あの日。
私の目は、ずっと君を追っていて。
遠くを歩いていく君の背中を、何度見たことだろう。
そのたび。
あの華奢な肩の、
小さな背中が。
どれほど大きく見えていたか、分かってもらえるかな。
初めて君を見た、あの裸の背中とは比べものにならないくらい。
たよりなかった、
不安げだった、
なにかを拒絶していた、
君の背中が。
少しずつ、少しずつ。
大きく見えてきたのは、いつからだったろう。
君を腕に抱きしめて、囲い込んで、
すべてのものから守りたかったのが、
遠い昔のような気さえする。
君に守られている。
そう思えるのは。
私が弱くなったのかな。