沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

沖縄県におけるごみ処理施設の長寿命化の時期を考える

2015-11-13 13:56:45 | ごみ処理計画

国内で沖縄県だけはごみ処理施設の経過年数が7年を超えると、国の補助金を利用して設備の機能を当初の機能にまで回復できる「基幹的設備改造事業」を行うことができます。

「基幹的設備改造事業」とは、簡単に言えば、ほぼ新しい設備に取り替えることができる事業です。

そこで、県内で平成10年度以降にごみ処理施設の供用を開始した市町村において、長寿命化が行われた時期を整理してみました。

なお、休止により実際の経過年数が10年に満たない施設(座間味村・渡名喜村・伊是名村)は除外しています。

また、倉浜衛生施設組合(沖縄市・宜野湾市・北谷町)については平成22年度から供用を開始している新しい施設なので除外しています。

原寸大で見る(画像をクリック)

内地では供用開始から13年目が長寿命化を行う一般的な時期とされていますが、沖縄県はそれよりも1年以上早い(11.7年目)という結果になりました。

なお、平成18年度に供用を開始した那覇市南風原町環境施設組合は、現在、来年度の事業着手に向けて実施計画を策定しています。

ちなみに、平成15年度に供用を開始した中城村北中城村清掃事務組合は今年で13年目を迎えていますが、具体的な長寿命化計画はまだ策定していないようです。そして、ごみ処理施設の長寿命化を行わずに広域化計画を検討しているようです。

同組合は個性的で謎の多い自治体ですが、ダイオキシン類の発生量が増加する可能性があるので焼却炉の長寿命化については早急に着手すべきだと考えます。

※中城村北中城村清掃事務組合は、本島では突出して住民一人当りのごみ処理費が高い自治体ですが、万が一、広域化計画に失敗すると自主財源により焼却炉の長寿命化や更新を行うことになります。また、広域化の時期が遅れると焼却炉の老朽化が進行するので、メンテナンスに多額の費用が必要になり、住民の負担が更に増加することになります。

改めてごみ処理施設の長寿命化の時期を考える

内地の市町村が考えているごみ処理施設の長寿命化の時期


宮古島市の市議会調査特別委員会の動き(続報)その6

2015-11-13 10:14:35 | 備忘録

宮古毎日新聞に今日行われる第6回調査特別委員会に関する記事が掲載されていたので、備忘録に残しておきます。

記事を読むと、地元のメディアが議会に対してプレッシャーをかけているように見えますが、今日の委員会の結果によっては議会(与党議員)の良識が問われることになりそうです。

百条委設置が焦点に/不法投棄ごみ残存問題
きょう第6回特別委

宮古毎日新聞 2015.11.13

不法投棄ごみ残存問題の「調査特別委員会」(佐久本洋介委員長)の第6回委員会がきょう13日に行われる。これまで出口の見えない議論が続く中、「百条委員会に切り替えるべき」との声も強くなっており、今後の議論は百条委設置をめぐる与野党の思惑が交錯した展開となりそうだ。与党圧倒的多数の同委員会だが、与党内部にも百条委を求める意見もあり、どのような判断が示されるのか注目される。  

同問題の真相解明を目的として発足した特別委員会だが、当局の二転三転する説明や資料として提供された書類に次々と疑問が出され、事実関係の確認にほとんどの時間を要し、真相究明にはほど遠い出口の見えない議論が展開されている。

そうした状況の中で、一括交付金による撤去事業を実施した業者が、参考人招致を受ける条件として現在の特別委ではなく、百条委が設置を求めたことから、委員会内でも百条委への切り替えを求める意見が強まっている。 

現在の調査特別委員会と百条委員会との違いは、調査対象者となっている関係者の出頭や証拠提出を求める「調査権」が最大の違いで、百条委にのみ「調査権」が認められている。

業者は「現在の特別委での証言には宣誓がなく、虚偽罪の制裁がない。もし特別委に出席したとしても結局、市と私たちの主張は水掛け論にしかならない」として、特別委での証言は控えるとの見解を示している。

前回の委員会では野党議員が百条委に切り替えた調査を求めたが、与党多数の中で賛同は得られず特別委での協議続行となっている。しかし、13日の委員会でも再び百条委設置の声が上がる見込みで、その判断が注目される。

※今日は宮古島市の議会において極めて重要な日になるでしょう。


住民から信頼される地方公共団体の条件を考える

2015-11-13 05:47:19 | 備忘録

このブログでは、宮古島市の不祥事をウオッチしていますが、「沖縄県」「公務員」「不祥事」でネット検索すると、県内で発生した公務員による数多くの不祥事がヒットします。

