草加市2月議会で、八潮市で発生した道路陥没事故を踏まえ、草加市の下水道の現状と課題について質問(代表質問)しました。
■緊急点検の結果
八潮市の事故を受け、草加市では独自に大口径の管渠(点検対象延長43km)について、職員による緊急点検を実施。その結果、以下の点が確認されました。
- マンホールを開けての目視点検で、土砂の流入、異音、マンホールの損傷はなし
- 下水道管が埋設された道路上で、くぼみや亀裂などの異常もなし
迅速な対応で異常が確認されなかったことは、ひとまず安心できる結果となりました。しかし、目視による点検には限界があることも考慮する必要があります。
■草加市の下水道の老朽化状況
陥没事故の原因は、敷設から42年を経た下水道汚水管の破損と考えられています。草加市における同様の状況は以下の通りです。
- 敷設から40年以上経過した管:約18.1km(全体の2.7%)
- 耐用年数50年を超過した管:約1.9km(全体の0.3%)
現時点での老朽化率は比較的低いものの、今後10年以内に40年以上経過する管が大幅に増加することが予想されます。
■国の方針と市の対応
国の指針では、腐食の恐れが大きい排水施設は5年に1回以上の点検が義務付けられていますが、草加市では1~2年に1回の点検を実施しています。
しかし、国の汚水管に関する方針は、基本的に使い続けることが前提となっており、抜本的な更新には課題が残ります。
■今後の課題と対策
耐用年数を超過する管が今後増加するため、計画的な更新が必要です。しかし、現状の国の方針では汚水管は一度敷設したらそのまま使い続けることが前提となっており、八潮市で起きたような事故がいつどこで起きてもおかしくない状況がさらに広がっていきます。国・県・市が連携し、下水道を使い続ける時代から、更新する時代への取り組みが不可欠です。引き続き、草加市の下水道が安全で持続可能なものとなるよう議論を進めます。