沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

改めて中北組合に対する沖縄県の不適正な技術的援助を考える(その8)※県の選択肢

2016-08-01 09:45:58 | ごみ処理計画

ゲストの皆様へ

このブログは、当分の間、下の資料にある問題を解決するために管理をして行く予定です。 なお、この問題を県が放置していた場合は、県に対する県内の市町村、そして県民の信頼を著しく損なうおそれがあると考えています。

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その8は、「沖縄県の選択肢」について書きます。

その前に、下の画像(3つ)をご覧下さい。これはインフラ長寿命化基本計画が決定した平成25年度に県が中北組合に与えた技術的援助の内容を整理した資料です。

この技術的援助は、中北組合が地方公共団体ではなく民間の廃棄物処理業者であれば適正な技術的援助になります。なぜなら、民間の廃棄物処理業者は地方公共団体ではないので地方自治法や地方財政法は適用されないからです。また、地方公共団体に対する国の様々な施策も適用されないからです。

(注)県が中北組合に対して技術的援助を与えたときは既にインフラ長寿命化基本計画が決定していました。しかし、県は中北組合に対する技術的援助に当ってこの計画を全く無視していることになります。

中北組合が民間の廃棄物処理業者の場合は、県は上の資料にあるような「行政指導」を行うことになります。 

民間の廃棄物処理業者の場合は「技術的援助」ではなく「行政指導」ということになりますが、県が中北組合に与えている「技術的援助」は、上の資料にあるように民間の廃棄物処理業者に対する「行政指導」とほとんど同じ内容になります。

(注)市町村は自ら最終処分場を整備することが大原則になっています。それができない場合は、代替措置として溶融炉を整備するという形になっています。また、市町村が焼却灰の民間委託処分を行う場合は、廃棄物処理法の基本方針に基づくごみ処理計画を策定していなければならないことになっています。しかし、県は中北組合に対してこのような「公式ルール」を無視して、民間の廃棄物処理業者と同じルールを適用して技術的援助を与えています。 

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下の画像(2つ)は、廃棄物の処理に関する都道府県の適正な事務処理を整理した資料です。

このように、県が民間の廃棄物処理業者に対して行政指導を行う場合は、基本的に廃棄物処理法の規定と行政処分の指針を確認すれば適正な事務処理を行うことができます。しかし、市町村に対する技術的援助については、市町村の自治事務に対するものになるので、地方自治法や地方財政法の規定、そして、廃棄物処理法の基本方針等も確認しなければなりません。したがって、民間の廃棄物処理業者に対する行政指導よりも遥かに複雑な事務処理になります。

沖縄県の場合は、結果的に市町村(中北組合)に対して上の資料にあるような技術的援助を与えています。なお、民間の廃棄物処理業者に対する行政指導については廃棄物処理法の規定の確認と行政処分の指針の確認がセットになっているので、沖縄県もセットで考えている可能性が高いと考えています。

(注)国においても、経験の浅い職員は市町村に対してこのような技術的援助を与えている場合があります。そして、市町村には適用されない行政処分の指針を平気で適用しているケースが多々あります。ただし、そのような技術的援助は市町村の自治事務に対する不適正な技術的援助になるので、市町村は十分に注意をする必要があります。

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下の画像(2つ)は、県の不適正な技術的援助の内容を整理した資料です。

このように、県が中北組合に与えた技術的援助は廃棄物処理法の基本方針に適合しない技術的援助になるため、中北組合は国と対立して事務処理を行うことになってしまいました。そして、ごみ処理施設の整備(長寿命化、更新、新設等)に当って国の補助金を利用できない自治体になってしまいました。また、地方財政法第8条の規定に違反している自治体になってしまいました。   

(注)中北組合は県の技術的援助に従ってごみ処理計画を改正していますが、そのごみ処理計画は、結果的に平成26年度から平成35年度までの10年間は国の補助金を利用しない(利用できない)計画になっています。

このように、設備の長寿命化というのは処分制限期間を経過したものを対象にしています。そして、国は長寿命化を実施する市町村と実施している市町村に財政的援助を与えています。したがって、設備の長寿命化を実施していない(拒否している)中北組合は、設備の更新や新設に当って国の基本方針に適合するごみ処理計画や地域計画を策定しても国の財政的援助は受けられないことになります。

