殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

人生の楽園・2

2018年04月21日 17時24分05秒 | みりこんぐらし
土曜日の夕方6時から放映されている『人生の楽園』。

現役をリタイアした夫婦の田舎暮らしを見せる番組だ。


我ら一家はこの番組が大好きで、都合の許す限り視聴する。

一家といっても夫は除外する。

彼は毎週土曜の夕方、バドミントンに出かけるからだ。


長男はテーマソングまで作っている。

♩じ〜んせ〜い‥♩

高らかな歌い出しは、水戸黄門のテーマソング。

その後、小さくつぶやく。

「‥の、らくえん」

これで終わり。

この番組を「じんらく」と縮めて呼ぶ次男も

かなりの親しみを持っている様子だ。


一家で好きと言っても、感じることはそれぞれ異なる。

義母ヨシコは、亭主が生きている頃を思い出して懐かしみ

「あんな田舎へ、よう住まん」

「旦那に死なれて一人になったら、どうするつもりじゃろ?」

などと毎回言っている。


私は、出演する夫婦の家族構成に注目。

番組が進行するにしたがって、次第にあらわになる諸事情から

自分の見立てが当たっているか否かを検証して楽しむのだ。

「あ〜、この息子、塩が効いてなさそうだもんね〜‥

親の手伝いをするしか‥」

自分の亭主と息子もそのクチなのを棚に上げ、ほくそ笑む。


「親が近くで商売を始めたら

娘はよそへパートに行かなくて済むわね〜。

ごはんをよばれて、子守りまでしてもらいながら

“支えてる”な〜んて言ってもらえるし」

「おやおや、娘婿まで取り込まれちゃって。

やっぱ、若いうちはお金持ってる親の方へなびくもんよね〜。

でもそのうち、義理親にハベるのは飽きると思うよ」

こういう良からぬことを考える。


楽園の夢を叶えた夫婦の職種は

飲食、農業、木工、民宿など、いくつかのパターンがあるが

見ていて面白いのは飲食業。

パン屋と蕎麦屋が多いのは短期間で技術が習得可能なことや

利益率が高く、初期投資が安価で仕入れの無駄が少ないことなど

現実的な理由からだろうと思う。

他には、自分たちの作った作物を食材に利用できる農家レストランや

メニューが少ないので体力的に楽なカフェも人気がある。


私はひそかに待っている。

正統な和食や中華、フレンチを

一から修行して開業するカップルを。

修行しているうちに寿命が来るから、無理か。



飲食業を始めた夫婦を見る醍醐味は

テキパキした妻と、役立たずの夫を眺めること‥

きっといつまで経ってもこのままだ。

長年、奥さんに苦労をかけた贖罪か。

向いてないことがわかってないまま、引きずられたのか。


似合わぬエプロンをかけて右往左往する男の姿はいじらしく

また腹立たしい。

私だったら怒って店に出入りさせないと思うが

テレビの奥さんたちは寛容である。

そうでなければ楽園なんて作れないのだろゔ。


店が一段落する頃、ゾロゾロと現れる子供や孫たち‥

これも味わい深い。

きちんと躾けられた子孫を見るのは気持ちのいいものだが

そいつらがいい年をしてヤンキー風味だったら、私の心は躍る。

潤沢な退職金で満を辞して楽園生活に入った夫婦と

破れかぶれでなだれ込んだ夫婦の違いは

子供の姿に現れやすいものだ。


はてさて、今日はどんな楽園が登場するだろう。

私は会合で外出するので見られない。

行ってきま〜す!
コメント (8)
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