利益の最大化を唯一の目標にすることは間違いである。
「 マネジメントとは、多様なニーズと目標をバランスさせることである。利益だけを強調することは、企業の存続を危うくするところまでマネジメントを誤り導く。
その結果、今日の利益のために明日を犠牲にする。売りやすい製品に力を入れ、明日のための製品をないがしろにする。研究開発、販売促進、設備投資をめまぐるしく変える。そして何よりも、資本収益率の足を引っ張る投資を避ける。そのため設備は危険なほどに陳腐化する。換言するならば、最も拙劣なマネジメントを行なうよう仕向けられる。
目標は、事業の存続と繁栄に直接かつ重大な影響を与えるすべての領域において必要である。目標を設定すべき領域は八つある。
マーケティング、イノベーション、生産性、物的資金的資源、マネジメント能力、人的資源、社会的責任、利益である。これらのうち鍵となる領域は企業によって異なり、成長段階によって異なる。しかし、事業、景況、規模、成長段階の如何にかかわらず、目標を設定すべき八つの領域そのものは変わらない。」
ドラッカー『現代の経営』
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なにやら読売新聞は「技術で勝って、ビジネスで負ける事態は望ましくない。」などと見識をご披露なさっているが、世界は技術の優位性はなくても楽勝なコスト構造の競争相手とどう市場を奪い合うかという段階にはいってる。いつのまにかドイツと中国が世界の輸出を分け合い、激しく競争している。日本はもうドイツの半分しか輸出していない。ドイツの中国に対する戦いを研究するべきだろう。Qcellsは散々だった。中国市場で通用する中低級品は他の開発途上の国でもリーズナブルな値段だ。高品質を求めてないから、クレームにもならずボリュームゾーンが大きい。
新規事業はどっちを向いても多難である。急成長したかと思えばニーズはあっという間に消える。
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ドイツの製薬メーカーBoehringer Ingelheim社は、国際的なベンチャーキャピタルファンド「Boehringer Ingelheim Venture Fund」(BIVF)の運用を開始した。同社は2010年3月30日に、同ファンドの設立を発表している。同社は満たされない医療ニーズに対して新たな医療を創成し、患者に貢献することを使命としている。そのための施策として「自社研究」、短期中期的な経営のための「導入戦略」に加えてのファンド設立だ。
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こうした動きを見て日本が学ぶべきことは、次のキャッシュカウとしてなにを育てるか、庭師のように長期短期を見据えているということだ。そして自社開発の比重が3分の1に抑えられていること、ファンドには次世代技術、ファーストインクラスのリード化合物、診断技術を担わせている点で、古典的な製薬会社の経営、すなわちパイプラインの数を増やして成長性を確保するといった目に見える施策とは一線を画している。
ドイツは中国やインドの製薬会社と提携しながら市場形成をファンド投資によって戦うという手法を選んだ。
学ぶべきことは、まず真似てみることだ。
次に真似できない理由をリストアップして徹底的にその原因を潰してみることだ。
そうすると日本の企業の病理が浮かびあがてくる。たとえば1つにはファンドの損失処理(引当)の業績に与える影響が切り離せない。2つには自社開発の優先順位を下げることに抵抗がある。3つには医学界とのつながり。
だったら上場廃止し、研究所を放出し、カーブアウトさせて新たなネットワークに投資したらいいい。といったアイディアがどんどん出てくる。
真似てみるところまでなり下がった己の姿を先ず鏡でよくみることだ。
いまはそこまで落ちぶれてないと思うのならば、想像力を働かせてみることだ。
想像できない者達ばかりだったら、見きるしかない。そこまでお世話はできない。
「 マネジメントとは、多様なニーズと目標をバランスさせることである。利益だけを強調することは、企業の存続を危うくするところまでマネジメントを誤り導く。
その結果、今日の利益のために明日を犠牲にする。売りやすい製品に力を入れ、明日のための製品をないがしろにする。研究開発、販売促進、設備投資をめまぐるしく変える。そして何よりも、資本収益率の足を引っ張る投資を避ける。そのため設備は危険なほどに陳腐化する。換言するならば、最も拙劣なマネジメントを行なうよう仕向けられる。
目標は、事業の存続と繁栄に直接かつ重大な影響を与えるすべての領域において必要である。目標を設定すべき領域は八つある。
マーケティング、イノベーション、生産性、物的資金的資源、マネジメント能力、人的資源、社会的責任、利益である。これらのうち鍵となる領域は企業によって異なり、成長段階によって異なる。しかし、事業、景況、規模、成長段階の如何にかかわらず、目標を設定すべき八つの領域そのものは変わらない。」
ドラッカー『現代の経営』
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なにやら読売新聞は「技術で勝って、ビジネスで負ける事態は望ましくない。」などと見識をご披露なさっているが、世界は技術の優位性はなくても楽勝なコスト構造の競争相手とどう市場を奪い合うかという段階にはいってる。いつのまにかドイツと中国が世界の輸出を分け合い、激しく競争している。日本はもうドイツの半分しか輸出していない。ドイツの中国に対する戦いを研究するべきだろう。Qcellsは散々だった。中国市場で通用する中低級品は他の開発途上の国でもリーズナブルな値段だ。高品質を求めてないから、クレームにもならずボリュームゾーンが大きい。
新規事業はどっちを向いても多難である。急成長したかと思えばニーズはあっという間に消える。
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ドイツの製薬メーカーBoehringer Ingelheim社は、国際的なベンチャーキャピタルファンド「Boehringer Ingelheim Venture Fund」(BIVF)の運用を開始した。同社は2010年3月30日に、同ファンドの設立を発表している。同社は満たされない医療ニーズに対して新たな医療を創成し、患者に貢献することを使命としている。そのための施策として「自社研究」、短期中期的な経営のための「導入戦略」に加えてのファンド設立だ。
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こうした動きを見て日本が学ぶべきことは、次のキャッシュカウとしてなにを育てるか、庭師のように長期短期を見据えているということだ。そして自社開発の比重が3分の1に抑えられていること、ファンドには次世代技術、ファーストインクラスのリード化合物、診断技術を担わせている点で、古典的な製薬会社の経営、すなわちパイプラインの数を増やして成長性を確保するといった目に見える施策とは一線を画している。
ドイツは中国やインドの製薬会社と提携しながら市場形成をファンド投資によって戦うという手法を選んだ。
学ぶべきことは、まず真似てみることだ。
次に真似できない理由をリストアップして徹底的にその原因を潰してみることだ。
そうすると日本の企業の病理が浮かびあがてくる。たとえば1つにはファンドの損失処理(引当)の業績に与える影響が切り離せない。2つには自社開発の優先順位を下げることに抵抗がある。3つには医学界とのつながり。
だったら上場廃止し、研究所を放出し、カーブアウトさせて新たなネットワークに投資したらいいい。といったアイディアがどんどん出てくる。
真似てみるところまでなり下がった己の姿を先ず鏡でよくみることだ。
いまはそこまで落ちぶれてないと思うのならば、想像力を働かせてみることだ。
想像できない者達ばかりだったら、見きるしかない。そこまでお世話はできない。