(注)中北組合が自主財源により更新又は新設した設備が老朽化した場合は、廃棄物処理法の基本方針に適合するごみ処理計画と地域計画を策定すれば、国の補助金を利用して新たな設備を整備することができます。

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下の画像は、地方財政法第8条の規定と設備の長寿命化の関係を整理した資料です。

設備が処分制限期間を経過した時に地方財政法第8条の規定を除外することできるとした場合は、国が長寿命化を要請しても拒否することができることになります。しかし、国は処分制限期間を経過した設備の長寿命化に対して財政的援助を与えています。このことは、設備の処分制限期間を経過した場合であっても地方公共団体が設備を所有している場合は地方財政法第8条の規定が適用されることを意味しています。したがって、県や中北組合がこの規定を除外して長寿命化を拒否していることは地方財政法第8条の規定に違反する行為になります。

(注)地方公共団体が所有している設備に対して地方財政法第8条の規定が除外される場合は、更新や新設を行う場合よりも長寿命化を行う方が財政負担が増加する場合(効率的な運用が困難になる場合)、つまり、設備の老朽化が著しい場合(物理的耐用年数に近づいている場合)が条件になります。

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下の画像(2つ)は、沖縄県と沖縄県以外の都道府県の事務処理を比較するために作成した資料です。

ごみ処理に関する市町村に対する都道府県の技術的援助は市町村の自治事務に対する技術的援助になるので、沖縄県以外の都道府県が市町村から中北組合と同じ相談を受けたときは2つ目の資料の右側にあるような技術的援助を与えることになります。なぜなら、市町村は民間の廃棄物処理業者ではなく、地方自治法や地方財政法の規定が適用される地方公共団体だからです。

(注)建物の処分制限期間を経過する前に設備を休止又は廃止する場合は、建物の目的外使用を行うことになるので、設備を利用している地域において設備と同種の社会資源が充足していなければなりません。したがって、充足していれば設備を休止又は廃止しても地方財政法第8条の規定は適用されないことになります。しかし、充足していない場合は代替措置を講じなければならないことになっています。これは、補助金適正化法第22条の規定(財産処分に関する規定)に基づく国の「公式ルール」です。

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下の画像は、県と中北組合の考え方を整理した資料です。

このように、県と中北組合は廃棄物処理法の規定しか感心がないので、国の補助金を利用するときが来たら廃棄物処理法の基本方針に適合するごみ処理計画と地域計画を策定すれば、国の補助金を利用して単独処理も広域処理もできるという極めてシンプルな考え方をしています。

(注)県と中北組合は設備の長寿命化を拒否しても国の補助金を利用して新たな設備を整備することができると考えていることになります。

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下の画像は、県と中北組合の実態を整理した資料です。

補助金適正化法の処分制限期間を経過すれば設備を休止できるという発想は、民間の発想です。なぜなら、地方公共団体が所有している財産には地方財政法の規定が適用されるからです。その中でも第8条の規定は重要な規定で、国が地方公共団体に対して所有財産の長寿命化を要請するための根拠法になっています。しかし、県も中北組合もそのような規定はないものと考えています。したがって、国の長寿命化政策や廃棄物処理法の基本方針等はほとんど無視しています。このため、国の補助制度に対する認識も不十分な状況になっています。

(注)国は国の施策に対して非協力的な市町村に財政的援助を与えることはできません。しかし、中北組合は国から見れば国と対立している自治体になるので、単独処理であっても広域処理であっても国の補助金を利用することはできません。

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下の画像(2つ)は、中北組合が地方財政法第8条の規定に違反していないとした場合を想定して作成した資料です。

中北組合が地方財政法第8条の規定に違反していない場合は、地方公共団体は中北組合と同じように処分制限期間を経過している設備の長寿命化を行わなくてもよいことになります。したがって、環境省と総務省はマニュアルを改正しなければならないことになります。そして、沖縄県は策定したばかりの公共施設等総合管理計画の素案を見直さなければならないことになります。

