を「塩谷山 洞寿院と名付けたとい
う。いま洞寿院に寺宝として残っている塩の華はこ
の塩泉に由来する。もう一つこの寺の裏山の妙理山
の妙理川の妙理谷に二本の滝の間にしぶきをあげて
落ちるさまはを雲間を二つの龍と喩えたが、この妙
理の山中に悪い龍が住みつき、里に出ては人々を苦
しめていたため禅師が法の力で龍に説き聞かせ、龍
をしずめて人びとの難を救う。ある夜、禅師の寝て
いる枕元にその龍が現われ「われはもと、この妙理
の主で業の深い龍であった。貴僧の教えで悪夢から
覚め、今では心安らかで、まことにありがたい。こ
れからはこの寺の守護となり、人々のためにつくし
たい。その証あかしとして、ここに龍の玉を置いて
おく。」といって姿を消すが枕元に大人のにぎりこ
ぶし程の重い玉があったと伝えられこれが寺宝とし
て残っている「龍の玉」という。

 
 塩谷には雪の白山峯つづき妙理の洞に福寿円満


竜は神獣・霊獣であり、麒麟・鳳凰・霊亀とともに
四霊のひとつ。『史記』における劉邦出生伝説をは
じめとして、中国では皇帝のシンボルとして扱われ
た。水中か地中に棲むとされることが多い。その啼
き声によって雷雲や嵐を呼び、また竜巻となって天
空に昇り自在に飛翔すると言われる。

秋になると淵の中に潜み、春には天に昇るとされる
が、十二支に各々動物が当てはめられた際、唯一採
用された伝説上の生物。後漢の王充『論衡』言毒篇
に「辰為龍、巳為蛇。辰、巳之位在東南」とあるの
が、確かめられる最も古い記述とされるがなぜ辰だ
けが想像上の動物になったのかは未だに定説がない。

定説がないぶん、十二支を面白く展開させる要因に
もなっているように思われる。水の神、竜神は河川
滝、長谷部の自然現象をトータルに表し、八岐大蛇
(ヤマタノオロチ)も山神・水神として民間信仰と
して継承れてきたものだが東日本大震災の津波が河
川や長谷部を遡る様はさながら荒れ狂う龍の化身と
喩えられるかのように圧倒された。
 

さて、このような余呉の民間信仰や昔話は滋賀県の
各地に残されていて、戒めとして、あるいは記録と
して、そしてパワースポット、スピリチュアルスポ
ット(自然崇拝)として残っている。因みに、荒俣
宏はパワースポットで何を感じるかは人により様々
だとする。そこにある自然を通して癒しを求めるの
もよいし、やる気を得るのでもよい、とし、感じ方
は人それぞれでよい言う。