個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

ひきこもりについて⑤~塾のスタート

2017-05-24 15:36:06 | ひきこもり
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

ひきこもりについて書こうと思ったとき、自分の経験をいれることが必要だと感じ書き始めましたが、ずいぶんと長くなってしまい申し訳ありません。もう少しで終わりますので最後までお付き合いください。

約3ヵ月間のオーストラリアでの生活は初めの2週間ほどは不安で不安でたまらなく、もう日本に帰ろうかと何回思ったかわからないほどでしたが、それ以降はとにかく楽しく一度もホームシックにはならないほどでした。帰りの飛行機の中でぼんやりと「日本帰ったら何しようかなあ」と頭に浮かびましたが、それよりも「もう一度必ずオーストラリアに行こう!」という気持ちが強かったのは覚えています。

関空に到着したときになって、家族にお土産を買っていないことに気づきました。これはまずいと思って、関空のお店で適当に何か買って帰ろうと思い、お店に入りました。「いらっしゃいませ」という言葉が聞こえてきた瞬間、ものすごーくホッとした感覚におおわれ、「うわ、話してる言葉めっちゃわかる!」と嬉しくなりました。気がつけば、その店員さんと少しの間雑談していたのです。あれほど家族以外と話をすることができなかた私が、見知らぬ店員さんと笑顔でしゃべれたのです。このときに、おそらく私の中では何かが変化していたのだと思います。

「何かしたい。オーストラリアに行く前の生活には戻りたくない」そう強く思いました。ですが具体的に何をすればよいのか思いつきませんでした。帰国したのが4月だったのでもう1度公務員試験というのも考えましたが、当時私は26歳になっており年齢制限などで受験資格のないものが多く諦めました。また、民間企業なども職歴のない(2週間だけはありますが)26歳の私など採用してくれないだろうと思い就活をする気にはなれませんでした。そんなとき、高校時代の友人から選挙に出るから手伝ってくれないかという連絡がありました。選挙はもちろん、政治のことなんてまったくわかりませんでしたが、時間はたっぷりあるし、何かしたい気持ちも強いし、なにより友だちが頼ってくれてるのが嬉しくその日から毎日その友人の事務所に顔を出すようになりました。とにかく少しでも役に立ちたいという気持ちから、早朝の街頭演説の周囲でビラ配りしたり、ポスティングしたり、事務所の掃除をしたりと無我夢中で手伝っていました。そうしているうちに、こんな職歴や社会経験のない私でも役に立ててるんだという喜びとともに、同級生の友人がこんなにも頑張っているんだから、自分ももっと頑張ってみようという勇気がどんどん湧いてくるようになって、ますます何かを始めたいという気持ちが強くなりました。

その年の12月頃だったと思いますが父親から「お前、塾やってみないか?」と言われました。私は少しも迷うことなく「やってみる」と返事しました。ちょうど父親が事務所として借りていたアパートの隣の部屋が空いたから、そこを使えばいい。家賃などの初期費用はなんとかしたるから。私の家は決して裕福ではありませんでした。それでも3兄弟を大学に行かせてくれて、そのせいで父親はかなりの借金を背負っていました。そんな父親がそこまで言ってくれた言葉はとてもありがたく、今もずっと心に残っています。オーストラリアへ行ったときと同じく、このときもほぼノープランでした。塾を始めるといってもどこから始めればいいのかなにもわからず、思いついたことから始めていきました。本棚やソファなどは高校時代の友人がプレゼントしてくれ、チラシは自分で作って印刷したものを、また友人が一緒にポスティングしてくれました。こうして、多くの人に支えてもらいながら「松下塾」という塾を始めることができたのです。はたして生徒が集まるかという不安はありましたが、こうして社会に出てスタートラインに立てたという喜びが大きかったです。そして初めて入塾してくれた生徒(今でも顔と名前をはっきり覚えています)から、お月謝をいただき、授業が終わった後その月謝袋からお金を取り出した時のあの喜びは一生忘れません。「よっしゃー!」と何度もガッツポーズをしました。言葉では表現できないほどの、感動と喜びといろんな感情が全身からふきでてくるような、そんな瞬間でした。

あと1回続きます。
コメント
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