渇望すること

ここで、生徒の皆さんに向かって語ろうと始めてから、
「夢を忘れるな。思い出せ」と話し続けて、ちょっと
性格が悪くなってたかもしれません。

ひとつは「夢」を持たない人を少し、見下していたかもしれない。

具体的に「夢はこれだ」と語れなくとも、
チャーミングな人は居るし、人は全て精一杯生きている。

さて。
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また「夢」と言えなくとも、
いつも「渇望」している人も居る。


本当の音楽家だなあと思う人は、こと音楽をするのに
「もっと楽しくなりたい。もっと、あの恍惚感を人に伝えたい。もっと、深みのある表現をしたい」
そういう風に、常に「渇望」している。

それは、ライオンが「今日も人を食べちゃった」と反省しないように、
あるものに対して『獰猛』にただ本能のままに『渇望』している。

こういう人は、時に身勝手で、しかし誰より真剣に愛する事を語り、
なかなか人に教えることは苦手で、しかしどんな先生よりたくさん持っている。
何より、熱狂的なファンが居る。

「音楽する野獣」が、どうにも自分でコントロール出来ないほどで、しんどいぐらいなら、
あなたには見込みがある、と思う。

野獣には、「夢」はないけど、誰よりも「野獣」そのものだから。