<日本共産党草加市議団が消滅した経緯について公表します>
はじめに、この度の問題により、ご支持・ご支援頂いている方々をはじめ多くのみなさまに、多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
佐藤憲和および斉藤雄二議員、石田恵子議員は、2019年12月2日に日本共産党へ離党届を提出し、同5日に「市民共同議員団」を立ち上げました。離党届提出に至った理由は、日本共産党中央委員会(以下、中央委員会)の意向で、藤家諒議員(当時)及び大里陽子議員の不祥事を事実上“隠ぺい”するよう強要されたことにあります。
党は、私たちが提出した離党届を8カ月間も受理せず、2020年8月26日付で私たちを「除籍」処分にしました。除籍理由は「党を破壊する行為」を行ったなどです。共産党のあるべき姿に立ち、不祥事議員を辞職させ、市民への説明責任を果たすことで信頼回復の責任を果たしたいと訴え続けた結果、党を破壊する者として処分されました。
また、草加の多くの党員が、中央委員会などに批判や意見をあげましたが一切無視されています。志位和夫委員長などに訴えや訴願を続けている党員は、日本共産党埼玉県委員会(以下、県委員会)の荻原初男県委員長から訴願関連文書について根拠も示さず「あなたの行為は重大な規律違反だ」などの圧力がかけられています。これでは、上に従わないものは切られる独裁的な組織に他なりません。以下、当問題に対する事実経過です。
<これまでの経緯>
①大里議員のパワハラ行為
2018年市議選挙の予定候補だった大里陽子氏は、党専従職員や党員などに「使えない人はいらない」「あんたたち私を当選させる気あるのか」と怒鳴り散らし、机を叩きつけるパワハラ行為などを繰り返していた。私たちは、大里氏を予定候補から降ろすよう訴えたが、候補者決定の責任者である日本共産党埼玉東部南地区委員会(以下、地区委員会)の上村聡地区委員長(当時)は訴えを無視して押し通した。県委員会も黙認。
議員当選後、大里氏の態度はさらに悪化し、党員や市職員への威圧的な言動などが繰り返し問題となった。地区員会などの党機関に訴えたが無視され続けた。大里氏は他の問題も起こしていたが、党機関は「処分に該当する問題なし」との結論を出してすべて内部処理した。
②藤家氏の不祥事発覚と対応
2019年9月13日に党女性議員から、藤家氏の行為に対する「改善要求」が私にあった。即日、県委員会に出向き、荻原県委員長、柴岡書記長、私とで相談。その後、綾部副委員長と私の2人で、当事者らからの聞き取り調査(9月16日~19日)を3回実施した。
調査により、藤家氏が家庭をもつ身でありながら女性議員への不適切な行為が明らかとなった。私は、早急に藤家氏を辞職させるよう要請。遅くとも冬季一時金(ボーナス)の満額支給が確定する19年12月1日前の辞職を求めた。
また、この問題に対する議論の中心点が、セクハラや強制わいせつなど「どう定義すべきか」に終始していた。私は、藤家氏の行為を確定するのは党内でなく司法の場であり、被害を訴えた女性議員が司法の場で闘うための支援を議論すべきと提案。その行動を通じて真に人権やハラスメントの社会的前進を目指すべきだと訴えた。
同時に、当事者である両議員の関係は、一方が議員になる以前からの長期的で継続性があったことなどから、司法判断とは別に、市民道徳を中心に据える共産党議員として相応しいかどうかについても議論すべきと訴えた。そして、最大の被害者である藤家氏の妻の意向を最大限尊重し、党として支援するよう求めた。
③私たちの提案
様々な問題を起こしている藤家氏と大里氏を辞職させ、市民への説明責任を果たすべきと主張。市民からのご批判やご意見に正面から向き合うことなしに党の信頼回復はあり得ない。その責任を果たさせて欲しいと一貫して訴えた。
④党三役のご意向で「党内処理」に
当初、地区委員会が県委員会に提出した文書「党規約違反に対する地区常任委員会の意見」(9月30日付)では、「(藤家氏に)除籍を求めることで一致」など明記され、荻原県委員長らも賛同していた。
ところが、10月21日に県委員長らが日本共産党中央委員会規律委員会(以下、規律委員会)に意見を伺いに行って以降、県委員長らの態度が一変した。県委員長から言い渡された規律委員会の主な意見は次の通りである。
・藤家問題を「強制わいせつ」と断定。
・「(藤家氏を辞職させれば)党が社会的に説明せざるを得なくなる。そうすれば、二次被害がおよぶ可能性もある」「党内処理でよしと了解すれば、それで決着とすることができる」
