草加市の市営住宅と職員向け住宅の現状をまとめました。
草加市には、市営住宅が12カ所(266戸)あります。そのうち、市が建設・保有する「建設型」が7カ所(186戸)、コンフォール松原など民間集合住宅の一室を借りている「借上型」が5カ所(80戸)です。全体の7割が建設型です。
■建設型市営住宅
建設型市営住宅7カ所は、いずれも建設されてから築47年から築54年が経過しています。
市が平成23年におこなった耐震診断では、原町第2住宅と柳島住宅、篠葉住宅の3住宅が耐震基準に適合していないと診断されましたが、今後の対策が課題となっています。令和5年度で計画期間満了となる「市営住宅長寿命化計画」の改定にあわせて、対策方法の検討がおこなわれています。※神明住宅、原町第1住宅、花栗住宅、柳島住宅は耐震基準に適合
なお、令和4年1月1日時点で、建設型市営住宅の単身世帯は71世帯で平均年齢が73.2歳、平均居住年数は31年です。多人数世帯は80世帯で、平均世帯人数は2.2人、平均居住年数は19年となっています。
建設型のメリット
・ランニングコスト:初期投資がかかる一方、借上型に比べてランニングコストがおさえられる。
・収益性:一定年数を経過すると収支がプラスに転じる。
・永続性:建設後は耐用年数まで使用できる。
建設型のデメリット
・柔軟性ない:耐用年数まで建てかえや用途廃止がおこなえない。間取りの改修なども困難。
・維持管理:市が管理するため法定点検や改修等の維持管理費用が発生する。
■借上型市営住宅
借上型は、コンフォール草加に借り上げている「中央二丁目住宅」が42戸、コンフォール松原に借り上げている「松原第1住宅~第4住宅」が38戸です。
借上型のメリット
・初期費用:市が民間集合住宅の一室を賃貸するため初期費用が抑えられる。
・維持管理:民間集合住宅を借りるため市が管理業務を行わなくて済む。
・柔軟性:戸数調整など住宅需要に柔軟に対応できる。
借上型のデメリット
・入居期限:借上期間による入居の期限がある。
・長期の借上料:空家が出ても、市は借上料を払い続けなければならない。長期的な財政負担が必要。
■職員向け住宅
草加市の職員向け住宅は、西町職員住宅(築49年)と旧北谷教職員住宅(築50年)の2カ所ありますが、現在は職員住宅として使われていません。
職員向け住宅は、かつて人口急増による学校の建設ラッシュや住宅の供給不足などの時代に整備されました。しかし、持ち家率や民間賃貸住宅の増加、交通網の整備などにより入居職員は減少し、新たな活用方法へと移行する段階にあります。
余談ですが…私の母も青森から集団就職で花栗教職員住宅に移り住み、そこで私も兄も生まれました。
西町職員住宅 ➡ 入居者なし。現状、新型コロナにともなう医療従事者等の臨時宿泊施設として2戸を確保し、その他一部を市役所各課の備品置き場で使用。
旧北谷教職員住宅 ➡ すでに用途廃止され解体予定。
なお、以前は花栗教職員住宅がありましたが、現在は解体されて地域グラウンドに整備中です。
※見出し画像は「神明住宅」の写真(草加市役所ホームページより)