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PTA協力金と学校配当予算の一元化【草加市】

2023年11月02日 | 子育て・教育

PTAからの学校協力金(PTA協力金)が無くなった経緯や、草加市内小中学校への配当予算の一元化の流れとその後の運用状況などをまとめました。草加市教育委員会や市議会の公式記録などをもとに作成しましたが、私見や当事者の情報なども含めて記した内容ですのであくまでも参考程度でご確認ください。

 

■弾力的な運用が困難だった学校配当予算

草加市内小中学校へ配当されている配当予算は、2013年度まで草加市教育委員会の各事業に(総務企画課が所管する学校維持管理運営事業など)に組み込まれていました。そのため、予算書などでは総額として表れず、適正な予算配分や全体の実態把握などにおいて課題が生じていました。また、教育委員会と各学校との関係においても、各学校への配当予算が事業ごとに細かく分かれていることで現場での必要な対応への柔軟な予算執行が難しく、事務負担の課題などもあり、対応策が検討されてきました。

 

■特色ある学校経営に一元化

それら検討の結果、2014年度から「特色ある学校経営推進事業」が新たに設けられました。各学校への配当予算を特色ある学校経営推進事業に集約し、予算上のひとつの事業となりました。

特色ある学校経営推進事業の新設で予算が一元化したことにより、各事業に分かれていた配当予算が束ねられたため、学校独自の予算編成や弾力的な予算執行ができるようになる効果をもたらしました。また、学校の教育活動に必要な予算を学校みずからが配分して執行できるような仕組みを作ることで、学校ごとの特色が活かされる学校経営を推進していくことも狙いでした。

なお、特色ある学校経営推進事業が開始されてから現在までに、報償費やクラブ活動等補助金、清掃委託料、機器借上料が事業内の科目として新設されています。

ただし、原資はあくまでも税金です。草加市の他事業予算と比較しても、特色ある学校経営推進事業は予算執行の自由度も現場裁量権も非常に高い制度設計となっており、より厳格なチェック体制や運用方法の改善が重要となっています。

 

■特色ある学校経営推進事業の予算推移

各年度における特色ある学校経営推進事業の予算額および児童生徒数、児童1人当たり予算額の推移です。

児童1人当たり予算額でみると、小学校はおおむね1万4千円台、中学校は1万8千円台で推移しています。なお、特色ある学校経営推進事業の財源は、市財源だけでなくコロナ禍で国から自治体へ交付されている新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金なども活用されています。

※草加市教育委員会への調査結果をもとに佐藤憲和が作成

 


■PTA協力金がなくなった背景

各校でPTAから学校への協力金(PTA協力金)が実施されてきた背景には、各学校への配当予算がそもそも足りでいない実情がありました。

市の教育予算不足を保護者の方々が補っていたという見方もできる状況でした。特色ある学校経営推進事業を新たに設けることにより、これら配当予算の不足状況を改善する狙いもありました。同時に、PTAにおける家庭の負担軽減も狙いのひとつでした。

また、PTA協力金の用途も課題となっていました。PTA協力金は主に、通学の安全安心のための校外活動費や、植栽などの環境美化費、地域との結びつきの深い運動会、入学式や卒業式などに関する経費に使われていました。その一方で、長机やカーテンの購入など本来は教育予算で対応しなければならない支出や、先生が購読している新聞などにも使われ、改善を求める声があがっていました。※平成24年2月定例会 小川利八議員の一般質問議事録を参照

こうしたなか、特色ある学校経営推進事業の新設と時を同じくして、2013年11月から「草加市立小中学校におけるPTA協力費取扱いガイドライン」が施行され、ルールが公正かつ厳格化されました。施行後、PTA協力金は次第に廃止され、2020年度にはすべての学校で廃止、翌2021年度から実施校がゼロとなり現在に至っています。

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