深度計予備回路

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ヘビーマシンガンのお話

2008-12-20 13:51:05 | ボトムズ(模型とか嘘設定とか)
とうとうというか、やっというか、YAMATO製 1/60YF21通販しました。
ギリギリ19000ギルダン辺りまで、値引きしてたし、箱が大きいので、買いに行くのも面倒だしってとこで一つ。

とにかく評判の良いTOYなので、到着が楽しみです。
ひとしきり遊んでから、リペイントしてみる「予定」です。

なんか、昨日は21時から寝てたので、引き続きボトムズ読み物。

「確信犯に語られてない」ヘビーマシンガンのお話とか如何でしょーか
AT火器には、下手に突付くと大蛇が出てきてどうしようもない部類の物も多くて、ヤバイのですが、
蛇が出ない範囲で、考えてみましょう!!!

「あ!ブルーティシュドッグのガトリングガンとかは、”確実に大蛇が出る”危険な藪なので、近づかない事!」 

手堅いとこで、GAT22シリーズを・・・・


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GAT22
口径30mm 装弾数120発 全長:3217mm、重量:1010kg、
炸薬:ロアテップCEP22/11、炸薬総量:8.6リットル レーザー自動測距器、単発式グレネードランチャーを装備する。

ケースレス化する事で、カートリッジ式の通常弾薬を使うヘビーマシンガンとは、比べ物にならない装弾数と、
回転制御を実現した22式によって、AT携行用火器の開発は、一先ずの完成に至ったといえる。

ケースレス化のメリットは、言うまでもなく、弾薬重量の軽減、装弾数の増加、弾薬のコストダウンにあるが、
「その全てを満たして、ケースレス化する方法」は、極めて困難である。

人間が使うライフル用のケースレス方式は、いくつか考案されており、
初期に考案された方式の一つを例にとれば、弾頭部を成型炸薬で覆ったブロック状の弾薬を薬室に装填-密閉し、
その炸薬を全て燃焼することによって成立するといった物がある。

金属製ケースを持たないことで、弾薬の重量は軽く容積を抑えた物となり、高効率を得る物と考えられたが、実際には、多くの問題を抱えることとなる。
それは、薬室の密閉の問題であり、炸薬の燃え残りによる作動不良の問題であり、自由度の無いマガジンであり
脆くデリケートで、耐候性に問題のある弾薬自体であった。
戦場で要求される第一は、低故障である事は当然に、確実な作動であり、手荒く扱っても問題の無いタフさであり、整備のしやすさである。
その全てにおいて、「結果的には」通常弾薬に劣ることとなった、ケースレス弾の開発は、早い段階で、廃れてゆくこととなった。

その後、ライフルを握る対象が、「3mを越す巨人」となったことで、再びケースレスライフルの開発は日の目を見ることとなる。

通常弾を使用するAT用ライフルは、基本的に人間が使う火器の、単純なスケールアップで「大型化 大口径化したときに発生する諸問題」を暫時解決したものであり、
人用火器の課題を、そのまま繰り越すこととなっていた。

大口径化することで、弾薬のサイズと重量は大きくなり、射撃後排出される「ケース(薬莢)」のコストは一気に膨れ上がる。
それが、もはや莫大な配備数に膨れ上がりつつあるAT群が使用する通常火器ともなれば、看過できないレベルとなるのは時間問題といえた。

元々ロボットであるATは、マガジンチェンジといった、精度の要る作業は、苦手な部類である。
更に戦場で制御精度が落ちた状態では、平時に可能であったマガジン交換が、不可能となるケースすらある。
加えていうならば、たとえ片手を失っても、戦闘続行が可能なAT故、マガジンチェンジを可能な限り不要とする多弾数の火器を使用するメリットは非常に大きい。

ただし、先述のケースレス方式は、AT用として「さらに大きな課題を残す」ものとして、全く違う方式を模索することとなる。

新しく考案された機構は、電源に困らないATの特徴を利用し、弾頭装填後、液体火薬をインジェクターで薬室内に充填、電気着火で発射するといった物で、
気化状態で発火する液体火薬は、燃費効率に優れ、燃え残りが少ないといった特徴を持つため、この方式は一気に現実性を帯びる事となった。

電気着火の利点として、発射速度の制御もあげられる。
単発、連発はもちろん、3点射に加え、非常時には、超高回転での速射も可能である。
当然、単銃身である以上冷却の問題があり、極一時的にしか使用出来ないが、
射撃対象が不特定の装甲車両である以上、この機能は非常に有効と考えられている。
更に、銃床、銃身のアセンブリーが、組み換えが容易な22式は、連続射撃で熱疲労を起こした際の銃身交換も容易で、
機関部さえ許せば、連続射撃続けることも不可能ではない。

アセンブリー機構に優れた22式は、標準銃身、標準銃床に留まらず、
銃床を取り外し、短銃身と合わせて、取り回しに優れた接近戦嗜好のC型
AT本体とのロック機構を持つ特殊銃床に、バイポッドと長銃身を組み合わせ、大型のレーザー側距機を装備して狙撃任務に使用するL型等、派生モデルも多く作られた。
<L型は、グレネードランチャーを廃し、小型のマガジンを組み合わせる事が多い

いずれにしても、専用ボックスマガジンは、その8割までを弾頭で満たし、残り2割に液体火薬を充填するといった、効率の良いパッケージで、
実に120発もの、装弾数を実現する事ができた。

単純な発射機構で、機関部の信頼性も高く、抜群の装弾数を誇る22式ヘビーマシンガンは、
09M配備直前に制式化、その標準装備として、膨大な数が配備され、素晴らしい戦果をあげた。

語られる事は少ないが、ATM09成功の影に、この高性能マシンガンが在るということも、忘れてはならない事実である。