僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

N からの電話

2015年11月18日 | 思い出すこと

昨晩、学生時代からの友人のNから電話がかかってきた。
最近は長い間会っていないし、電話も1年ぶりぐらいである。

Nは「今日、喪中のはがきが届いたけど…」と切り出し、
「お母さん、亡くなられたんやね。…それはどうも」
…と、弔意を表してくれた。


Nとは大学入学時にオリエンテーションを受けているとき、
たまたま僕の前に座っており、それがきっかけで交友が始まった。
よくわが家に遊びに来ていたので、うちの母もNをよく知っていた。

僕が結婚しても、Nはわが新婚家庭へ邪魔をしに来た(笑)。
お酒を飲んでわいわい騒ぎ、そのまま泊まっていく時もあった。
(酒飲み2人の相手をしてくれた妻には苦労をかけました)

僕が結婚した時、Nは披露宴で友人代表スピーチをしてくれた。
その数年後、今度は彼の結婚披露宴の時に、僕は司会をした。

それから、今度は家族ぐるみの付き合いが始まり、
定期的にお互いの家を訪問し合い、お酒を交わし合った。
Nも、彼の奥さんも、うちの息子たちを可愛がってくれた。
やがてN夫妻にも女の子が誕生し、遊びに行くと喜んでくれた。

それから20数年が経ち、その女の子(A子ちゃん)が結婚した。
その結婚披露宴の席で、僕は来賓の祝辞を仰せつかった。

Nの結婚披露宴の司会をしたのがついこの間のことのようで、
20数年の年月の流れる早さには、驚くばかりだった。

そのA子ちゃんから、今でも毎年年賀状が来るのだけれど、
今年は息子さんたちの、柔道着姿の勇ましい姿が写っていた。
(来年のお正月、年賀状をもらえないのは寂しいなぁ)


「A子ちゃんや、孫さんたちも、元気そうやねえ」と、
Nとの久しぶりの電話での会話で、まずその話をした。

それから、お互いの日常生活について近況報告をし合った。
そして、Nは「そろそろ身辺整理もしなければなぁ」と言った。

なるほど、身辺整理かぁ…。
実は僕も、それが今かかえている課題なのだ。

僕自身も、山ほどある写真や、ずっと書いてきた日記類や、
読書ノート、昔々の自転車旅行記やマラソン日記、
それに、妻との海外旅行を写真と文章でまとめた旅行記など…

中には、僕が北海道自転車旅行中に妻に出した手紙などもある。
20歳の時に、今の妻に当てた手紙をざっと読み返すと、
顔から火が出るほど恥ずかしい。

大阪へ帰り、結婚するまでの間も、僕は妻に手紙を書き続けた。
それを妻がファイルに綴じていて、結婚後、僕に見せた。
だから、そういうものもわが家にあるわけだ。


そういう思い出深い物が、人にはいろいろとあるんですよね。
でもそれらは、いつかは整理しなければならない。

Nが「身辺整理をしなければなぁ」というのも、よくわかる話だ。

ただ、僕は何でも書くことが好きなので手紙や日記が多くある。
でも、Nはそれほど日記を書いたりしていた様子はない。

「身辺整理って、どんなものがあるの?」と僕は尋ねた。
「そうやなぁ、写真とか…他にもいろいろとねぇ…」
…とNは何やら考えながら話を続けるのだが、
突然、こんなことを言ったのである。

「あんたからの手紙も、沢山あるねん」

はぁ? 僕がNに送った手紙が沢山あるって…?
またそれを、今の今まで手元に置いていたわけ…?

「ホンマかいな。いつそんな沢山の手紙を送ったんや」と僕。
「何言うてるねん? 大学の時からず~っとや」と彼は続ける。
「旅行先からの手紙やら海外からのハガキやら、
 その外も何やらかんやらと…いっぱいあるで」

僕はそれを受けて、
「あのなぁ、なんでそんなもん、残してるねん。
 さっさと捨てたらええがな。もっと大事なもんのこと考えや」
と、伝えたことは言うまでもない。

「捨てるのもなぁ…」とまだNはブツブツつぶやくように、
「なんか悪いような気がして」と言いながら、
「これ、全部あんたに返そか?」なんて言い出した。

「いらんわ」

もちろん、断った。いらんいらん。そんなもん。
「身辺整理」の話が、とんでもない話に発展した。


…まあ、昨晩は、そんな会話を交わしながらの長電話だった。

Nよ。改めて言います。僕の手紙など、さっさと捨ててください。

と言っても…

パソコン嫌いのNは、このブログの存在も知らないしなぁ。

 

 

 

 

 

コメント (2)
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