石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は21日、日本の排他的経済水域(EEZ)でコバルトやニッケルを含む鉱物の採掘に成功したと発表した。
リチウムイオン電池に不可欠なレアメタル(希少金属)で、中国依存度が高く、国産化が課題となってきた。
採掘場所は、南鳥島南方沖の海底約900メートル。7月に経済産業省の委託事業として、レアメタルを含む鉱物「コバルトリッチクラスト」を約650キロ・グラム掘削した。JOGMECの調査では、同海域には、年間の国内消費量でコバルトは約88年分、ニッケルは約12年分あるという。
コバルトやニッケルは、電気自動車などに使うリチウムイオン電池に不可欠な材料だ。希少性が高く、日本は国内消費量のほぼ全てを輸入に頼っている。超高速の通信規格「5G」時代を迎えて、通信機器への活用も急増し、世界的に取引価格が上昇している。
国産化は国内産業の競争力強化にもつながる。経産省は「掘削成功は、レアメタルの国産化に向けた大きな一歩」とし、量産に向けて掘削技術の検証などを進める方針だ。
学者の資源の定義によると、既存の方法で採掘できない資源は資源ではないという詭弁があるらしい。
このような文脈の他に持続可能性から見たコバルトリッチクラストは資源ではない。
米国の環境経済学者であるハーマン・デイリーが1970年代に提唱した持続可能な発展にかかる3つの原則。すなわち、(1)再生可能な資源の消費速度は、その再生速度を上回ってはならない。(2)再生不可能資源の消費速度は、それに代わりうる持続可能な再生可能資源が開発されるペースを上回ってはならない、(3)汚染の排出量は、環境の吸収量を上回ってはならない