沖縄県の泡盛マイスター協会(新垣勝信会長)は19日、泡盛に感じる香りや味わいを図式化した「泡盛テイスティングチャート」を作成した。製造3年未満の一般酒を対象に、トップノート(初めに出てくる香り)から残り香まで時間経過の中で感じられる香りの表現として105用語を選抜し、円形に並べた。
沖縄国税局が鑑定官や酒造所の専門的な立場から作成した「泡盛フレーバーホイール」を参考に、同協会が14年にわたり大学などで実施している泡盛講座でのテイスティングデータを基に、泡盛になじみのない人でも理解がしやすい用語を使うなど消費者目線で作成した。
酒販店などでの販売促進で活用することを想定しており、今後は古酒や銘柄ごとのテイスティングチャートの作成も目指す。一般酒を常温のストレートでテイスティングする条件で、米や甕(かめ)といった原料や容器の香りから、かんきつ系果実やナッツ類など多くの人が感じた香味の表現を盛り込んだ。
沖縄国税局のフレーバーホイールには「石鹸様(せっけんよう)」「エステル」といった鑑定の専門家の間ではよく用いられる用語もあるが、マイスター協会の小嶺直正専務は「飲料なので不快な表現は用いず、口に入れることを用語の前提にした。違いを表現しやすいよう、一般の人に伝わりやすい表現を考慮した」と説明した。
内閣府の「沖縄の酒類製造業の振興策に関する検討会」の座長を務める小泉武夫東京農大名誉教授は「100余りの表現を集めたのは泡盛に限らず嗜好(しこう)品をチャート化する参考になる」と評した。