地域循環共生概論 60

2022年10月09日 | 防災と琵琶湖


 作成日:2022.10.09|更新日:



□ その後の彦根広域ごみ処理施設建設問題 Ⅵ
プーチンのロシア軍は戦況打開に核兵器使用をちらつかせ
ていますし、北朝鮮の核兵器開発5カ年計画は最終段階に
入り、9月下旬から弾道ミサイル発射を繰り返えしており、
国内の保守反動派は報復の軍事力拡大を公然と主張し始め
ています。片や、地球恩温暖化による集中豪雨・洪水・干
魃・火災・食料危機の被害が常態化しております。


出所:国際ニュース:AFPBB News
□ 下水汚泥を肥料に活用 国産化進め価格抑制
そんな緊迫した昨今ですが。10月9日、農業現場で主流の化
学肥料は輸入原料に依存し、ウクライナ情勢などの影響で
価格が高騰している。肥料の国産化を進めることで価格を
抑え、農家の経営圧迫や食品価格の上昇を回避を狙い、下
水汚泥を肥料に活用、輸入化学原料の高騰で政府が本腰を
入れる。


グラフ:下水汚泥の再利用方法 国土交通省 2020年度
10月に取りまとめる総合経済対策で、政府は肥料の国産
化を進める方向だ。すでに岸田首相は同対策の策定に向け
て、「化学肥料への依存度を引き下げ、エネルギーや食料
品などの危機に強い経済構造への転換を図る」ことを指示。
10月に取りまとめる総合経済対策で、政府は肥料の国産
化を進める方向だ。すでに岸田首相は同対策の策定に向け
て、「化学肥料への依存度を引き下げ、エネルギーや食料
品などの危機に強い経済構造への転換を図る」ことを指示。


国産肥料の増産を急ぐのは、化学肥料の価格が急騰してい
るためだ。原料となる尿素や塩化カリウムなどは、大半を
海外からの輸入に頼っている。原料価格の上昇が肥料価格
の高騰につながり、農家の経営を圧迫している。これに対
し、下水汚泥を加工した肥料は、価格の安さが最大の特長
だ。下水汚泥の全量を肥料に加工する佐賀市は、汚泥肥料
を1キロ2円で販売する。年間3000人以上が購入し、
6月以降は販売量が例年の2~3倍に伸びている。政府は、
肥料の国産化と低廉化で「一石二鳥」の効果が得られると
みており、肥料の需要が多い地域では、将来的に下水汚泥
の全量を肥料として活用したい考え。
-----------------------------------------------------
via 読売新聞オンライン|下水汚泥を肥料に活用、輸入化学
原料の高騰で政府が本腰…国産化進め価格抑制


7.5 鉄筋コンクリート製の最終処分場設計
7.5.1 飛灰の特性を考慮したコンクリートの劣化の可能性
 福島県外の指定廃棄物の処分には、遮新型相当の最終処
分揚が検討されていまナ(図7.5.1)。ここで問題となるのは
前節までにも説明したように、放射性C8が水溶性である割
合が商い焼却飛沢です。環境省から提示された案では、何重
にも飛灰に水が接することがないように配慮されている。
すなわち、覆土に加え、ベントナイト混合土により潅水から
コンクリートピットを遮水。コンクリート自体も遮水性を
有するものを使用。さらにコンクリート内部には遮水シー
トが配置される。万が一、これらが機能しない場合は点検
通路により目視点検し、異常時には補修を行う。
 想定しえる事故を含め、通常の条件では十分に安全であ
ると考えられる。ただし、極めて厳しい事故が発生した場
合についても、最新のコンクリート工学の知見から考えて
おくことは重要。なぜならば、コンクリート材料の劣化に
ついては現在も研究が進行中であり、現在の基準類では対応
できていない現象もあることが分かってきているからだ。
 本節では、これらの可能性を紹介し(表7.5.1、図7.5.2
)、対応策を示す。
 まず、通常の条件を考えます。環境省のコンクリートピッ
トの案では床や壁がかなり厚い60-80cmとなっています。こ
のような厚い部材を製造すると、セメントの水和発熱反応
によりコンクリートの温度が上昇し、温度応力によるひび
れが一定間隔で発生します。この初期に生じるひび割れに
対しては樹脂注入で補修できるのですが、ひび割れが少な
いに越したことはありません。セメントの発熱量を下げるに
はいくつかの方法、例えば材料を冷却する、低熱セメントを
用いる、石炭火力発電所から発生するフライアッシュなど
の混合材を用い圧縮強度を保証する管題材齢を長くする、
などがある。地下ピソトで湿潤雰囲気にあることを考える
と、アルカリ骨桐反応(ASR)が懸念される。
 ASRはコンクリート中の骨材がセメン|ヽからもたらさ
れるアルカリイオンと反応し、膨張性のゲルを生じ、コン
クリートを膨張破壊する現象です。コンクリートの癌とも
言われ、発生すると抑制は困難です。現在もASR抑制対
策かおりますが、その方法には限界かおることが最近指摘
されるようになっており、さらに抑制対策が安全性保証が
必要な長期間にわたり果たして有効であるのか保証がない。




