琉球古典音楽 野村流師範 ロビン・トンプソン
英国出身、沖縄県在住の琉球古典音楽野村流保存会師範、ロビン・トンプソンの著書「琉楽百控」が今月末、榕樹書林から発売される。琉球古典音楽100曲を五線譜化し、音楽と歌詞の構造的な関係を分析した。
トンプソンは「五線譜化することで世界中の人が理解できる。琉球古典音楽の国際的な普及や実演家が理解を深めるのに役立てればいい。(構造を理解することで)新たな創作の下地になる」としている。
琉球古典音楽に関する解説書は数多く出版されているが、ほとんどは歌詞の解説が中心になっている。工工四を基に音楽を分析した本もあるが、トンプソンは「工工四だと琉球古典音楽の実演家には分かりやすいが、それ以外の人には分かりにくい。五線譜にすることで曲の全体的な構造が見える」と指摘する。
「琉楽百控」は「声楽譜附 野村流工工四」上、中巻の全曲と下巻、「捨遺」の一部を収録した。また「欽定工工四」にはあるが、現行の工工四にはない首里系の「赤馬節」、「タラクジ節」、「(揚)古見之浦節」の歌の復元も試みた。
琉球古典音楽の五線譜化はこれまでも行われてきたが、トンプソンは「拍節構造の誤認など問題が多い」と指摘する。
「琉楽百控」では五線譜の上段は三線、下段は歌を記している。打音などの奏法は、符頭(音符の円部分)の形を変えて表している。
歌詞のローマ字表記、英訳も載せている。
税抜き5,800円
問い合わせは榕樹書林:098-893-4076