
「毎日怖くて怖くて…このままじゃ仕事を続けられません…」
「そういう方向へ行かないように、僕が間に入ったんじゃないの」
たまたま友人と行った居酒屋で
隣の席から、こんな会話が聞こえてきた。
会話の主は、三人組。
一人は30代後半、見たことのある男だ。
町内にある会社のボンボン社長である。
パリッとした、なかなかのイケメン。
もう一人は、作業服姿のさえないおじさん。
こっちもどこかで見たことがある。
その若社長の会社に勤める社員…確か、ずっと独身の人。
三人目は30代前半の女。
この人は初めて見るけど、スラリとした綺麗な人だ。
長い茶髪の傷み具合、キティちゃんの健康サンダル
握りしめたガーゼハンカチなどの諸データにより
元ヤン・バツイチ・子持ちと認定。
男二人が向かい合い、女がその間に座って、深刻な雰囲気だったが
そのうち女がシクシク泣き出したではないか!
私と友人は、途端に無口になる。
全神経を集中させ、隣の会話に聞き入るのみ。
「僕にとっては、どっちも大事な社員なんだよ。
ヤマギシさんは、先代の時からずっと勤めてくれてて、現場に必要な人だし
リカちゃんも、子供さんを抱えて、事務を頑張ってくれているんだからね。
片方が辞めて解決するなんて、僕はそういうこと、したくないんだ」
穏やかな口調で、こんこんと話して聞かせる若社長。
坊ちゃんらしい、清らかな誠意の向こうに
得意げな高揚も見え隠れするのは、私の根性が腐っているからであろうか。
アオいのぅ、若造…私はニヤリとする。
こういう話をするのに、居酒屋を選ぶのは間違いじゃ。
いみじくも社長と呼ばれるからには
顔の利く、人払いの出来る店の一軒や二軒は持っておかんとなぁ。
そ~れ、言わんこっちゃない…
口さがなく物見高い私に、見つかってしまったではないか…ひっひっひ。
「ちゃんと話し合って、気持ち良く仕事ができるようにしよう」
若社長が爽やかに言うと
「そうだよ。じっくり話し合おう」
ヤマギシおじさんも、脳天気に言う。
「いや!ヤマギシさんと話すのはいや!」
リカちゃんは、ワッと泣き伏す。
恋に不慣れな男、ヤマギシ…
彼に魅入られた事務員のリカちゃんが、それを苦に会社を辞めると言い出し
若社長、会社帰りに二人を呼んで事情を聞く…という場面であった。
若社長は優しく問う。
「ヤマギシさんが、リカちゃんに話しかけないようにすれば
このままうちで働ける?」
泣きながら、こくりとうなづくリカちゃん。
「じゃあ、ヤマギシさん、リカちゃんが落ち着くまで
しばらくそっとしておいてあげて」
「はあ…でも、伝票渡したりとか、どうしても話すことがあって…」
「伝票だけじゃないですっ!
いやらしい目で見るし、肩とか、さわる!うっうっ…」
リカちゃんは、ハンカチで鼻と口を押さえたまま
嗚咽とともに、絞り出すように言う。
我々も、つい鼻と口を押さえてしまう。
「帰りも待ち伏せする!」
しゃくりあげながら、厳しく糾弾するリカちゃん。
「俺はただ…旅行のミヤゲを渡そうとして…駐車場で1回だけ…」
「女性はね、そんなことされたら怖いんだよ」
うなだれるヤマギシ。
我々も、なぜか下を向く。
「じゃあ、それもやめようね。
わかった?ヤマギシさん。
二人とも、社員同士として、また仲良くやってよ」
「そうだよ。仲良くやっていこうよ」
どこまでも前向きなヤマギシ。
言いながら、ヤマギシはリカちゃんの肩をポンとたたく。
「イヤ~ッ!」
リカちゃんは号泣しながら、若社長に抱きつく。
グラスや皿、テーブルの角という各種障害をものともせず
これほどまでに素早く確実に、横跳び移動の荒ワザをやってのけるとはっ!