そこで、総務省が取りまとめた「地方公共団体における内部統制」に関する資料に基づいて、住民から信頼される地方公共団体の条件を考えてみたいと思います。

内部統制による地方公共団体の組織マネジメント改革
~信頼される地方公共団体を目指して~

以下は資料の概要です。

現在政府では、地方分権改革推進委員会等において、地方分権改革に取り組んでいるところであるが、このような行政改革や地方分権改革を進めるには、住民の信頼がその基礎となることは論を俟たない。

ところが、近年、国・地方問わず公務員の不祥事件の続出により行政の信頼が大きく揺らいでいるのが実情である。

地方が国に代わり、自治の担い手として地域の課題に果敢に対応するためには、財政危機を乗り越えるための改革を進めるとともに、地方分権改革を着実に推進し、国民・住民のための地方自治を担うべき地方政府を確立させることが必要である。そのためにも、各団体が適正な行財政運営をより一層進め、住民の信頼を得ることがその前提ではないだろうか。

このため、首長がリーダーシップを発揮しながら、職員の意識を変革させ、地方公共団体を取り巻く様々なリスクに対し自律的に対応可能な体制を整備することにより、業務の効率化や法令等の遵守を図るなど、リスクに着目して地方公共団体の組織マネジメントを抜本的に改革し、信頼される地方公共団体を目指していくことが求められている。

各地方公共団体においては、地方行政に対する国民・住民の信頼を回復するため、厳正な服務規律の確保や適正な予算執行の確保に全力を尽くし、不正の根絶及び不適正な事務処理の改善に向けた取組を推進することにより、国民・住民の信頼を回復することが重要な課題である。

今後、権限や財源が国から移譲され、地域で責任ある行政を実現するためにも、地方公共団体が自ら組織マネジメントそのものを抜本的に改革していくことが求められている。

これまでの組織は、官民問わず個人の資質の高さに依存してきたことや、リスクは自然災害のようなものであり、その対応は事後的なものという意識を背景として、リスクと向き合い、リスクを事前に統制するという視点やその対策のための仕組みづくりを軽視してきた。

このような状況を認識し、行政を取り巻く諸課題をあらかじめリスクとして事前に洗い出し、評価・特定した上で、その対応策を講じることによって、事務処理ミスや不祥事件の発生を未然に防ぐことが求められている。

首長や職員にリスクに対する意識や組織的対応など内部統制の考え方が十分に理解されていないと考えられる。地方公共団体における内部統制の整備・運用は、これらの点に注目することから始まるものである。

内部統制を整備・運用するに当たっての一つのキーワードは「リスク」であり、まずは、地方公共団体を取り巻くリスクについて組織的に把握することから始めなければならない。

内部統制において対象とするリスクは、危機管理で想定される事後対応が必要なリスクではなく、事前統制の対象となしうるリスクである。

内部統制において対象とするリスクを考える際には、リスクの発生頻度やリスクが発生した場合の影響度をもとに、地方公共団体を取り巻くリスクを評価した上で、組織が実現しようとする目的や費用対効果を勘案して決定されるものである。

地方公共団体の場合は、住民の税を基本として住民サービスを実施する性格を踏まえると、地方公共団体の事務の原則である業務の有効性及び効率性の追求が重要であり、その前提として、公平性・公正性が求められることから、法令等の遵守に基づく合法性や合規性の確保がその基礎となる。

いずれにしても、首長をはじめ組織的に内部統制を導入する必要性等について議論し、自主的に決定していくプロセスそのものが重要である。

内部統制による地方公共団体の組織マネジメント改革を目指すに当たって、地域の実情に応じた施策を自らの判断と責任で実行できなければ、十分なマネジメント改革は望めない。

地方公共団体が自らの権限と責任で地域の課題を解決できる真に自立した存在として、自主的な組織マネジメントができる環境を実現しなければならない。

以上が資料の概要です。

このブログの管理者は、次の3点が住民から信頼される地方公共団体の条件になると考えます。

(1)行政運営の透明性の向上、業務の有効性及び効率性を高めること

(2)法令等の遵守に基づく合法性及び合規性を確保すること

(3)リスクと向き合い、リスクを事前に統制すること

※市町村が行うごみ処理については、特に(3)のリスクを事前に統制することが重要になると考えます。なぜなら、市町村がリスクを事前に統制せずに問題を先送りして事後に対処するという意識でごみ処理を行っていると住民の負担が限りなく増加するからです。