紹介する温泉は、金沢市(森本の奥)にある「深谷温泉・元湯石屋」です。
「深谷温泉」は、今から1200年前に発見され、江戸時代に加賀藩、前田守家によって発展を遂げ、今日に至ります。・・・まさに「百万石の奥座敷」ともいえる温泉です。
近代的な施設ではないのですが、歴史的な風情が建物からも感じ取れます。・・・
玄関から浴室まで、長い回廊を通って向かいますが、庭園や、きしむ床の音・・・不用意な階段や曲がり角・・・天井の高さに道幅・・・ まるで「お城の中」を歩いている気分です。・・・
これが、「深谷温泉・元湯石屋」の湯船です。(写真は露天風呂です)
回廊からの雰囲気とは反対に浴室は近代的で、綺麗に整備されています。・・・個人的に浴室内も歴史を感じる昔風の造りなら良かったのですが・・・
・・・もう、お気づきですか・・・?
そうです、お湯の色が黒色ですね・・・ ここ「深谷温泉」の一番の特徴は、この「黒色のお湯」にあります。・・・
このお湯の泉質は、モール泉と呼ばれています。・・・
モール泉とは、地下の地層内にある、太古の植物が堆積して長い年月をかけてかけできた腐植質が、温泉(地下水)に溶け込んだものです。
泉質は含重曹硫黄泉、源泉の温度は21,5度、湧出量は毎分45ℓです。色は強褐色で、ほのかに硫黄の香りがします。 この、モール泉も「にごり湯」の一種ですが、他とは違い、湧き出た時から色がついてます。(白色や茶色の湯の多くは、湯口では無色透明で空気に触れると、温泉の成分が粒子となって混濁します。(第4回の神代温泉参照)
温泉というよりも「コーヒー」に浸かっているように見えますね・・・
お湯はアルカリ性(ph8,4)という事もあり、「とろり」としてツルツル、それほど熱くないのですが、体がよく温まります。・・・写真からも「トロっ」ってした感じが伝わりませんか・・・? このお湯も「美肌の湯」として期待できますね・・・案内には、女性の方に洗顔後の「化粧水」としてお試し下さい、と紹介されてました。・・・その他に、糖尿病にも効果があるらしく、飲泉すると血糖値が改善されるようです。
案内をよく見ると効能の中に「痔」に効果絶大と書かれてますね・・・ そして、その後に、女性に「化粧水」としてお試し下さい・・・ う~ん・・・ 使う方にしてみたら「痔」と「化粧水」だとイメージが異なり、抵抗がありますね・・・
金沢市内からもそう遠くありませんので、珍しいモール泉と風情あふれる館内を一度体験してみてはいかがですか・・・? とても気持ちがよく、肌がスベスベしますよ・・・
まるで、太古の恵Kiss(エキス)風呂や~ (キモト)・・・
特徴ある「温泉」を利用して【温泉アート】です。・・・
黒い温泉(源泉)に柵が映り込んでいる所を撮影しました。・・・ 「砂漠」の砂紋ような幻想的な感じですね。
こちらも水面とは思えないほど不思議な写真です。・・・ 横に広がっているはずが、下に向かっている様に見えます。
温泉に限らず、ちょっと見方を変えるだけで色んな発見がありますね。・・・