この種目でオリンピックがあったら、金メダル間違い無し。
若社長の当惑をよそに「怖い!怖い!」としがみつくリカちゃん。
「ヤマギシさん、言ってるそばからそういうことしちゃだめだよ。
ちょっと、そっとしておいてあげようよ」
「はぁ…」
すでに若社長の胸に顔をうずめているリカちゃん。
こころなしか、泣き声が恍惚としているように聞こえるのは
やはり私の根性が腐っているからであろうか。
いつの間にか、背中に手ぇ回しとるし。
「リカちゃん、もう大丈夫だからね」
若社長は、離れようとする。
しかし“怯えた”リカちゃんは、ますますしっかと抱きつく。
「そりゃ、おじんより、こっちのほうがええわいな…」
「社長は妻子がいて、ヒラのおじんは独身…
うまくいかないもんだねぇ…」
我々はささやき合う。
やがてヤマギシが先に店を出
若社長とリカちゃんは、少し遅れて席を立つ。
“恐怖のあまり”抱きついて離れないリカちゃんから分離するのに
時間を要したからだ。
リカちゃんは、長身の若社長を見上げて、甘くつぶやく。
「社長、私を守ってくれます?」
「大丈夫だよ、ヤマギシさんも約束してくれたんだから」
「だって~、怖い~」
あれから二ヶ月…違う会社のトラックに乗ったヤマギシ氏を見かけた。
やはり、居づらくなったのであろうか。
ほどなく、若社長に愛人が出来て、家がもめているという話を聞いた。
相手は、ただ一人いる事務員だという。
居酒屋では、二人の上司として立派に振る舞っていた若社長だが
とうとうリカちゃんに押し倒されたらしい。
あの夜、我々が目撃したのは
社長が社員二人を諭す光景ではなく、リカちゃんの計算だったようである。
ヤマギシが、なんとなく気の毒に思えた。
「そういう方向へ行かないように、僕が間に入ったんじゃないの」
たまたま友人と行った居酒屋で
隣の席から、こんな会話が聞こえてきた。
会話の主は、三人組。
一人は30代後半、見たことのある男だ。
町内にある会社のボンボン社長である。
パリッとした、なかなかのイケメン。
もう一人は、作業服姿のさえないおじさん。
こっちもどこかで見たことがある。
その若社長の会社に勤める社員…確か、ずっと独身の人。
三人目は30代前半の女。
この人は初めて見るけど、スラリとした綺麗な人だ。
長い茶髪の傷み具合、キティちゃんの健康サンダル
握りしめたガーゼハンカチなどの諸データにより
元ヤン・バツイチ・子持ちと認定。
男二人が向かい合い、女がその間に座って、深刻な雰囲気だったが
そのうち女がシクシク泣き出したではないか!
私と友人は、途端に無口になる。
全神経を集中させ、隣の会話に聞き入るのみ。
「僕にとっては、どっちも大事な社員なんだよ。
ヤマギシさんは、先代の時からずっと勤めてくれてて、現場に必要な人だし
リカちゃんも、子供さんを抱えて、事務を頑張ってくれているんだからね。
片方が辞めて解決するなんて、僕はそういうこと、したくないんだ」
穏やかな口調で、こんこんと話して聞かせる若社長。
坊ちゃんらしい、清らかな誠意の向こうに
得意げな高揚も見え隠れするのは、私の根性が腐っているからであろうか。
アオいのぅ、若造…私はニヤリとする。
こういう話をするのに、居酒屋を選ぶのは間違いじゃ。
いみじくも社長と呼ばれるからには
顔の利く、人払いの出来る店の一軒や二軒は持っておかんとなぁ。
そ~れ、言わんこっちゃない…
口さがなく物見高い私に、見つかってしまったではないか…ひっひっひ。
「ちゃんと話し合って、気持ち良く仕事ができるようにしよう」
若社長が爽やかに言うと
「そうだよ。じっくり話し合おう」
ヤマギシおじさんも、脳天気に言う。
「いや!ヤマギシさんと話すのはいや!」
リカちゃんは、ワッと泣き伏す。
恋に不慣れな男、ヤマギシ…
彼に魅入られた事務員のリカちゃんが、それを苦に会社を辞めると言い出し
若社長、会社帰りに二人を呼んで事情を聞く…という場面であった。
若社長は優しく問う。
「ヤマギシさんが、リカちゃんに話しかけないようにすれば
このままうちで働ける?」
泣きながら、こくりとうなづくリカちゃん。
「じゃあ、ヤマギシさん、リカちゃんが落ち着くまで
しばらくそっとしておいてあげて」
「はあ…でも、伝票渡したりとか、どうしても話すことがあって…」
「伝票だけじゃないですっ!
いやらしい目で見るし、肩とか、さわる!うっうっ…」
リカちゃんは、ハンカチで鼻と口を押さえたまま
嗚咽とともに、絞り出すように言う。
我々も、つい鼻と口を押さえてしまう。
「帰りも待ち伏せする!」
しゃくりあげながら、厳しく糾弾するリカちゃん。
「俺はただ…旅行のミヤゲを渡そうとして…駐車場で1回だけ…」
「女性はね、そんなことされたら怖いんだよ」
うなだれるヤマギシ。
我々も、なぜか下を向く。
「じゃあ、それもやめようね。
わかった?ヤマギシさん。
二人とも、社員同士として、また仲良くやってよ」
「そうだよ。仲良くやっていこうよ」
どこまでも前向きなヤマギシ。
言いながら、ヤマギシはリカちゃんの肩をポンとたたく。
「イヤ~ッ!」
リカちゃんは号泣しながら、若社長に抱きつく。
グラスや皿、テーブルの角という各種障害をものともせず
これほどまでに素早く確実に、横跳び移動の荒ワザをやってのけるとはっ!
