今年、ゲーム業界でも大手が決算でとんでもない金額の損切りをしていたので、ある程度広く知れ渡っているものと思いますが、私が常駐案件を離れた1年半くらい前から開発の中止や、いつまでもGoサインが出ないような企画が増えていました。
色々な要因があるのは間違いないのですが、現場でものを創っていた身からするとそのうちの一つは、外資が既存タイトルの何倍ものお金をかけて品質と物量で上陸して、その基準で創らないと勝負にならない、ということになった結果であろうと思っています。
もちろん、本気で同じような舞台で戦えるならそれは王道というか、やり応えありそうですが、無理でしょう。お金があるとかないとか、そういう話ではなくて、今までずっとせいぜい数億の開発しか経験していない人たちで、いきなり倍とか3倍の予算の開発を進められるのかという問題です。そういう大きな開発を回せる人もいませんでしたし、その規模の開発に見合うライターやグラフィック系の人材を急いで集めるのも無理です。
ある程度のステップが必要なのは間違いないのですが、ゲームというのは「ものとしてはいまいちだけど、安い」みたいなものには一切価値がないタイプの商品なんですよね。そこが状況を難しくしている気がします。
そういう状況の中、自分はこの業界でどういう仕事をしていけるのか、なかなか簡単に答えは出ません。