・「妻が二人を訴えるということは避けられないのか」
つまり、「二次被害」を隠ぺいの根拠とし、自ら「強制わいせつ」と断定した問題を内部処理で終わらせよとの主張である。人権問題の社会的前進を阻むものに他ならない。また、県委員長は「野党共闘の重要な時期に党へのダメージが大きすぎる」「処分が重すぎると規律委員会に言われた」「これは(志位和夫委員長など)党3役のご意向である」と、規律委員会の意見に従うよう私たちに説得してきた。
⑤中央委員会が異論を排除
11月26日に、中央委員会の田邊進規律委員長や岡嵜郁子規律委員(現自治体局長)、荻原県委員長らと、佐藤、斉藤議員、石田議員との話し合いをおこなった。
規律委員長らからは「あなた方の主張は中央の考えと違う」「人権問題や党規約の理解が不十分」と言われ、「中央の意見に納得できるかどうかだ」「話はいくらでも聞くが、あなた方の主張を受け入れる余地は一つもない」と排除され続けた。大里氏のパワハラ問題なども議論となったが、その後一切の対応がなされていない。
⑥県委員長が擁護し、藤家にボーナス満額
11月末、藤家氏の辞職が合意される局面があった。しかし、藤家氏が「お金が欲しい」と辞職を拒否。荻原県委員長は「可哀想だからボーナスを満額支給してあげられないか」「市議団の積立てがあれば藤家に活用できないか」と私たちに要求してきた。
さらに、県委員長は「中央委員会の意向(事実を一切公表しないこと)」に従うことと「藤家辞職」を取引材料にし、私たちが中央委員会の意向に従えないことを理由に辞職が見送られた。そして、藤家氏にボーナス(原資は税金)が満額支給された。県委員長は「市議団が中央の意向に従わなければ、任期満了まで藤家を辞職させない」と述べた。
⑦もはや不当な機関決定に従えなかった
私たちは、任期満了まで問題を抱えた二人を守らなければいけなくなった。問題を党内で話すだけでも「処分対象」だと威圧されるなか、党に留まることは隠ぺいに従うことを意味し、市民を裏切ることに他ならなかった。また、当時は「議員の資質等調査特別委員会」で小森議員(元維新)の資質を追及している最中でもあった。いくら党の指導であっても到底従うことはできず、党議員であろうとしてもあり続けられない状況に追い込まれた。
私は、社会で不当な扱いや人権侵害に苦しんでいる多くの方々の代弁者としてありたい。その決意で共産党議員として歩んできた。ところが、党から学んだ市民道徳を貫こうとした結果、党から排除される矛盾に直面した。悩みに抜いた末に12月2日に離党届を提出。
⑧隠せなくなり藤家辞職
藤家氏が辞職した12月5日は議会開会日だった。同日の流れは次の通りであり、党が責任を果たしたのではなく、隠せなくなり辞職させただけである。
・朝、藤家氏は議会事務局に電話し「体調不良」を理由に議会を欠席(団長に連絡なし)
・9時前に、私たちが新会派「市民共同」を届出(佐藤団長、斉藤副団長、石田団員)
・大里氏が日本共産党市議団の変更届を提出(大里団長、藤家団員の2人会派)
・昼頃、市議団長らの交渉会中(大里氏は団長として出席)に、藤家氏が登庁し辞職届提出
⑨中央委員会による責任転嫁と時間稼ぎ
党員からの批判などを受けて中央委員会書記局(小池晃書記局長)が19年末から再検証を実施。中央委員会からは「最後まで責任をもって調査する」「信じて待ってほしい」と言われた。声をあげてくれた方々の想いを受けて再び党と向き合い、敵対しない解決を求めた。
ところが、私たちへの聞き取りはわずか1回、連絡もほぼなし。6月3日に聞かされた結果は、①中央委員会は総括も結論も出さない、②党機関の判断に誤りは一切ない、③佐藤らの判断に誤りがあった。ただの責任転嫁と時間稼ぎだった。再検証の責任者である中井作太郎書記局次長に至っては、私たちと会うことすら明確に拒否してきたのである。
そして、中央委員会からの指示により、私たちが「話し合いに応じなかった」という虚偽の理由で除籍処分が通知(8月26日付)された。最後まで民主的な組織運営は皆無だった。
最後に
私たちは「市民道徳と社会的道義をまもり、社会にたいする責任をはたす」という共産党のあるべき姿や人権を問い続けてきました。誰しも過ちを犯す可能性はあります。その際に、素直に過ちを認め厳格な対応を貫くことこそ国民への責任ある立場です。党が自らの過ちに向き合うことを願います。
以上
2020年9月23日
草加市議会議員 佐藤憲和