 
7.3節で示した飛灰の特性を考えると、最もコンクリート
の耐久性に強い影響を与えるのが、コンクリート表面の遮
水屑が機能しなくなる場合。遮水屑に欠陥があると、飛灰
は乾燥剤なので、コンクリートが乾燥し、乾燥ひぴ割れが
発生する。さらに、吸湿した飛灰がコンクリートに接する
状況になると、いくつかの劣化現象が促進することになる。
ひとつは、飛灰中の塩素がコンクリート中に進入し、鋼材
を腐食させること(塩害)。鋼材はセメントが生成する高ア
ルカリ雰囲気で酸化に対して安定になっていますが、塩素
が高濃度になるとさびが生じ膨張し、がぶりコンクリート
に大きなひびを発生し、ひどい場合にはコンクリート自体
が剥離する。飛灰中のアルカリがコンクリートに進入する
とpHが増加し、ASRが促進される可能性もあります。さらに
高濃度のCaC12は3CaO・CaC12・15H20という膨張性の鉱物を生
成しコンクリートを膨張破壊する現象がおきえる。
 まとめると、まずは、ピット内部に水が供給されないよ
うに配慮することが最も重要です。飛灰が水に触れなけれ
ば、適切に注意され設計・施工された鉄筋コンクリート個体
は十分に耐久的と考えられる。



安全安心のために、万が一の事故時までを想定すると、塩
害による腐食にはコンクリート中の塩素浸透を抑制すると
共にエポキシ塗装鉄筋を使用するのが望ましい。温度ひび
割れ、塩素浸透抑制、ASR、化学的侵食のすべてにフライア
ッシュは有効なので、効果を確認して積極的に使用するこ
とが環境負荷低減の観点からも好ましいことである。
 以下の項ではコンクリート中のC8の移動を塩素の移動と
比較しながら解析した事例を示す。また、ASRの長期的挙動
の予測を加速コンクリートプリズム試験により行う方法を
示す。最後にこれらの成果を技術資料としてまとめるため
の活動状況を紹介する。


各種の基準にはコンクリートが十分耐久的であると記載さ
れているが、これは施工欠陥を排除する慎重な対処がなさ
れることを前提としており、すべてのコンクジートエ事で
本来の性能が実現されているわけではないという現実には
十分注意すべきである。