この種目でオリンピックがあったら、金メダル間違い無し。
若社長の当惑をよそに「怖い!怖い!」としがみつくリカちゃん。
「ヤマギシさん、言ってるそばからそういうことしちゃだめだよ。
ちょっと、そっとしておいてあげようよ」
「はぁ…」
すでに若社長の胸に顔をうずめているリカちゃん。
こころなしか、泣き声が恍惚としているように聞こえるのは
やはり私の根性が腐っているからであろうか。
いつの間にか、背中に手ぇ回しとるし。
「リカちゃん、もう大丈夫だからね」
若社長は、離れようとする。
しかし“怯えた”リカちゃんは、ますますしっかと抱きつく。
「そりゃ、おじんより、こっちのほうがええわいな…」
「社長は妻子がいて、ヒラのおじんは独身…
うまくいかないもんだねぇ…」
我々はささやき合う。
やがてヤマギシが先に店を出
若社長とリカちゃんは、少し遅れて席を立つ。
“恐怖のあまり”抱きついて離れないリカちゃんから分離するのに
時間を要したからだ。
リカちゃんは、長身の若社長を見上げて、甘くつぶやく。
「社長、私を守ってくれます?」
「大丈夫だよ、ヤマギシさんも約束してくれたんだから」
「だって~、怖い~」
あれから二ヶ月…違う会社のトラックに乗ったヤマギシ氏を見かけた。
やはり、居づらくなったのであろうか。
ほどなく、若社長に愛人が出来て、家がもめているという話を聞いた。
相手は、ただ一人いる事務員だという。
居酒屋では、二人の上司として立派に振る舞っていた若社長だが
とうとうリカちゃんに押し倒されたらしい。
あの夜、我々が目撃したのは
社長が社員二人を諭す光景ではなく、リカちゃんの計算だったようである。
ヤマギシが、なんとなく気の毒に思えた。
ふだんは清楚で品があるのにこうゆうネタでは豹変しますね~(笑)
焼き鳥片手に耳がダンボになっとります(爆)
と言ったところなんでしょうか…若社長。
ヤマギシさんも可哀相ですが、命拾いをしたと思います。
そして すべて計算のリカちゃんの行動…。
あーコワイ(x_x)
魅入られてしまったんですねー。
まさか 社長夫人の座を狙っていたりしたのでしょうか…?
女ハンターは コワイっ!!(+_+)
これって初めから女の子の作戦っぽいよね
って思うのはわたしだけ~~
この若社長の初心さをわかってて
このヤマギシさんはりかちゃんに利用されたっぽい・・・・
ヤマギシさんが可愛そうに見えてくるよ
えええ~、でも~、もしかしてこの社長さん
最初からこのリカちゃんが欲しかったんかな~??
あら~
そうかも~世の中そんな風にしか見れない私はダメね~って思っちゃうわよ~
描いただけなんだけどぉ~?(笑)
不倫は、双方の打算から始まりますからね。
「飲みにつれて行って」なんだか懐かしい!
昔はこれが常套句でしたよね。
今は不景気で、そんなこと言ったらぶっ飛ばされそうな
世の中になってしまいましたね。
いや~、私もそう思いました。
そんな風に感じる私って、すれちゃってひねくれ者~か!?って、(笑)
おかよさんも、そう思ってらしたなんて…安心しました~
いや~!
これ見た時に、すぐここに書かなくて良かったですよ~!
期待どおりの仕事してくれました。
見た時も大喜びでしたが、今はもっと大喜びですわ~(笑)
今思えば、しなだれかかるタイミングを計っていたと思います。
髪の毛にも輪ゴムの跡がしっかりあったしね。
はい~、ついさっきまで後ろでくくってて
この場に臨んでからバラシたんですね~。
え~?そりゃもちろん、長い髪の魅力的なリカちゃんを
演出するためですわよ~。
仕事が終わったらバラすのが習慣の人もいるって?
いそうで、案外いませんよ。
怖いですね~(笑)
まあねぇ…リカちゃんもあきらかに狙ってましたけど
社長サンも、どうでもよければそんな場に首を突っ込みませんね。
これがオバサンや不細工な女の子だったら…
仲裁に入ったりせずに、見て見ないふりをしたと思いますよ。
よって、おかよさんもモモさんもひねくれてはおらず
正解ということで(笑)
それとも 色欲が抑えきれないだけなのか・・・?
女を見せられると、 危険だとわかっていても はまってしまうんでしょうかね~っ
絵の中の 女性の瞳が・・・ 私には かなり 怖いんですけどぉ~
今回は お身内の方は 絡んでないんですねっ
何だか ちょっぴり 物足りなくて、 残念な気分ですぅ~
(・・・失礼しました!(笑))