草加市教育委員会が「草加市立小中学校通学区域審議会」の推薦依頼をおこなう際に当事者を除外するよう求めている問題について、3月10日の市議会で質問しました。
■子どもの進学先が諮問内容に係るから除外!?
草加市教育委員会では毎年、大学等に通学区域審議会委員の推薦依頼を行っています。この推薦書に「任期中にご家族・ご親戚等が草加市立小中学校に通学されている、通学の予定があるなど、委員の身近な方が通学区域に直接関わっている場合は、審議の中立性の観点より、推薦をご遠慮いただきますようお願いいたします」との除外条件が記載されています。(下記参照)
いつから、なぜ条件を設けたのか?と質問したところ、市教育委員会は、令和2年度から学識経験者の推薦で同条件を付けていると答弁。また、条件を付けた理由は「過去の審議会において、学識経験者として推薦されている委員のお子様の進学先が諮問内容にかかわるケースがあったため、あらかじめこのようなケースが起きないよう条件を付けさせていただいた」と説明しました。…当事者だからダメは何の理由にもなりません
【資料】草加市立小中学校通学区域審議会委員の推薦について(依頼)令和2年6月9日
■他審議会は当事者の除外条件なし
草加市の審議会は全部で53機関(市長部局40、教育委員会11、上下水道部1、市立病院事務部1)あります。そのうち、大学や団体等に審議委員の推薦依頼をしている審議会は、交通安全対策審議会を除く52機関です。それら審議会の推薦条件について質問しました。
市長部局及び教育委員会によると、同じ人が審議委員になれるのは4機関まで、通算在任期間は上限10年までといった条件や、公民館運営審議会で「社会教育を実践した経験」などの推薦条件をつけている審議会はあります。しかし、「(通学区域審議会のような)当事者を除く推薦条件を設けている審議会は他にございません」と答弁しました。
■教育長が改めると答弁
審議会の形骸化などの課題改善に取り組むべき行政サイドが、自分たちの都合の良いように除外条件を設けた深刻な問題です。これが許されれば、市民や学識経験者などからご意見・ご提案をいただき、公正で開かれた市政運営を進めるための機能である審議会の存在意義が問われかねません。その危険性を指摘し、市に改善を求めました。
質問に対して浅井市長は「当事者を除くような条件に関しては、慎重を期すべきと考えている」との認識を示し、山本教育長は「改めて厳しく吟味していかなければならないと捉えている」とした上で「より適正なものとなるよう改めてまいる」と答弁。除外条件を改善させる意向を示しました。