この計算には対象元素とセメント水和物との相互作用が溶
解平衡定数として啓えられていなけれぱならない。通常Cs
は考慮されないので、Csとセメント水和物との相互作用を
調べ、セメント硬化体をCsCI溶液に澄清して得られた元素
の濃度プロファイルと比較した。
図7.5.3にセメントペーストのC8とCIの浸透状況を、図7.5、4
に演度プロファイルを示します。水/セメント比60%のセメ
ント硬化体で、セメントとしては、普通ポルトランドセメ
ント(OPC)、高炉スラグにより40%置換した高炉セメント
(BB)、フライアッシュにより30%を置換したフライアッ
シュセメント(FAOの3種類としました。0.5MのCsCI溶液に20
℃で7日間浸漬しました。濃度分布は電子線プロープマイク
ロアナライザ(EPMA)により面分析を行い求めた。
 CsとCIはどのセメントにおいてもほぽ同程度の浸透である
ことが分かる。セメント種類の違いに着目すると、OPCが10
mm程度の浸透深さであるのに比較し、BBとFACでは数m程
度と大幅にCsとCIの浸透が抑制されていることか分かる。
 この浸透プロファイルを熱力学相平衡一各元素移動モデ
ルで再現。図7.5.5に概念図を示す、外環境との元素のやり
取りを、イオンの拡散と固相との相平衡反応を考慮して解
析する。
 解析の結果を図7.5.6に示す。実験結果と同じように、O
PCでは10mm程度の浸透であり、BBとFACでは数mmの浸透
に抑卵』されていることが再現できた,Csに関してはより
深くまで浸透する結果となっている。


実験では濃厚なo、5MのCsCI溶液を用いたが、実際の飛灰か
らの溶出液ではCI濃度は濃厚
、Csはごく希薄。飛灰に10ppm
のCsが含まれ(多い状況)、等量の水が作用した場合を考え
ると、10mg/Lの濃度になりますので、これを境界条件としてC8浸
透を30年にわたりOPCに対して計算した。CIは87000mかLと
した。
解析結果を図7、5、7に他の主要元素濃度とあわせて示す、塩
素浸透は20em程度までおきているか、Cs浸透は5emまでです。
これはCsがごく低濃度でしか存在していないことと対応し
ていますすなわち、コンクリートが塩害に対して耐久的に
設計されているならぱ、コンクリートピットからCsか漏洩す
ることは考えられない、ということになる。

7.5.3 アルカリ骨材反応の定量的評価と抑制
(1)はじめに
 放射性物質に汚染された焼却灰(汚染灰)をコンクリート
施設で最終処分するには、汚染灰に含まれる放射性Csの半
減期から、コンクゾート施設は長ければ100年オーダーにわ
たる耐久性を保有しなければならならない。耐久性のうち
、アルカリ骨材反応QSR)はJISにも抑制対策が定められて
いるが完全なものではなく、より確実な抑制が求められま
す。そこで、反応性の異なる骨材を準備し、国際的最一新情
報を考慮した試験方法により、フライアツシユなどを用い、
ASRを抑制する効果を定量的に評価。