(元日本共産党草加市議団長)
はじめに、この度の問題により、ご支持・ご支援頂いている方々をはじめ多くのみなさまに、多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
佐藤憲和および斉藤雄二議員、石田恵子議員は、2019年12月2日に日本共産党へ離党届を提出し、同5日に「市民共同議員団」を立ち上げました。離党届提出に至った理由は、日本共産党中央委員会(以下、中央委員会)の意向で、藤家諒議員(当時)及び大里陽子議員の不祥事を事実上“隠ぺい”するよう強要されたことにあります。
党は、私たちが提出した離党届を8カ月間も受理せず、2020年8月26日付で私たちを「除籍」処分にしました。除籍理由は「党を破壊する行為」を行ったなどです。共産党のあるべき姿に立ち、不祥事議員を辞職させ、市民への説明責任を果たすことで信頼回復の責任を果たしたいと訴え続けた結果、党を破壊する者として処分されました。
また、草加の多くの党員が、中央委員会などに批判や意見をあげましたが一切無視されています。志位和夫委員長などに訴えや訴願を続けている党員は、日本共産党埼玉県委員会(以下、県委員会)の荻原初男県委員長から訴願関連文書について根拠も示さず「あなたの行為は重大な規律違反だ」などの圧力がかけられています。これでは、上に従わないものは切られる独裁的な組織に他なりません。以下、当問題に対する事実経過です。
<これまでの経緯>
①大里議員のパワハラ行為
2018年市議選挙の予定候補だった大里陽子氏は、党専従職員や党員などに「使えない人はいらない」「あんたたち私を当選させる気あるのか」と怒鳴り散らし、机を叩きつけるパワハラ行為などを繰り返していた。私たちは、大里氏を予定候補から降ろすよう訴えたが、候補者決定の責任者である日本共産党埼玉東部南地区委員会(以下、地区委員会)の上村聡地区委員長(当時)は訴えを無視して押し通した。県委員会も黙認。
議員当選後、大里氏の態度はさらに悪化し、党員や市職員への威圧的な言動などが繰り返し問題となった。地区員会などの党機関に訴えたが無視され続けた。大里氏は他の問題も起こしていたが、党機関は「処分に該当する問題なし」との結論を出してすべて内部処理した。
②藤家氏の不祥事発覚と対応
2019年9月13日に党女性議員から、藤家氏の行為に対する「改善要求」が私にあった。即日、県委員会に出向き、荻原県委員長、柴岡書記長、私とで相談。その後、綾部副委員長と私の2人で、当事者らからの聞き取り調査(9月16日~19日)を3回実施した。
調査により、藤家氏が家庭をもつ身でありながら女性議員への不適切な行為が明らかとなった。私は、早急に藤家氏を辞職させるよう要請。遅くとも冬季一時金(ボーナス)の満額支給が確定する19年12月1日前の辞職を求めた。
また、この問題に対する議論の中心点が、セクハラや強制わいせつなど「どう定義すべきか」に終始していた。私は、藤家氏の行為を確定するのは党内でなく司法の場であり、被害を訴えた女性議員が司法の場で闘うための支援を議論すべきと提案。その行動を通じて真に人権やハラスメントの社会的前進を目指すべきだと訴えた。
同時に、当事者である両議員の関係は、一方が議員になる以前からの長期的で継続性があったことなどから、司法判断とは別に、市民道徳を中心に据える共産党議員として相応しいかどうかについても議論すべきと訴えた。そして、最大の被害者である藤家氏の妻の意向を最大限尊重し、党として支援するよう求めた。
③私たちの提案
様々な問題を起こしている藤家氏と大里氏を辞職させ、市民への説明責任を果たすべきと主張。市民からのご批判やご意見に正面から向き合うことなしに党の信頼回復はあり得ない。その責任を果たさせて欲しいと一貫して訴えた。
④党三役のご意向で「党内処理」に
当初、地区委員会が県委員会に提出した文書「党規約違反に対する地区常任委員会の意見」(9月30日付)では、「(藤家氏に)除籍を求めることで一致」など明記され、荻原県委員長らも賛同していた。
ところが、10月21日に県委員長らが日本共産党中央委員会規律委員会(以下、規律委員会)に意見を伺いに行って以降、県委員長らの態度が一変した。県委員長から言い渡された規律委員会の主な意見は次の通りである。
・藤家問題を「強制わいせつ」と断定。
・「(藤家氏を辞職させれば)党が社会的に説明せざるを得なくなる。そうすれば、二次被害がおよぶ可能性もある」「党内処理でよしと了解すれば、それで決着とすることができる」