(注)処分制限期間を経過した設備に対して地方財政法第8条の規定が適用されない場合は、中北組合は地方財政法違反になりません。しかし、国と県は同様の事務処理を行わなければならないことになります。

このように、中北組合が休止している溶融炉に対して地方財政法第8条の規定が適用されない場合は、長寿命化の対象になるのは処分制限期間を経過していない財産だけということになります。

(注)この場合、処分制限期間を経過した焼却炉や溶融炉の長寿命化に対して国は財政的援助を与えることができなくなります。

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前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

下の画像は、県が中北組合が地方財政法第8条の規定に違反していることを認めない場合と認めた場合を整理して作成した資料です。

県と中北組合は、中北組合が地方財政法第8条の規定に違反していることはすぐには認めないだろうと考えています。なぜなら、不適正な技術的援助を認めることになるからです。一般的に考えて、地方公共団体が自ら不適正な事務処理を不適正と認めることはほとんどありません。それが、地方公共団体という組織の大きな特徴です。

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下の画像は、県が中北組合が地方財政法に違反していることを認めない場合を想定して作成した資料です。

県が地方財政法違反を認めない場合は、当然のこととして、地方公共団体(県を含む)は処分制限期間を経過した設備の長寿命化を行わなくてもよいことになります。しかし、多くの市町村が長寿命化を行う必要があると考えています。したがって、県は中北組合だけでなく県内の全市町村に処分制限期間を経過した設備については長寿命化を行わなくてもよいということを周知しなければならないことになります。そして、県も行動計画の見直しを行うことになります。なぜなら、平成28年度は行動計画の策定期限になっているからです。

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下の画像は、県が本気で県内の市町村に対して処分制限期間を経過した設備については長寿命化を行わなくてもよいという周知をする場合を想定して作成した資料です。

国が廃棄物処理法の基本方針に適合しない事務処理を行っている市町村に対して財政的援助を与えることは絶対にありません。なぜなら、国と対立している地方公共団体に対して財政的援助を与えると国が法令に違反することになるからです。このため、県は国に代わって市町村に対して財政的援助を与えなければならないことになります。しかし、そんなことができるはずがありません。したがって、ここまでくると県は地方財政法違反を認めざるを得ない状況になります。

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下の画像は、それでも県の職員が地方財政法違反を認めない場合を想定して作成した資料です。

このように、まったく馬鹿げた話になりますが、県の職員が地方財政法違反を認めないということは、最終的にはこのような結論に至ることになります。しかし、県の職員が市町村に財政的援助を与えるなんてことは絶対にありません。

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下の画像は、県と県の職員が問題になってから地方財政法違反を認めた場合を想定して作成した資料です。その意味では、よくあるパターンになります。

このように、県や県の職員が中北組合に対して財政的援助を与えることは絶対にないので、結果的に中北組合に対する県や県の職員による不適正な技術的援助の責任は中城村と北中城村の住民が負うことになります。 

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下の画像は、県が地方財政法違反を認めた場合を想定して作成した資料です。 

このブログの管理者は、県が地方財政法違反を認めた場合は必然的にこのような結果になると考えています。なぜならこれ以外に選択肢がないからです。 

このように、中北組合に対する県の技術的援助は広域処理を前提とした技術的援助になるので、浦添市のことも考えて与えなければなりません。そして、中北組合も浦添市も民間の廃棄物処理業者ではなく地方公共団体なので、廃棄物処理法の基本方針や地方財政法等の規定にも適合する適正な技術的援助を与えなければならないことになります。


もしかすると、県は中北組合の焼却炉や溶融炉の特殊性を考えずに、法令違反を是正することだけを考えて、単純に再稼動と長寿命化を求めるかも知れません。しかし、そのような技術的援助は市町村に対する都道府県の技術的援助ではなく、民間の廃棄物処理業者に対する行政指導と同じ事務処理になります。したがって、中北組合に対する県の技術的援助は法令違反を是正することだけでなく浦添市との広域処理を推進することがきる技術的援助でなければならないことになります。

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下の画像は、浦添市との広域処理を前提にして中北組合の現状を考慮して県が技術的援助を与える場合を想定して作成した資料です。