(2)コンクリートバー法の加速倍率の推定の基本概念
 寿命予測における加速試験は、輝々な材料の劣化評価手法
として用いられている,劣化を評価するには求められる寿命
の年月暴露し、あるいは実際の使用に供して評価するのが
最も確実ですが現実的ではなく、過酷な条件の下で劣化を
促進し、長期間に起こる劣化が短期間に進むとみなして、
現実的な時間の試験で長期の劣化に代える必要がある。
 コンクリートにおいて化学的な劣化の進行は、コンクリ
ートが天然に産出する材料を用いた複合材料であること、
コンクリートは主に屋外において用いられるため様々な環
境条件が作用し一義的には評価できないことから、予測は
容易ではない。また、アルカリ骨材反応に間しては、1940
年にカリフオルニアのKing City橋におけるひびわれを調査
したT.E.Stantonによって初めて報告され、未だ70年数年し
か経っていません.従って、アルカリ骨材反応に関する長
期の膨張データは極めて少なく、長期間の劣化予測におけ
る検証が困難です。アルカリ骨材反応に対する劣化モデル
はコンセプトの提示が行われている段階であり、未だ様々
な骨材の膨張柊性を化学的な反応に基づいてモデル化する
には至っていない.
 アルカリ骨材反応は、コンクリート中のアルカリ金属が
骨材中に浸透し、骨材中のシリ力が反応することによって
生じる化学的な反応が主であると見なすことができる。す
なわち、反応速度論に基づいた劣化の進行をモデル化する
ことで、促進試験における劣化進行を、暴露試験の結果と
対比することで、加速倍率を推定できる可能性がある。
 本項では、アルカリ骨材反応における既存のコンクリー
ト試験による膨張に関するデータを整理し、化学的な反応
速度の観点から基礎的な反応モデルを構築し、反応モデル
におけるパラメータを抽出して、暴露試験体における膨張
劣化と比較することで、加速倍率を推定する。
----------------------------------------------------
※骨材の反応性を調ぺる試験には、高温アルカリ溶液への
溶解シリカ量とアルカリ減少量を調べる化学法、粒度調整
した骨材とアルカリ量を増加したセメントでモルタルを作
製し高温養生する方法が日本では主流である。それぞれ、
限界があり、コンクリートによる試験では、骨材組合せや
骨材の粒度調整に起因する悪影響を除去できるため、ここ
ではコンクリート試験により用いるコンクリート配合条件
での挙動を検討する。
                                        この項つづく
【関連技術情報】
1.
放射性物質の挙動からみた適正な廃棄物処理処分 国立
 環境研究所 2014.4.14
https://www.slideshare.net/3tarou/ss-33956703                      

【エピソード】


□ 地球温暖化はなぜ起きる Ⅰ 
海洋研究開発機構・環境変動予測研究センタ・河宮未知生
氏の「その仕組みや2050年カーボンニュートラルの必要性
の概説」 via 環境ビジネス 2022年秋季号
----------------------------------------------------
日本における海洋科学技術の総合的な研究機関として、こ
れまでに多くの成果を生み出してきた国立研究開発法人海
洋研究開発機構(
JAMSTEC; Japan Agency for Marine-Earth
Science and Technology
)。日本最初の深海潜水艇の開発をは
じめ、国際地球観測プロジェクト推進のための研究船など
の開発・運用、気候変動や地震などに関するシミュレーシ
ョン研究などを行う。昨年、ノーベル物理学賞を受賞した
真鍋叔郎氏も、かつて5年間在籍し気候モデリングの研究
をリードしていた。
現在、世界で20以上の団体がIPCC(気候変動に関する政府間
パネル)に地球温暖化予測の計算結果を提出しており、そ
の一角を担っているのがJAMSTEC。世界各地で頻発してい
る異常気象の一因とされる地球温暖化。その仕組みを河宮
氏は次のように説明する。「太陽から地球に届く熱は、地
表面に吸収された後、温められた地表面から赤外線の形で
再び放射されます。二酸化炭素をはじめとする温室効果ガ
スはこの熱を吸収し、吸収した赤外線の一部を再び下向き
に放射して、地表面や大気を加熱する役割を果たす。現在
地球の平均気温は15℃ですが、もしも地球上に温室効果ガ
スがなかったら、平均気温は-18℃になってしまう」
 従来、二酸化炭素は人開か暮らしやすい気温を保つ上で
重要な役割を果たしている。だが、産業革命以降、その排
出量が増加し続けた結果、熱の吸収量が増えて気温上昇に
つながってしまった。
                    この項つづく






ここ両日の気温変動と夏の暑さの疲れから「えらいことに
!」なって、歳を重ねるってこんなこととになるかとつく
づくと実感しています。皆様はいかがでしょうか?!
先日、コスモス畑麗しい彦根荒神山醸造所でクラフトビー
トビールを試飲してきました。村上春樹の小説『ドライブ
マイカー』の彼女をドライバー役に、いっしょにのみに生
きましょう。最大3名(わたしを入れると残り2名)です。

【脚注及びリンク】
----------------------------------------------------

----------------------------------------------------



最新の画像もっと見る

post a comment