・「妻が二人を訴えるということは避けられないのか」
つまり、「二次被害」を隠ぺいの根拠とし、自ら「強制わいせつ」と断定した問題を内部処理で終わらせよとの主張である。人権問題の社会的前進を阻むものに他ならない。また、県委員長は「野党共闘の重要な時期に党へのダメージが大きすぎる」「処分が重すぎると規律委員会に言われた」「これは(志位和夫委員長など)党3役のご意向である」と、規律委員会の意見に従うよう私たちに説得してきた。
⑤中央委員会が異論を排除
11月26日に、中央委員会の田邊進規律委員長や岡嵜郁子規律委員(現自治体局長)、荻原県委員長らと、佐藤、斉藤議員、石田議員との話し合いをおこなった。
規律委員長らからは「あなた方の主張は中央の考えと違う」「人権問題や党規約の理解が不十分」と言われ、「中央の意見に納得できるかどうかだ」「話はいくらでも聞くが、あなた方の主張を受け入れる余地は一つもない」と排除され続けた。大里氏のパワハラ問題なども議論となったが、その後一切の対応がなされていない。
⑥県委員長が擁護し、藤家にボーナス満額
11月末、藤家氏の辞職が合意される局面があった。しかし、藤家氏が「お金が欲しい」と辞職を拒否。荻原県委員長は「可哀想だからボーナスを満額支給してあげられないか」「市議団の積立てがあれば藤家に活用できないか」と私たちに要求してきた。
さらに、県委員長は「中央委員会の意向(事実を一切公表しないこと)」に従うことと「藤家辞職」を取引材料にし、私たちが中央委員会の意向に従えないことを理由に辞職が見送られた。そして、藤家氏にボーナス(原資は税金)が満額支給された。県委員長は「市議団が中央の意向に従わなければ、任期満了まで藤家を辞職させない」と述べた。
⑦もはや不当な機関決定に従えなかった
私たちは、任期満了まで問題を抱えた二人を守らなければいけなくなった。問題を党内で話すだけでも「処分対象」だと威圧されるなか、党に留まることは隠ぺいに従うことを意味し、市民を裏切ることに他ならなかった。また、当時は「議員の資質等調査特別委員会」で小森議員(元維新)の資質を追及している最中でもあった。いくら党の指導であっても到底従うことはできず、党議員であろうとしてもあり続けられない状況に追い込まれた。
私は、社会で不当な扱いや人権侵害に苦しんでいる多くの方々の代弁者としてありたい。その決意で共産党議員として歩んできた。ところが、党から学んだ市民道徳を貫こうとした結果、党から排除される矛盾に直面した。悩みに抜いた末に12月2日に離党届を提出。
⑧隠せなくなり藤家辞職
藤家氏が辞職した12月5日は議会開会日だった。同日の流れは次の通りであり、党が責任を果たしたのではなく、隠せなくなり辞職させただけである。
・朝、藤家氏は議会事務局に電話し「体調不良」を理由に議会を欠席(団長に連絡なし)
・9時前に、私たちが新会派「市民共同」を届出(佐藤団長、斉藤副団長、石田団員)
・大里氏が日本共産党市議団の変更届を提出(大里団長、藤家団員の2人会派)
・昼頃、市議団長らの交渉会中(大里氏は団長として出席)に、藤家氏が登庁し辞職届提出
⑨中央委員会による責任転嫁と時間稼ぎ
党員からの批判などを受けて中央委員会書記局(小池晃書記局長)が19年末から再検証を実施。中央委員会からは「最後まで責任をもって調査する」「信じて待ってほしい」と言われた。声をあげてくれた方々の想いを受けて再び党と向き合い、敵対しない解決を求めた。
ところが、私たちへの聞き取りはわずか1回、連絡もほぼなし。6月3日に聞かされた結果は、①中央委員会は総括も結論も出さない、②党機関の判断に誤りは一切ない、③佐藤らの判断に誤りがあった。ただの責任転嫁と時間稼ぎだった。再検証の責任者である中井作太郎書記局次長に至っては、私たちと会うことすら明確に拒否してきたのである。
そして、中央委員会からの指示により、私たちが「話し合いに応じなかった」という虚偽の理由で除籍処分が通知(8月26日付)された。最後まで民主的な組織運営は皆無だった。
最後に
私たちは「市民道徳と社会的道義をまもり、社会にたいする責任をはたす」という共産党のあるべき姿や人権を問い続けてきました。誰しも過ちを犯す可能性はあります。その際に、素直に過ちを認め厳格な対応を貫くことこそ国民への責任ある立場です。党が自らの過ちに向き合うことを願います。
以上
2020年9月23日
草加市議会議員 佐藤憲和
(元日本共産党草加市議団長)