県が中北組合の法令違反を認めた場合は、直ちに是正するための技術的援助を与える必要があります。また、県には中北組合と浦添市との広域処理に必要な技術的援助を与える責務もあります。そうなると、法令違反の是正と広域処理を推進するための具体的なスケジュールについても技術的援助を与える必要があります。なぜなら、中北組合は県の技術的援助によって法令に違反する事務処理を行うことになってしまったからです。

(注)焼却炉の長寿命化は供用開始から16年目になるので、一般的な長寿命化に比べるとやや遅い施策になりますが、その前に代替措置を講じて溶融炉を廃止しなければならないので、やむを得ない措置になります。なお、代替措置を講じる時期が遅れると焼却炉の長寿命化を行う時期も遅れることになります。したがって、浦添市との広域処理を推進するためには平成29年度に代替措置を講じることが必須条件になると考えます。

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下の画像は、県が中北組合の地方財政法違反を認めない場合と認める場合を比較して作成した資料です。

このように、県が中北組合の地方財政法違反を認めない場合は、処分制限期間を経過した設備については地方財政法第8条の規定は適用されないことになるので、県は中北組合以外の市町村に対して早急にそのことを周知しなければならないことになります。なぜなら、平成28年度が行動計画の策定期限になっているからです。また、県が地方財政法違反を認める場合も中北組合に対して早急に行動計画の策定に必要な技術的援助を与えなければならないことになります。

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下の画像は、県が中北組合の地方財政法違反を認めずに、しかも、必要となる事務処理(他の市町村に対する周知等)を放置した場合を想定して作成した資料です。

中北組合以外の市町村は、当然のこととして設備の長寿命化を行う前提で行動計画を策定するはずです。したがって、県がこのような事務処理を行った場合は、中北組合だけが県の不適正な技術的援助によって住民に対して過大な財政負担を強いることになります。ただし、県が事務処理を放置した場合であっても、中北組合や浦添市は今年度中に行動計画を策定しなければならないので、数ヵ月後には県の不適正な技術的援助の実態を中城村と北中城村の住民が知ることになります。

(注)中城村と北中城村の住民が県の不適正な技術的援助を知ったときには、県と住民との間で大きなトラブルになると考えています。したがって、県は早急に中北組合が地方財政法第8条の規定に違反していることを確認して技術的援助の適正化と法令違反の是正を図る必要があると考えます。

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下の画像は、市町村の法令違反と都道府県の技術的援助の関係を整理した資料です。 

このように、市町村が法令に違反している場合は是正しなければなりませんが、市町村が都道府県の技術的援助を受けていない場合は、都道府県は市町村に対して是正の勧告を行うことになります。一方、都道府県が市町村に対して不適正な技術的援助を与えたことによって市町村が法令に違反する事態になった場合は、都道府県が不適正な技術的援助を適正化することで法令違反を是正することになります。

中北組合に対する県の技術的援助は不適正な技術的援助です。そして、そのために中北組合は法令に違反する事態になっています。したがって、県には技術的援助を適正化する責務があります。しかも、平成28年度は行動計画の策定期限になっているので、県は今年度中に中北組合に対する技術的援助を適正化して法令違反を是正しなければならないと考えます。

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以上が、「県の選択肢」に関するこのブログの管理者の意見です。

最後に、もう一度下の画像をご覧下さい。


 

このブログに何度も書いてきましたが、平成28年度は行動計画の策定期限になっています。そして、県は今年の6月に行動計画の素案を作成して県民に公表しています。

沖縄県公共施設等総合管理計画素案(平成28年6月)

このブログの管理者は沖縄県民としてその素案を注意深く読んでみました。しかし、県が中北組合に対して与えている技術的援助に適合するような文章はどこにもありませんでした。

このことは、県が処分制限期間を経過した設備についても地方財政法第8条の規定を適用して長寿命化を推進することを考えていることになります。

国から見た場合は沖縄県も中北組合も同じ地方公共団体です。ただし、県には中北組合に対して適正な技術的援助を与える責務があります。したがって、県は中城村や北中城村の住民とのトラブルを避ける意味でも、大至急、中北組合に対する不適正な技術的援助を適正化しなければならないと考えます。

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その9に続く