こんにちは、秋田・地ビール 湖畔の杜レストランORAEのミミです
翌朝、角館警察署に救援物資を積み込んだトラックで向かい、様々な事務手続き後、積荷のチェックを受けました。
そうやって、いよいよ発行頂いた「緊急車両証」を車のフロントガラスに貼り、一路盛岡インターへ。
盛岡インターの料金所通過時、料金所の方が「お疲れ様です!」とお声をかけて下さいました。
「ここは岩手なんだな・・・」と当たり前のような事をあらためて思い、「お疲れ様です」とかけて頂いたお言葉が「有難うございます」に聞こえ、このお言葉ひとつに胸にグッとくるものがありました。
「緊急車両証」に目を移され、その瞬間、本線へ誘導棒が振られました。
そうです、「緊急車両証」がある限り高速はフリーパスなのです。
いよいよ、本線に入り走るも、緊急車両しか走っていない様に、まるで志を共にしたものが走っているかのような気がしてきて、心の中は「お疲れ様です。お互いに気をつけていきましょう」と言い合っているような感じがしました。
はたして大船渡市役所に行って、実際お役に立てるかどうか不安になりつつも、岩手東和インターで高速を降り、大船渡へ更に車を走らせました。
通りかかったガソリンスタンドの前に「緊急車両のみ」の文字。
1.8トンの水を積んでいて思ったよりガソリンが減っていた事と、車自体運搬の手伝いに使って頂きたいという思いもあり、立ち寄ることに・・・。
最近は制限つきでしか給油が出来なかったので、どれくらい入れられるのだろうと不安に思っていると、緊急車両証のある車は満タンOKとの事。
保証された優遇策に、手を尽くして望んでよかったと改めて思いました。
見慣れた風景。小高い道路から見える大船渡の街並み。
今、私たちが向かっている大船渡はどのように変貌しているのだろう・・・・、あのテレビで観る
惨劇が心によぎり身体に緊張が走りました。
自分達が予想していたところまではどうも水はきていない・・・・もっと手前で津波は止まってくれたのか。。。と、目を海側に向けると、数台の車が積み重なるように住宅へ突き刺さっていました。 そこは住宅密集地。
どんなに恐ろしかっただろう・・・・。
その光景を目にして、津波の時におきた街中の悲鳴が聞こえるようでした。
背中に冷や汗を感じると共に、「お役に立てるよう心を尽くさねば」という思いで胸が一杯になりました。
更に車を進め、交差点にいた警察官の方に市役所の場所を聞いたところ、「私たちも秋田からきてるので分かりません」との事。
市役所(対策本部)の場所くらいわかっていて欲しいな・・・と思いつつも、皆さん応援にいらしているのだな・・・と。
そして市役所だと思って入ったリアスホールで場所を聞くと、なんと大船渡市役所は高台に。
岩手県庁の方がおっしゃっていた「市役所は1Fが冠水していて・・・」の言葉に、「えっ!冠水?」・・・・、伺いますと、やはり冠水はしていないとの事。
岩手県庁もそれくらい混乱し、更にはいかに情報が入らない状態であったのか、という事を知る事に・・・。
市役所に入り救援物資の受付の方にお話をしましたら、最初はそちらの窓口での対応という感じだったのですが、持参した救援物資一覧をご覧になり、「ゆで卵2500個!?」の言葉と共に「今、担当をお呼びします」との事。
出ていらした女性の課長さんに教えられ、救援物資を運び込む専用の搬入場所へ。
無事に皆さんの善意の品をお渡し出来た事にひと安心。
そして対策本部 市長宛にお書きしたお手紙を物資を受領して下さった市役所の方にお渡しいたしました。今まで大船渡市にお取引を通じて世話になっていた事のお礼と、復興するまで私たちも心同じである事をお伝えしたかったのです。
各地から運び込まれた救援物資に目をやると、お米や塩、衣類、ティッシュなど、沢山の物資が・・・。
一瞬、求められていないものでも、善意という言葉のもとに、この方たちは荷受せざるを得ないのかもしれない・・・・そのような思いが心をよぎりました。
持参するものが善意であっても、たとえば私たちが贈り物をする時に相手の方の事を思い、その品をあれこれと考えるのと同じように、救援物資もマスターベーションで終わる事のなきよう、よくよく斟酌しなければいけないのではないかと思いました。
運び込んだ田沢湖の水は、市役所前に控えていた自衛隊の給水車の補給用にとの事でしたが、5トンの水はなかなか減らず、私たちは車での待機状態が続いておりました。
待っている中、「私たちはこうしていていいの???」という疑問が。
「どこにだって行くのに」。
この想いが胸を突き破り、救援物資を運び込んだ先へ再び足を向けました。
次回に続く。
警察署から発行していただいた許可証
田沢湖の水はトラックへ。
物資はレンタカーへ。
いよいよ大船渡へ入りました
いつもの見慣れた風景を見て、緊張することに・・・。
次々に運びこまれる物資
床に敷いていただくダンボール
同じく床にひいて頂く為にお持ちした緩衝資材
新品の毛布
一生懸命スタッフが作った茹で卵
前日の冷え込みで自衛隊の給水車は凍結して出なかったとの事。
供給時間が遅れた事もあったのかこの5トンの給水車に、持ち込んだ
水を入れるには大変な時間がかかりそうでした。
いつも行っていた海の近くの場所は、今日は立ち入りが出来ない・・・。
ボーっと遥かを見つめる。。。
どうなってるのだろう。。。あの方はどうしているのだろう。。。